田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

場違いな闖入者? チ・カ・ホ サウンドスクェア

2014-10-21 15:01:33 | ステージ & エンターテイメント
 オヤジにとっては全くの異空間だった。周りは若者ばかり、これはとんでもないところに闖入してしまったわい。と思いながらも、今どきの若者の生態を眺めつづけたオヤジだった…。 

          

 10月16日(木)夕刻、チカホ北3条広場でジャズのライブがあると友人から伺い、前回(6月13日)のライブに登場した「jammin’ Zeb」のような感動を再び味わえるものと期待して、出演者情報も確認せずに出かけた。
 チカホの無料ライブはかなり人気があるので、椅子席を確保しようと開演1時間前に着いたのだが、すでに客席は満杯状態だった。
 なんとか空いていた席を見つけて落ち着いたのだが、どうも様子がおかしいのである。周りは若い女の子で一杯なのだ??どうも落ち着かない。
 どうやら出演アーティストは若者からかなり支持されているらしい。
 「これは、オヤジはお呼びでない?」と思ったが、「えい!ままよ。こうなったら今の若者たちが好む音楽とやらを聞いてやろうじゃないか」と居直ったオヤジだった。


               

 最初に登場したのは「MACO」という23才の函館出身の女性シンガーソングライターだった。
 彼女が登場するや、会場のあちこちから若い女性たちが「カワイイ!」を連発するのだ。なるほどMACOというシンガーは見た目キュートな印象で、全体もほっそりとした体型の可愛らしい印象だった。それにしても、女性が女性に対して「カワイイ!」を連発するとは…。
 さて歌の方だが、私にはさっぱり分からないが、高音には見るべきものがあるかな?という感じである。インフォメーションでは今のJポップ界では相当に期待される若手ということのようだ。
 彼女のステージが終わると、かなりの女性が席を離れたことからも道内に熱烈なグルーピーが存在しているようだ。
 さて、彼女の将来は?


          

 次に登場した「WHITE JAM」の三人組(+DJ役の一人)のHIPHOPグループにはぶっ飛ばされた!
 何せ彼らのステージになったとたん、席には座らせてくれないのだ。完全に彼らのペースに乗せられて、彼らを知っている人も知らない人も、全てがスタンディングで彼らのステージに声援を送らねばならない状況となったのだ。(唯一、私の後ろに座っていたちょっと若者風の一人だけは頑強に座り続けていたが…)
 歌の方の印象はあまりない。ともかく彼らの汗を飛び散らしてステージを駆け回るパフォーマンスに圧倒されたというのが正直な印象である。それでも時には抒情的に謳い上げるシーンではボーカルのSHIROSEの歌唱力には確かなものを感じることができた。
 今、彼らのパフォーマンスは音楽シーンに新たなムーブメントを興しつつあると言われているそうである。
 さて、彼らの将来は?

 いや~、まったくとんだ異空間に迷い込んでしまった感であった。出演者情報も確認せずに赴いた自分に責任があるのだが、ときにはこうした今風の音楽、今風の若者の実態を目にすることも悪いことではないと思ったチ・カ・ホ サウンドスクェアだった。

札幌ぶらり散歩 11 シャトー桂和

2014-10-20 22:29:04 | 札幌ぶらり散歩 & Other
 円山、旭山界隈には「シャトー桂和○○」という名が付いたマンションがけっこう目立つ。その「シャトー桂和」のマンションには二つの特徴があることに気付いた。一つはマンションの入口であり、一つはマンションの屋上だ。 

 円山、旭山界隈を歩いていると「シャトー桂和○○」と大書したマンションが目立つ。
 そのマンションには他のマンションとは際立つ違いがある。それはマンションの入口に大きな獅子像が二対(雌雄?)鎮座していることだ。

          

          

