オオバナノエンレイソウがいたるところに咲き誇っていた。ニリンソウの花が他地域より大ぶりに見えた。実に一年ぶりの野幌森林公園の散策である。自然ふれあい交流館主催の「春のありがとう観察会」に参加した。

※ 観察会の開会式の様子です。参加者は50人近くいたと思います。
本日午前、野幌森林公園自然ふれあい交流館と北海道ボランティアレンジャー協議会の共催による「春のありがとう観察会」に参加した。「春のありがとう…」というネーミングを不思議に思う方もいらっしゃるかと思う。これはいつも自然観察等でお世話になっている野幌森林公園へのお礼の意味を込めて、本格的な夏の観察シーズンを迎える前に、ゴミ拾いを兼ねた観察会を実施しようと今から45年も前から取り組んでいる観察会だそうである。しかし、実際は公園を利用する人たちのマナーが向上したことで最近はほとんどゴミが見当たらないことが実態である。参加者の一部の方はゴミ拾い用の火ばさみやゴミ袋を持参していたが、ほとんど無用だったようだ。
観察会の参加者は50名近くいたと思われるが、ボランティアレンジャー協議会の方々が多数参加されているため、1班6名くらいに1人のレンジャーが付いてくれてガイドを担ってくれた。私の班を担当してくれた方は相当のベテランの方で、大変博識の方だった。したがって、たくさんの植物を紹介してくれ、私も必死にメモをし、写真を撮ったのだが、全てをレポートするのは荷が重いので、特に印象的だった植物についてレポートすることにする。
まず「オオタチツボスミレ」であるが、普通に紫色のスミレであるが、花がタチツボスミレより大きいことと、花びらの間から距(きょ)という白い棒状のものが伸びているのが特徴であるとのことで、私も確認することができた。

※ オオタチツボスミレです。紫の花の向こうに白い棒状のようなものが付いています。
続いて、公園の散策路の路傍に非常に小さな白い花を付けた植物が目に入ったが「セントソウ」という花だった。セントソウはセリ科の植物だが、和名は「仙洞草」と表記するという。

※ 細かな白い花を付けているのがセントソウです。
次はこの時期、どこの野原でも目にする「タンポポ」であるが、今のタンポポは私たちが幼少の頃に摘み取っていた在来種のタンポポではなく、ほとんど全てが「セイヨウタンポポ」であるという。それだけ繁殖力が強いということのようだ。在来種との違いは、黄色い花の下の萼(がく)のように見える部分(総苞片)が反り返っていることだという。在来種は花に沿って固く閉じているので区別できるという。確かに反り返っているところを確認することができた。

※ どこでも見られるタンポポの原っぱです。

※ 花の下のガクがそっくり返っているのがセイヨウタンポポです。
続いてエンレイソウの変種を紹介いただいた。オオバナノエンレイソウの白い花の部分が緑色をしたものである。正式名は不明とのことだが、レンジャーの仲間内では「ミドリエンレイソウ」と呼んでいるとのことだった。

※ 緑色の花(?)を付けたミドリエンレイソウです。
また、ミヤマエンレイソウの変種でピンク色の花(ガク?)が付いているものを発見した。レンジャーの方は「ミヤマエンレイソウ ピンク系」と話されたが、これもレンジャーの仲間内の呼称のようである。

※ レンジャーの方いわく「ミヤマエンレイソウ ピンク系」です。
その他、「ヨブスマソウ」、「ホウチャクソウ」、「ツタウルシ」、「エゾトリカブト」等々、たくさんの山野草を教えていただいたが、私のキャパが小さいこともあり全てをカバーすることができなかった。

※ 葉の形が特徴的なヨブスマソウです。

※ 葉の裏の茎のところに袋状のものを付けたホウチャクソウです。

※ 触ると大変!ツタウルシです。

※ こちらは猛毒のエゾトリカブトです。
ただ、今回の観察会で新たな発見(?)とは言えないのだが、今回散策したのは野幌森林公園のほんの一部「桂コース」なのだが、その周囲は「オオバナノエンレイソウ」がとても目立った。他の市民の森などでは見られない現象である。また、どこでも繁茂する「ニリンソウ」だが、花の大きさが一段と大きいように思えた。この二つのことから、野幌森林公園は他とは違い、植物の生育する条件に恵まれているのではないか?と山野草観察初心者は考えたのだが、真相はいかに??

※ もっと大きな群落もあったオオバナノエンレイソウです。

※ 盤渓市民の森のものよりずーっと花が大きいニリンソウです。