2014年1月から細々と続けてきた私の冬期間における石狩川河岸遡行の旅は、去る2月9日(土)、目標としていた「大雪ダム」になんとか到達し、私個人が取り組んだプロジェクトの終焉を迎えた。このプロジェクトには総計32日間を要した。そして直線距離にして233㎞の河岸を歩き終えることができた。32日間を振り返ってみたい。
※ この「冬の石狩川河岸を遡る」の原点となった石狩川河口が日本海に注ぐところです。
それはちょっとした私の思いが始まりだった。石狩川の河岸遡行に取り組む3年前、私は札幌市内を流れる豊平川河岸遡行を思い立った。
時に2011年2月10日付けの拙ブログの冒頭で次のように綴っている。
「道なきところに踏み出せるスノーシューで何かをしてみたい。さりとて不案内な山野は危険が伴う。そう考えたときに、「そうだ河原を歩こう!」というアイデアが閃いた。冬だからこそ近づける河原を辿りながら、川を遡ろう!私の小さな冒険は豊平川の上流を目ざした。どこまで行けるのか、事前踏査をまったくしていないのだから皆目見当が付かない。何日かに分けて無理なく行けるところまではと思っているが…」
こうして私は2011年、2012年の2年間・6日間を要して豊平川河口(石狩川との合流点)から定山渓温泉まで遡った。(2014年には定山渓温泉から豊平峡ダムまでも遡った)
翌2013年、私はほとんどスノーシューを履かなかった。するとどこかに物足りなさが残った。
翌2014年、物足りなさを感じていた私はやはりスノーシューで河原を目ざした。しかし、その対象が石狩川である。国内第3位の長さを誇る石狩川を遡るなどという大それたことを考えたのではなかった。豊平川の延長で、「ちょっとだけ河原を歩いてみよう」という考えが最初だった。
※ 晴れた日には浮かれて、こんな遊びも交えながらトレッキングしました。
2014年1月23日付のブログで私は次のように綴っている。
正月以来、初○○と称して、山登りやスキー、クロカンなどを体験してみたのだが、「もっとも今の自分に相応しいのはスノーシューかな?」との思いを強くしていました。スノーシューといっても山には危険が伴います。その点、河原を歩くことは迷う心配がなく、冬を楽しむには最適なのでは?と私一人が思っていることです。
そこで思い出したのが、2011~2012年にかけてスノーシューで豊平川河口から定山渓まで河原を遡行した体験でした。
まさかあれと同じようなことを石狩川でやろうとは思っておりません。あのとき体験したようことを少しだけ石狩川でもやってみようか、と思い立ったのです。
石狩川に出かけたときには、本当にこう思っていたのです。しかし、この「ちょっとだけ…」が私の中に眠っていた何かに灯を点けたようだ。
このシーズン僅か三日間遡った後、私のブログの最後はこう変わっていた。
これだけ辛い思いをしてもスノーシューを止めようなどとは全く思わない。それほど私は今、スノーシューにはまっている。
たった三日でこの豹変ぶりである。ここから私の長い旅が始まった…。
※ これも天候の良かった日です。スノーシュー脱いで、雪壁に座席をつくり、カップスープを楽しみました。
「冬の石狩川河岸を遡る」エピローグ編は一回の投稿で終了しようと考えていた。しかし、私の中では6シーズンも精魂傾けて取り組んだプロジェクトはそれなりに思い入れたっぷりである。もう少し続けてみたい。