『学力喪失』を完読した。最後に1-3章を読んだのである。
だからこの本を読んだはじめての章は4章であった。このブログでも書いたが、私のこの本で一番関心を持ったのは8章である。
数のカルタのゲームがよいと感じた。この本では分数が記号接地できていないとか、割合の意味がわかっていないとかの指摘があった。
割合とはなかなか難しい概念らしくて古い数学の本を見ても難しいとか書いてある。この割合の概念の中には度、率、倍と比とが含まれているというのは数学者の遠山啓さんの分析だと思う。
そして度と率とは連続量に入り、連続量に対比されるのはもちろん分離量である。
ここで、フランス語の達者な人なら、ああ連続量は部分冠詞で表されるような量で、分離量は不定冠詞で表されるような量だと思うだろうか。それはある意味で正しい。
割合という概念の中に入れた度、率、倍と比だが、度と率は量の中に入るが、倍と比は量の中には入れない。しかし、これらは難しくて教えにくいのだが、度、率、倍と比の順に教えるというのが数学教育協議会での中での暗黙の了解事項だろう。
「比とは比の値である」という観点で教える体系をつくろうではないかというのが私の考えである。これですべてがうまくいくのかどうかを確かめる必要がある。
以前に「比と比例式を考える」というエッセイを書いたことがあるが、もっと私の持っている古い本も参照して徹底的な比と比例式の考察をしたエッセイを書いておきたいと考えている。
図形の問題で相似な図形を取り扱うときには相似比という考えが必要である。これも全部分数式表示で取り扱うというのが今の考えである。
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