微分方程式の解は一意的か。
こういう問題はあまり考えたことがなかった。自然に一意的だと勝手に思ってきたようである。
普通の微分方程式を解くことはあまりなかったが、量子力学での散乱問題を数値的に解くことをかなり長い間してきた。
だが、そのときにいまから考えると解の一意性を暗黙裡に認めてきた。もし微分方程式とその初期値が与えられたときに、解が一意的でなかったら、世の中はなにがなんだかわからなくなってしまいそうだ。
自然に法則があるということは因果律が成り立っており、その法則は一意的であるということだろう。そうでないと人間が自然を認識できないだろう。
ただ、量子力学ではある事象が起こる確率を与えるのみであり、狭い意味の一意性を保証してはいない。
ただ、それでもそのある事象が起こる確率を与える方程式はわかっており、それで普通には因果律が成り立つと考えている。
もっともそれは古典論的な意味での因果律は放棄されているのだが、微分方程式が分かっているという意味で因果律が成り立っているという風に考えるのである。
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