特殊詐欺が多様化、巧妙化している実態を教えられ我々シニアにとっては一層気の抜けない世の中になったことにため息をつく思いだった。そして第8回講座においては、札幌の来し方を改めて整理する機会を得ることができた。
またまた中央区の高齢者講座について2週分を一度にレポートすることになった。
8月9日(水)午前、「身近な犯罪被害防止対策」と題して第7回目の講座が行われた。講師は札幌中央警察署の二人の担当の警察官だった。
前半は交通安全に関するお話だったが、北海道において過去3年間に歩行中に交通事故に遭い113人が死亡しているが、そのうち88人が高齢者だそうだ。(65歳以上を高齢者としている)実に2/3以上が高齢者である。運動機能が衰えた私たちシニアは一層の注意をしながら歩かねばならないことを指摘された思いだ。講師から高齢者事故の主なパターンとして次の3点を指摘された。①突然の道路横断、②赤信号で横断(見落とし?無視?)、③道路右側からの横断、と指摘されたが③については今一つ理解できなかった。そこで直接中央警察署に電話をしてお尋ねしたところ次のようなことだと指導いただいた。「道路の右側を歩行していた場合、同じ方向に走っている車の運転手は左側の歩行者に注意を払っているが、右側の歩行者には注意が疎かになっている場合が多いので右側から横断する場合は十分に注意が必要だ」という指導をいただいて、深く納得した私だった。
※ 高齢の歩行者が今年になって交通事故に遭った事例を図解して説明してくれました。
続いて、シニアの被害が依然として絶たない「特殊詐欺」についてのお話だった。特殊詐欺としては「オレオレ詐欺」が有名であるが、今やその手口が多様化、巧妙化している現実を思い知らされた。提示された「特殊詐欺」には次のような種類があるという。①オレオレ詐欺、②預貯金詐欺、③架空料金請求詐欺、④還付金詐欺、⑤金融商品詐欺、⑥ギャンブル詐欺、⑦交際あっせん詐欺、⑧キャッシュカード詐欺、⑨その他の特殊詐欺…、いやいやこのように多種多様な詐欺が横行していることに慄然とする思いである。これらのほとんどが相手に顔を知られることのない “電話” を介在しての犯罪である。特殊詐欺犯罪に遭わないための第一は、少しでも「?」と感じたら電話を切ることが最大の防犯であると強調された。さらに、電話機に防犯機能を付与することを勧められた。我が家でも一度電機店に赴いて、その機能と価格を調べてみたいと思った。
※ 特殊詐欺の種類を例示して説明してくれました。
そして本日(8月16日)、会場を札幌資料館(旧札幌提訴院)に移して第8回講座「札幌市の街づくりと大通公園の歴史」を受講した。講師は札幌市資料館のボランティアガイドの方が務めた。 札幌市の街のでき方、あるいは大通公園の歴史について、これまで私もさまざまな機会に学んできたこともあり、特別に新たな知識を得たということはなかった。ただ、この機会にもう一度、その二つについて簡単にまとめてみることにする。
※ 会場を移動して札幌市資料館で講座が開講されました。
札幌は5万5千年前に「支笏湖」カルデラの噴火物によって形成された台地であるということ。さらには、その台地に豊平川が流れて扇状地が形成され、その上に札幌の街が形成されたとされている。
北海道という名称については探検家の松浦武四郎が「北加伊道」と提案したが、古来日本には律令制の時代から「五畿七道」と国内を区分していたものに「北海道」を加えて「五機八道」とすることを松浦武四郎も予想していたと伝えられていると講師は言及した。その後、初代開拓判官の島義勇が構想を練り、二代目開拓判官の岩村通俊が構想を具現化したことはよく知られるところである。
※ 講義を担当した札幌市資料館のボランティアガイドの方です。
大通公園は、当初(明治4年)は札幌市の北側に位置する官庁街と南側に位置する住宅街や商店街との間の火防線として設けられたのが始まりで、明治44年になって公園として整備されたのが大通公園の始まりである。その後、戦時中は一時食料対策として畑地として利用された時期もあったが、その他は一貫として札幌市民の、あるいは観光客の憩いの場として在り続けている。
講義はその他に、会場となった札幌市資料館(旧札幌提訴院)、あるいはよく大通公園と比較される名古屋市の久屋大通公園との比較などについて言及されたが、記録としてまとめるだけのものになり得なかったことがやや残念だった。
中央区高齢者講座は折り返し点に達したところである。この後もできるだけ休まずに受講したいと思っている。