(東京都渋谷区円山町)
大山街道の宿場があったこの地は、渋谷駅開業頃から花街となり、現在はラブホテルが立ち並ぶ一角となっている。その中に千代田稲荷神社があり、長禄元年(1457)太田道灌が千代田城(後の江戸城)築城の際、守護神として伏見稲荷を勧請し創建されたのが始まりという。徳川家康が江戸城入城後は西丸の紅葉山に遷座、慶長七年(1602)城郭拡張により宮益坂に移転し、千代田稲荷と称した。関東大震災により被害を受け渋谷百軒店に遷宮し、戦後になり現在地に遷座している。また、町内には昭和以前の風情が残る他、かつての三業地の名残の芸者階段と呼ばれる階段坂がある。