赤岳の紅葉は伝えられていたとおり素晴らしかった!しかし、天候が…。天気予報は晴れだったのだが、山には朝まで降り続いた雨の影響で山全体が霧(ガス)に覆われてしまい、効果半減となってしまったのは残念だった。
この季節(9/18~9/26)は赤岳の登山口となる銀泉台へは車の乗り入れが禁止されている。その代わり、層雲峡から17キロほど走った大雪ダムのレイクサイトという駐車場に車を置き、そこからシャトルバスによって銀泉台まで行くこととなる。(バス代往復と自然保護などの協力金として計1,500円を徴収される)
私はこの日(9/24)朝7時レイクサイト発のバスに乗り銀泉台に向かった。約30分かかって銀泉台に着いた。雨は降ってはいなかったが水滴が付く恐れもあったので上下ともにレインウェアを身に付け、7時45分に銀泉台をスタートした。銀泉台からしばらくは大雪縦貫自動車道の工事跡の道路を行く。およそ10分程度歩いたところに本来の赤岳の登山口があった。ここから本格的な登山道である。銀泉台はかなり高所にあって標高1,500mだという。辺りはうっすらと霧(ガス)がかかっていてやや不安なスタートとなった。
※ 銀泉台からしばらくは写真のように車道が延びていた。
※ 車道をしばらく行くと赤岳の本来の登山口があります。
本格的に登り始めてしばらくすると、手書きの「見晴台」というところに出た。ところが不安は的中し濃い霧に覆われほとんど視界が効かなかった。
※ 「見晴台」ではご覧のように霧が全体を覆っていました。
それからこの赤岳が高山植物の見どころとあって、「第一花園」、「第二花園」、「奥の平」、「コマクサ平」と次々と見どころが現れた。このような見どころ付近では鮮やかな紅葉が見られるのだが、霧のため近影はなんとか写真に収めることができても、遠景は残念ながら無理だった。
この辺りまでの登山道はけっこう急な上りも何ヵ所かはあったのだが、助かったのは急登の後に平坦なところが現れることだった。この平坦なところで疲れを癒すことができ、さらには見どころが次々と現れることも単調な登りと違い変化があって助けられた。それでもレインウェアを羽織っていたこともあり、かなりの汗をかきながらの登山となった。
※ 登り始めて間もなくの登山道の様子です。
※ 大雪山の登山道は多くの登山客が訪れるためか、登山道が深く掘れてしまっているところがあり、そこを写真のように補修している箇所が何ヵ所もありました。
※ 後半の大きな石が転がるガレ場が続きました。
「コマクサ平」まで登山口から1時間20分で着いた。問題はここからだった。ここからは特に見どころはなく、平坦な休めるところもない上りが続いた。途中には雪渓も姿を現した。私が過去に7月末に登った時には雪渓上を渡ることもあったが、今回は渡ることはなく眺めるだけだった。
※ 霧のためかピントが甘いですが、道中で唯一目にした雪渓です。
途中で私と同年配と思われる方が私を追い抜いて行った。彼は赤岳から緑岳を経由して高原温泉に降りるという。「高原温泉の方も紅葉がきれいですよ」と言ってくれたが、私にはそちらへ廻るだけの余裕はなかった。もともとこの日は、紅葉を見ることが目的で体調によっては花園あたりまでとも思っていたのだが、いざ山に入ってしまうと自らの体力を顧みることもなく、どうしてもピークに達してみたいと思いが私を動かしたのだ。
「コマクサ平」からの1時間半は、とくに後半の大きな石が積み重なっているガレ場を行くのが辛かった。たまらず私は途中の岩に腰を下ろして自主的に休憩を取った。
※ 山頂近く、ガレ場が続く最後の登りです。たくさんの登山客が見えます。
銀泉台から2時間45分。岩を積み上げたような赤岳山頂に立つことができた。
山頂には環境庁の職員がいて、「これからどこに向かわれますか?」と問いかけてきたが、私は「ここまでです」と答えた。聞くところによると、私が山頂に達した10時30分くらいでは、登頂者の多くは赤岳から大雪山系の縦走に向かう方が多いそうだ。
※ それではここでこの日私が目にした赤岳の紅葉の様子を一挙公開します。
※ ここからは紅葉の近影です。
下山は登山と比べると短時間で下りられると思ったが、岩場の下りは私のような者にとっては慎重を期さねば事故に繋がることからけっこう時間がかかり2時間25分を要した。
その下山時、ようやく霧が晴れてきて「見晴台」まで下りてきたとき、この日一番の紅葉を目にすることができた。
※ 下山時に「見晴台」まで下りた時空が晴れ上がり、この日最も私が気に入った紅葉の光景。
帰りのバスはかなり混んでいた。それでも定員の半数程度に抑えられていたが、乗客のほとんどは赤岳までは登らずに、途中まで登って紅葉を楽しむ人が多いようだった。
鮮やかな紅葉を楽しむことはできなかったが、それなりに紅葉の赤岳を楽しむことができたことで納得できた秋の赤岳登山だった…。
【赤岳(銀泉台コース) 登山データ】
標 高 2,078m(標高差 580m)
駐車場 登山口にかなり大きな広場がある。(ただし、秋の紅葉期間は進入禁止)
行 程 ※ グランドシニアの足とお考えください。
登山口→(35分)→第一花園→(45分)コマクサ平→(1時間25分)→山頂→(1時間10分)→コマクサ平→(45分)→第一花園→(30分)→登山口
上り(2時間45分) 下り(2時間25分)
天 候 晴れ、微風(ただし山中は霧に覆われていた)
登山日 ‘21/09/24