私たちが近い将来、介護認定などを受けた場合、その生活は一変することが予想される。その際の最大の課題は「住むところをどうするか?」ということだろう。高齢者の住まいに関する相談窓口の専門家からお話を聴いた。
私が所属する「めだかの学校」の今年度前期の学習の一つとして「終活学習」~人生のフィナーレを悔いなく~に取り組んでいる。
その第5回学習会として昨日8月14日(月)、表記「間違わない高齢者向け施設・住宅のえらび方」の講座を受講した。講師は、一般財団法人「あんしん住まいサッポロ」の事務局長である米村裕氏が務めた。
米村氏はまず、介護認定を受けるような立場(特に重い介護認定を想定)になった場合、「これまでの住宅に住み続けるのか」、「住み替えるか」の課題が生起するという。お話では、住み続けるという選択もあるが、住み替える選択の方が周りに迷惑をかけないという利点から「住み替え」を推奨しているように受け止めることができた。そこで講義の内容は「住み替え」を前提にして話が進められた。
高齢者向けの施設・住まいの種類は現在次のように多岐にわたるとして紹介された。
まず大きく行政が関与し、支援の制度も整っている通称「施設系」として、( )内の数字は現在札幌市にある施設数です。
◆特別養護老人ホーム (94)
◆介護老人保健施設 (49)
◆介護療養型医療施設 (2)
※ 2023年末に廃止し、介護医療院への転院を勧める。
◆介護医療院 (9)
◆養護老人ホーム (4)
◆軽費老人ホーム (8)
◆ケアハウス (17)
◆生活支援ハウス (4)
◆グループホーム (267)
以上であるが、多数の入院(所)が可能な施設としては、特別養護老人ホームは要介護3以上の重症者が入る施設、介護老人保健施設はリハビリを受けながら自宅復帰を目指す施設(入所期間の制限あり)、そしてグループホームは認知症の診断を受けた人が対象ということだ。その他は生活困窮者を支援する施設の色あいが強い施設と受け止めた。
それに対して民間が運営する施設として、通称「住宅系」と称する施設が多数存在するが、それらは大きく分けて4種類があるという。それは…、
◆サービス付き高齢者向け住宅〈サ高住〉 (272)
◆介護付有料老人ホーム (69)
◆住宅型有料老人ホーム (336)
◆シニア向け賃貸住宅 (100?)
以上であるが、札幌市の場合、行政が関わる「施設系」に比べると、民間が運営する「住宅系」が圧倒的に多いことが一目瞭然である。米村氏によると、「これだけ多いのだから、その実態は施設によって大きな差がある場合もある」と警告された。
そして、そうした多数の施設の中から自分に相応しい住まいを選ぶポイントとして①入居条件、②費用、③立地・環境、④居室スペース、⑤共用スペース、⑥食事、⑦介護医療体制、⑧退去条件、⑨コミュニケーション、⑩運営母体、の10のポイントを挙げられた。そしてまずは「見学してみよう」ということだ。その際のポイントは、「複数のホームを見学しよう」、「食事の試食もお願いしよう」、「運営懇談会の記録を見せてもらおう」、「看取りについて確認しよう」というような点がポイントだとした。
現在の私にとっては、まだ少し先の話かな?というのが実感ではあるが、将来の住まいを探す相談窓口として「あんしん住まいサッポロ」の相談室(中央区北1条西2丁目オーク札幌ビル1階)を紹介いただいたことは心強い限りである。
それよりもまずは、現在の健康寿命を少しでも長く伸ばすために、日々の健康を気を付けていくことだと改めて講義後に思った私だった…。
※ 講義中に写真を撮ることができなかったためにイラストを挿入することにしました。