メジャーリーグにおいては7回表の攻撃が終わった後のインターバルに必ず球場内に「Take Me Out to the Ball Game(私を野球に連れてって)」の曲が流れ観客たちはそれに和して歌うのがお馴染みの光景となっている。その曲をモチーフとしたミュージカルコメディである。
12月14日(土)午前、札幌映画サークルが主催する映画「私を野球に連れてって」の上映会が教育文化会館であったので、「あるいはメジャーリーグにおいて歌われるようになった訳でも分かるのでは?」との思いもあって参加した。
曲そのものは1908年に作曲されているのだが、映画は1949年に制作されている。その映画はジーン・ケリーとフランク・シナトラの二大俳優が共演する明るいコメディタッチのミュージカルである。1949年というと世界大戦が終わってまだ日が浅く日本は打ちひしがれていた当時、アメリカではかくも明るい映画が制作されていたということだ。そうしたことも反映したのだろう、この映画は日本では劇場公開はされていないという。
※ 左がフランク・シナトラ、右がジーン・ケリーです。
内容としては私が期待していた内容とはほど遠く、ジーン・ケリーとフランク・シナトラは現役のメジャーリーガーながらシーズンオフには舞台芸人のタップダンサーとして活躍するという設定である。そこからのドタバタを描いたものだった。
この日の上映会の冒頭、札幌在住の映画評論家の坂尻昌平氏が短い解説をしてくれたが、坂尻氏によると当時アメリカはミュージカル映画の全盛期で、ジーン・ケリーもフランク・シナトラも本格的なダンスや歌を披露しているが、その振り付けを坂尻氏は「万華鏡的な振り付け」と称した。確かに華やかさが前面に出ていて、観ていても楽しくなるような華やかさ、賑やかさに溢れた映画だった。まさに映画、そして野球の善き時代を表しているように思えた映画だった。
※ このポスターは、アメリカで公開の際に作成されたポスターだと思われます。
それにしてもジーン・ケリーもフランク・シナトラも若かったなぁ…。当たり前のことなのだが…。