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ぶんぶんクラブ・ラグビー講演会

2022-04-24 17:10:57 | 講演・講義・フォーラム等

 縦の明治、横の早稲田と称される大学ラグビーの両雄の型を作ったのは、明治の北島、早稲田の大西の両監督だという。その伝統は脈々と受け継がれ今も両校の特色となっている、と元明治大学ラグビー部監督の丹羽政彦氏は語った。

 昨日午後、北海道新聞社「道新プラザDO—BOXにおいて「ぶんぶんクラブ・ラグビー講演会」が開催され参加した。講演会は第1部で札幌山の手高校ラグビー部総監督の佐藤幹夫氏が、第2部で元明治大学ラグビー部監督の丹羽政彦氏が講演された。

 第1部の佐藤氏のお話は以前にも伺ったことがあったが、国士舘大学でいわゆる昔の大学運動部の厳しさを体得して卒業するも、就職には苦労されたようだ。北海道各地の高校の代替教師を続ける中で、1988(昭和63)年に札幌香蘭高校が男女共学となり「札幌山の手高校」が誕生する際に体育教員として採用されたそうだ。その際にラグビー部を起ち上げ、さまざまな苦労を重ねながら苦節12年、2000(平成12)年に遂に南北海道の頂点立つことが出来たという。それ以降は破竹の15連覇で北海道におけるラグビー名門校に育て上げたという。その間にラグビーWCの2015年のイギリス大会、2019年の日本大会において日本代表の主将を務めたリーチ・マイケル選手を高校時代に育て上げたことは多くの人が知るところである。

          

 時にユーモアを交えながら訥々と語る佐藤氏のお話はただ単に札幌山の手高校をラグビーの強豪校に育て上げただけではなく、そこにラグビー精神を基礎とした 人間教育” をされていたことが聴く者の共感を呼ぶお話だった。

    

 第2部の丹羽氏は留萌管内の羽幌高校出身で明治大学において俊足ウィングとして名高い吉田義人選手と同期で、吉田選手とバックスでコンビを組んで明大黄金時代を支えた名選手である。ここでまた私がお邪魔する。1991(平成3)年のお正月に私は家族で東京で過ごし、1日がサッカーの天皇杯決勝戦、2日には大学ラグビー選手権の準決勝戦、そして3日にライスボウル決勝戦とスポーツ三昧のお正月を過ごした。当時大学ラグビーは最盛期で入場券が手に入らず、国立競技場の前でダフ屋から高額の入場券を入手し、満員の中で観戦したことを覚えている。その準決勝第2試合で明治大学は京産大と対戦し、前半リードされるも吉田選手の鮮やかな逆転トライで勝利したことを記憶しているが、その試合で吉田選手とバックスでコンビを組んでいたのが丹羽政彦氏だったという。私にとっては遠い昔を思い出させてくれたエピソードだった。

   

 その丹羽氏は、明治大と早稲田大のラグビーの違いについて解説してくれた。明治はFWを前面に立ててぐいぐいと前へ押すという「縦のラグビー」を志向した。対する早稲田はバックスの展開力を活かす「横のラグビー」を志向するというように対照的な両チームである。対照的なのは監督についてもそのことが言える。明治は北島忠治監督が実に67年間も監督の座にあり、彼が標榜した「前へ」は部の伝統ともなっている。対する早稲田は度々監督が変わっている。その中で大西鐵之助監督は早稲田が不振となるたびに監督に復帰し、都合3度も監督を務めたいわば早稲田にとって伝説の監督である。大西監督はラグビーを理論的に解析し、それを戦術に落としこんだ理論派として知られ早稲田の展開ラグビー(横の早稲田)を産み出した人として知られる。

    

 ことほど左様に明治と早稲田は対照的である。面白いと思ったのは、明治の人は「早明戦」「明早戦」と呼ぶのが普通だと聞いていたが、明治OBである丹羽氏は普通に「早明戦」と称していた。また恩師・北島監督より大西監督のことを詳しく語っていた。これは丹羽氏がバックスというポジションだったことと関係するのではと思われた。つまりバックスの人にとっては展開ラグビーの方が試合に絡む時間が多くなる。そのこともあり丹羽氏は密かに大西監督のラグビー理論に憧憬を持っていたのかな?などとうがった見方をしてしまった。(そんなことはないと思うが…)

    

 丹羽氏がなぜ早明ラグビーのことを触れたかというと、実は5月1日に札幌ドームで早明ラグビーの対戦が実現するのだ。(もちろんオープン戦だが)そしてこの日、講演を聴いた人には観戦チケット(A席 3,000円)がプレゼントされたのだ。5月1日、私は早明ラグビー戦を堪能したいと思っている。

※ 講演会の写真はNGだったので、全てウェブ上から拝借しました。

※ タイトルの「ぶんぶんクラブ」とは、北海道新聞の読者サービスをする部局のことです。



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