誰もが自分は火災などには遭わないと思っているだろうが、そこには意外な盲点があると講師は云う。人が一生において住宅火災に遭う確率は1万人のうち約2.9人だという。その2.9人の一人とならないよう留意点を聴いた。
昨日、私が所属する「めだかの学校」の「賢いシニア生活のために」の講座5として、札幌市中央消防署の防火推進係長の大森一貴氏をお招きして「ご存じですか?住宅に潜む火災危険と対策」と題しての講義を拝聴した。
※ 講義をされる札幌消防署の大森防火推進係長です。
大森氏はまず、リード文でも触れたように人が住宅火災に遭遇する確率を表記のような提示した。そしてその2.9/10,000の当事者とならないためには、普段の生活から留意しなければならない点を生活の場面別に留意点を提示してくれた。それを列挙してみる。
《場面1 コンロ火災》
住宅火災で最も多いケースがコンロ火災だという。調理中は絶対にその場を離れないことが鉄則と強調された。また、近年多くなってきたIHヒーターも火を使わないから安全と思っているのは大違いだと指摘された。
《場面2 ストーブ火災》
ストーブの周りに燃えやすいものを置かないということだが、これは鉄則だろう。また、ストーブの定期的な点検整備も火災予防のための必須事項であるとの指摘があった。
《場面3 電気火災》
電気コードの上に重いものをのせたり、束ねたりすることは避けるべきとの指摘があった。またコンセント周りのほこりが発火の原因となる(トラッキング現象)場合があるので定期的にプラグを抜いて清掃することも必要だとの指摘もあった。もちろんタコ足配線などは論外である。
《場面4 たばこ火災》
お年寄りや一人暮らしのかたなどがつい寝たばこをするケースがあるが、絶対にやめていただきたいとの指摘があった。また、吸殻をためずに、灰皿はいつもきれいにしておくことも肝要であるとの指摘もあった。
《場面5 放火火災》
家の周りは、放火火災の危険がいっぱいあるという。狙われてしまったらお手上げである。そうならないために、「ゴミは収集日の朝に出す」、「新聞や郵便物をためない」、「家の周りを整理整頓し、燃えやすいものを置かない」などのことを徹底してほしいとのことだった。
こう書いてくると、いずれもが私たちが少し注意するだけで住宅火災に遭うことを避けられることばかりである。こうしたことを日常生活の中で徹底していくことが住宅火災に遭わないための鉄則と言えるかもしれない。
大森氏は、この日の主題に入る前に、タイムリーな話題として台風や地震の遭遇した場合の避難指示について触れてくれた。市町村から避難情報は次のように理解してほしいとのことである。
《レベル3》「高齢者避難」 この発令では高齢者や障がい者などは避難を開始すべきとのことだ。
《レベル4》「避難指示」 この発令では危険な場所から全員避難すべきとのことである。
《レベル5》「緊急安全確保」 この発令では自らの命を守るための最善の活動をとることを指示されたと受け止めるべき。
そして札幌市の場合、「基幹避難所」としては市立の小中学校が指定されているという。「基幹避難所」には避難物資なども完備されているという。札幌市の場合、このほかに「地域避難所」という箇所もあるという。そうした場所について各々が情報を得ておくことも必要だと強調された。
こうしたお話を繰り返し聴きながら「はたして自分は賢いシニアになっているのだろうか?」と自問自答しているのだが、「まあ、繰り返し聴くことによって知識として蓄積され、あるいは自らの生活にも反映されているのだろう」と淡い期待を自らに求めながら、これからもこうしたお話をできるだけ聴くように心がけたいと思っている。