田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

アラマキトリオ in SCARTS

2019-12-08 19:30:45 | ステージ & エンターテイメント

 意外や!意外! 当初は純粋に音楽を聴きに行ったわけではなかったのだが、古舘賢治さんをはじめとするトリオの演奏レベルの高さにすっかり魅了され、サンバやジャズの音色に酔った一時間だった。

              

 12月7日(日)午後、当初は音楽を聴きに行くというよりは、新巻鮭の木箱で作った楽器で演奏するということで物珍しさも手伝ってSCARTSに出向いたのだった。「SCARTS」とは札幌文化芸術劇場の1階のイベントスペースを指す名称だが、SCARTSの意味が良く分からなかったので調べたところ「英語表記である「Sapporo Cultural Arts Community Center」をアレンジし、札幌におけるさまざまな文化芸術資産を有機的につなげ、文化芸術の振興および情報発 信の拠点となる」ことを目指して付けられた名称だそうだ。

 そのSCARTSにおいて12月2日~9日まで「ARAMAKI WORLD」なる催しが開かれていた。

 ARAMAKIとは、役目を終えた新巻鮭の木箱に惚れ込んだ宮大工(村上智彦さん)とギター職人(鹿川慎也さん)の二人のクラフトマンから生まれた新しい作品です、と謳っている。つまりプロのクラフトマンが使い終えた木箱を利用して様々な木製品に加工したり、木箱を楽器に変身させたりと、意欲的な作品づくりの取り組みをPRする場として設定されたのがARAMAKI WORLDということだ。

 私は数ある日程の中から、お二人の作品を実際に見てみたいと思い、併せてライブも楽しめる時間帯にSCARTSに足を運んだというわけである。

       

       ※ 木箱を利用して制作された神社の祠の前(後の作品)で演奏するアラマキトリオの三人です。

 SCARTSに着いたときはちょうどアラマキトリオの演奏が開始される時間だった。確かに手には新巻鮭の木箱を利用した楽器を手にしていた。私にとってはいきなり始まったかのようなアラマキトリオの演奏だったが、予想に反したトリオをレベルの高さに驚かされた。リードギター(古舘賢治 ※リードギターは木箱を利用したものではなかった)がサンバの繊細で微妙な音を見事なテクニックで披露してくれたのだ。曲名は確か「ジェット機のサンバ」と言っていた。その後に繰り出されたどの曲も素晴らしいものだった。古舘はギター演奏だけではなく、ボーカルの方でも素晴らしい喉を披露してくれた。他の二人はベースギター(朝倉尚和)とパーカッション(大山賢司)だったが、二人の使用する楽器はもちろん木箱を再利用したものだった。ベースやパーカッションの技量を推し量る力が私にはないが、おそらく二人も相当に高い技量の持ち主だろう。

            

         ※ リードギターの古舘賢治さんはギターテクだけでなくボーカルの力量も素晴らしかった。

 トリオはサンバばかりでなく、トリオの主戦場(?)であるジャズも数曲披露したくれた。傑作は木箱を利用していることから、彼らの音楽性とは対極にある演歌「兄弟船」をロック調で謳い上げたのには会場内が沸いた。

 あっという間の一時間だったが、思ってもみなかった素晴らしいライブを堪能することができた。

 なお、想像されると思うが「アラマキトリオ」というのは、ジャズバンドの組み合わせは自由自在であるから、アラマキトリオもこの日のために結成されたトリオのようである。

 ライブを終えてから、村上さんと鹿川さんの作品を見て回り、カメラに収めさせてもらった。役目を終えた木箱の再利用、新巻鮭の木箱の文字の独特の味わいを作品に落とす、という新しい視点に立つ作品作りには大いに注目したい。しかしそれを継続し、発展させるためには経済性を考慮しなければならない。その点が少々心配にも思うが、きっと彼らには成算があってのことだろうとエールを送りたい。

      

      ※ ステージの後ろに鎮座していた、宮大工のキャリアを生かして制作された小さな祠です。

      

      ※ 木箱を再利用して制作されたギターです。

      

      ※ こちらは旅行バッグ(?)

      

      ※ こちらはスケートボードですね。

      

      ※ 椅子もこうすると文字デザインが活きますね。その他にもたくさんの作品が展示されていました。