連日の縄文遺跡関連のイベントへの参加である。この日のシンポジウムの目玉は、俳優の井浦新さんの登場だったようだ。井浦さんは相当の遺跡オタクのようであった。しかし、私的には今ひとつといった感じのシンポジウムだった…。
本日午後、新札幌にあるホテルエミシア札幌において、表記のような『「北の縄文世界と国宝」開催記念シンポジウム』が開催され、参加した。
※ 会場となったホテルエミシア札幌の外観です。
シンポジウムは、初めに昨日と同じ北海道縄文世界遺産推進室の阿部千春特別研究員が「北海道・北東北の縄文遺跡群の価値について」と題して、昨日と同じパワーポイントを使用して講演された。同じ方が、同じ内容の講演をされたのだから復誦は避けたい。ただ、昨日のレポでは触れることができなかった「ユネスコ世界遺産とその意義」について触れておきたい。
ユネスコの理念は「戦争は人の心の中で生まれるものであるから、人の心の中に平和のとりでを築かなければならない」としている。その目的の一つとして「世界の文化遺産の保存(登録)」があるという。その世界遺産を登録する目的を次のように謳っている。「文化遺産及び自然遺産を全人類のための世界の遺産として損傷、破壊等の脅威から保護し、保存するための国際的な協力及び援助の体制を確立することを目的とする」としている。つまり世界遺産を保護し、保存することは国際平和に寄与することだと高らかに謳っているのである。もっともっと「北海道・北東北の縄文遺跡群」に関心をもってもらい、大切に保護し、保存していくことは世界を平和にするための一里塚だということを私たちはもっと意識する必要がありそうだ。
※ イベント開催中の撮影はNGでしたので、開会前に会場を撮りました。
阿部氏の講演に続いて行われたのが俳優の井浦新さんと、フリーペーパー「縄文 ZINE」の編集長である望月昭秀さんが登壇したトークセッション「縄文文化の魅力を語る」だった。
井浦さんは、現在北海道博物館で開催されている「北の縄文世界と国宝」展の音声ガイドナビゲーター役を務めている方だが、その生い立ちから「家の中に縄文があった」と語るほど、父親が考古学マニアで小さなころから遺跡などに連れていかれたことなどから、自然と考古学や遺跡に興味を抱くようになったという生粋のマニアである。一方の望月さんも遺跡好きが高じて関連雑誌の編集長になったくらいだから、推して知るべしである。
二人の話は、北海道・北東北にとどまらなかった。視野が全国、あるいは世界に向いていた。北海道・北東北に限ってようやく多少の関心を抱き始めた私とでは、視点の違い・関心の違いが明らかだった。そのため彼らのマニアックな話にはついていけなかった。
彼らが取り上げた縄文時代の土偶や土器のデザイン性の素晴らしさ、奥深さに縄文人の文化の高さ、精神性の高さを指摘していたのが印象的だった。そしてその代表的なものこそ、今北海道博物館で開催されている「北の縄文世界と国宝」展での展示品の数々なのだろう。
※ トークセッションの後、フォトセッションの時間が設けられました。遠くから撮った一枚です。左から井浦氏、トークセッションのファシリテーターを務めて阿部氏、そして右が望月氏です。
私は残念ながらまだ展覧会を観覧できていない。今回に続いて9月4日にまたまた関連イベントが北海道博物館で開催されるので、その際に是非とも観覧しようと計画している。楽しみである。