葬儀とか、お墓の話とか、縁起でもないことを言うなかれ!とお叱りを受けるかもしれない。しかし、私たち世代になるとかなり身近な話になってくる。最近の葬儀やお墓の状況について専門家からお話を伺った。
昨日(2月22日)午前、定期的に受講している札幌市社会福祉協議会が開講している「わたしの生き方セミナー」の2月講座を受講した。今回の講座は(株)あいプランのシニアマネージャーを務める大塚周雄氏から「最新の葬儀事情とお墓の話」と題するお話を伺った。
最近気になっていることがある。北海道だけの現象なのか、TVコマーシャルにおいて家族葬とか一日葬などを勧めるコマーシャルがとても多いような気がしている。大塚氏のお話でも道内(札幌)においては小規模葬儀がブームのようになっているという。小規模葬とは、家族葬をはじめ、一日葬、直葬、あるいは随時焼香など簡略化された葬儀を指す。大塚氏は「かねてから顕在化していた葬儀の簡略化に新型コロナ感染症が “大義名分” を与えたと指摘した。全国的にはまだ一般葬が50%近くを占めているというが、道内においては一般葬の比率は相当に低下しているようだ
さて、身近な人がもし亡くなった(死亡する場合の80%以上は病院で亡くなるという)とすると葬儀の準備が必要だが、葬儀に至るまでの留意点について大塚氏のアドバイスがあった。先ずは死亡するとその後の病院での診療は全てが自由診療だという。死後処置などは保険対象外だという。さらに病院で死亡後は直ちに退院を要請されるそうだ。また、診断書は何通も必要となるのでコピーを取っておくことが大切だとも話された。つまり、もし身近な人が死亡したらと考え、予め心構えを持っておくことが必要だという。特に葬儀社の選定なども念頭に置いておくことが必要だと強調された。
葬儀にかかる費用については、規模や形態によって左右されるが、①葬儀一式、②実費(飲食、会葬御礼品、会場費、霊柩車等の移動費、その他)、③お布施、などか 必要となってくる。また、葬儀では僧侶の謝礼等に現金が必要となるが概ね50万円以上は用意しておく必要があると話された。
※ 講義をする(株)あいプランの大塚周雄氏です。
続いてお墓のことに話が移った。お墓のことに関して最近増加傾向にあるのは “改葬と墓じまい” だという。改葬とは、墓地・納骨堂等に埋蔵・収蔵されている遺骨を別の場所に移すことである。都会に住む子孫がなかなか帰省できず十分に供養できないケースが増えていることが背景にあるが、改葬する場合は法律に従った手続きをする必要があるという。またそれに伴ってもし改宗が必要な場合は菩提寺の理解が必要となり、慎重にコトを進めることが大切であるとも強調された。
また最近はお墓を持たない選択も増えてきたという。つまり「海洋散骨」、「自然葬」、「樹木葬」、「合祀」、「手元供養」などを選択する人も増えてきているとのことだった。
こうしたお話を伺い、葬儀あるいはお墓などのあり方についてずいぶんと多様化が進んでいることを今回学ぶことができた。
「さて、自分は?」という問いが私の場合もけっして遠い話ではなくなってきた。今回お話を伺ったことを契機に少し真剣に考えてみたいと思っている。