声楽家を志している人、志したことのある人等々、多くの方がステージに登場し、耳に馴染みの歌曲を披露した。華やかな舞台衣装と相まって、さまざまな歌声を楽しんだ。
CANTORとは、「聖歌隊の先唱者」という意味のようだが、ここでは単に「唄う人」と解する方が適当だと思われる。つまり教育大学札幌校の音楽科の教授だった雨貝尚子氏が主宰する「声楽研究会CANTOR」に集う声楽家を志している人、または過去に志していた人たちが新年に集ってコンサートを開催しているということだ。コンサートは今回で実に43回目という歴史のあるコンサートである。
その「CANTORニューイヤーコンサート」が本日午後、サンプラザホールで開催され、私は2020年に続いて2度目の鑑賞に駆け付けた。
今回は「永遠の愛唱歌・旅への誘い」というテーマで、イタリア、フランス、ロシア、イギリス、アメリカ、ドイツ、オーストリアの代表的な歌曲が23人の歌い手によって披露された。プログラムには各歌手の出身大学が記されていたが、ほとんどは雨貝氏の教え子と思われる教育大の出身者だったが、中には大谷大、武蔵音大など他大学の出身者も加わっていたが、いずれも本格的に声楽を学んだ方々ばかりだった。ただ、男性陣が一人もいないのはどうしてか?おそらく「声楽研究会CANTOR」が女性だけの会ということなのかもしれない。女性だけということもあって、登場する方々の華やかな舞台衣装も見ものだった。その華やかさを写してブログにアップしたかったのだが、前回と違い今回は写真撮影がNGとのことで、それが叶わなかったのは残念!
※ 写真はNGということでコンサート開始前にステージを写しました。
記録のために披露された楽曲を羅列してみると…、
【イタリア編】〈1〉我が太陽、〈2〉帰れソレントへ、〈3〉彼女に告げて、〈4〉忘れな草
【フランス編】〈5〉夜の調べ、〈6〉悲歌、〈7〉聞かせてよ愛の言葉を、〈8〉すみれの花の咲く頃
【ロシア編】 〈9〉黒い瞳、〈10〉カチューシャ、〈11〉ともしび
【イギリス編】〈12〉グリーンスリーブス、〈13〉ロンドンデリーの歌、〈14〉庭野千草、〈15〉アニーローリー
【アメリカ編】〈16〉故郷の廃家、〈17〉金髪のジェニー、〈18〉夢路より、〈19〉時には母のない子のように
【ドイツ・オーストリア編】〈20〉ウィーン我が夢の街、〈21〉ローレライ、〈22〉セレナード、〈23〉菩提樹
【合唱編】〈24〉流浪の民、〈25〉旅愁
以上、全25曲が披露されたが、歌を披露する方々の年代はマチマチだった。これから声楽家として活躍を目ざす人、すでに第一線を退いて生涯の趣味として継続されている人、等々さまざまな動機で「声楽研究会CANTOR」に集っていると思われた。いずれもが正式な教育を受けた方ばかりだから発声法などは素人とはまったく違って本格的な方ばかりだった。ただ、素人の私が聴いていてもやはり年齢は争えないなぁ、と思った。やはり年配者と思われる方は声量の衰えを感じざるを得なかった。それでもキャパシティ500名の大ホールでマイクなしで音を隅々まで届けることができるのは日ごろから鍛えられているからこそと思われた。特に指導者である雨貝氏は、80歳を超えていると思われるのだが、多少の衰えを感じさせるものの今回も館内に朗々とした歌声を響き渡らせ「さすが!」だと思わせてくれた。
43回も続いているというCANTORニューイヤーコンサートはいったい何時まで続くのだろうか?できれば追っかけてみたいと思っている。