flow Trip -archive-

「漂い紀行 振り返り版」…私の過去の踏査ノートから… 言い伝えに秘められた歴史を訪ねて

曽本二子山古墳

2016-10-03 00:00:00 | いにしえびとの睡

(愛知県江南市曽本町二子 1994年4月26日)
 現地に到着する途中、小田井、西春付近は地下鉄相互乗り入れ完成により変わってきていた。今回は一宮市、江南市、小牧市、岩倉市、大口町の境界線付近を訪れた。岩倉市は昭和57年以来12年振り、小牧市、江南市は平成2年以来4年振りであるが、今回のこの付近を歩くのは初めてである。付近の人々にものを尋ねるとき、年齢の高い人ほどいわゆる名古屋弁が多く現れていた。尾張地方は県外出身者や比較的若い世代の人が多いので、市街地ではそれほど聞かないが、周辺部ではまだまだ使われていた。  現犬山市に入鹿池及び入鹿用水が完成した寛永十年(1633)以降に用水懸かりの新田開発が行われた三ツ淵入鹿原新田を通り、曽本二子山古墳に出た。古墳は公園として整備されていて、墳丘上は草生地となっている。全長60m,高さ7m,横穴式石室の前方後円墳であり、寛永二年(1625)と明治20年(1887)の発掘によって金環、玉類、甲胃、刀、金銅製鏡板、鎖鉸具、轡、須恵器等が出土している。明治20年以前には隣接して2基の円墳が存在し、あわせて二子塚、弁慶塚と呼ばれたという。また、昭和46年(1971)に測量調査、昭和63年(1988)には発掘調査が実施され、二段築成で周濠を持つことが確認された。

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