 私はずーっとそれは沖縄の方で見られるシーサーだと思っていた。だからオーナーはきっと沖縄出身の方なのでは、と思っていた。
 ところが、今回投稿するにあたり調べたところ、それは百獣の王である獅子と判明した。古来から中国において獅子はあらゆる邪気が内部に侵入してくるのを防いでくれ、金銭や健康を守るとされていることから、オーナーが入居者の安全を願い設置したようだ。
(えっ?「ライオンズマンション」という名称も由来としては似ているのかな?)
 オーナーの方は札幌で小さな商売から始めて財をなし、たくさんのビルを所有するようになった方のようだ。

                    
          ※ 一つのマンションの壁には、やはり中国の故事に由来すると思われる絵が描かれていました。

 その「シャトー桂和」系のマンションには、入口の柱のところに漢字が大書されているところもあった。これも中国の故事などから由来した言葉が書かれているのではないかと思われる。

                    

 さらにもう一つの特徴が屋上ある。
 旭山地区にあった二つの「シャトー桂和」系のマンションで気付いたのだが、屋上に大きなアンテナのようなものが立っている。これも他のマンションとは大きく異なるところだ。
 形状としては携帯電話の中継アンテナのようにも見えるが、素人の私には判別しかねる。

          

          

 いずれにしても、ちょっと他のマンションとは違うところがあるために、ちょっと気になるマンションであるが、個性派マンションとも言えそうだ。

田中陽希というモンスター

2014-10-19 19:18:48 | スポーツ & スポーツ観戦
 「この男、ただ者ではない!」というナレーションとともにNHK・BSプレミアム「グレートトラバース~日本百名山一筆書き踏破~」の番組は始まる。凡人には考えつくこともできない壮大な計画を実行に移した田中陽希の挑戦の快挙の時が刻一刻と迫っている。私はその時を今、固唾をのんで見守っている。 

                    

 グレートトラバースとは、4月1日に屋久島・宮之浦岳からスタートし、北海道・利尻島の利尻岳まで、日本の百名山を一筆書きの要領で総移動距離7,800km、累積標高100,000mをおよそ200日間(7ヶ月)で踏破することを目ざすもので、その移動手段はなんと全て人力(陸上・徒歩 海上・シーカヤック)で成し遂げようとするものだ。

 私が田中の挑戦を知ったのは、ある日のテレビ番組の予告であった。
 以来、NHK・BSプレミアムでは今日まで田中の挑戦の様子を1時間から2時間に編集された番組として4回にわたって放送してきている。
 田中は過酷な山岳レースなどを競うプロアドベンチャーレーサーだということだが、その挑戦の様子は常人の域を脱した凄さである。一日の移動距離が4~50キロは当たり前、その上で一般人の半分程度の登攀時間で各山を制覇していくのである。
 そのスーパーマンぶりに驚き、感銘を覚えた私は4本の番組をDVDに記録して、何度も見返している。

                    
              ※ 私が呻吟した羊蹄山も悪天にもかかわらず、彼は難なくクリアした。

 あまりに過酷な田中の挑戦は、いくらスーパーマンとはいえ長期の間には体調を崩すこともあって、これまで二度にわたって寝込んでしまい、若干のスケジュール変更もあった。
 そんな田中が9月12日、最後の挑戦の地・北海道に渡り、日本百名山の99座を登り終え、今利尻に向かってオホーツク沿岸を北上している最中である。
 私が得た情報では、今日現在(10月19日)雄武町まで達したようである。
 
 現在の予定では10月24日(金)に利尻山登頂を目ざしているということだから、7ヶ月にわたる田中の挑戦も今週末にはその快挙を達成する予定となっている。
 マスコミがこのことをどう伝えるのか、知る由もないが、私の中では人間の可能性を広げた大きな出来事として長く記憶に残る出来事となるであろう。

                  
          ※ 斜里岳登頂は10月11日だった。山頂はすでに雪と氷の世界だったようだ。氷を口にする田中さんです。            

 田中陽希、1983年、富良野市生まれ30歳のナイスガイである。文中、私は田中のことをスーパーマンと称してきたが、それでは飽き足らない思いから「モンスター」という称号を贈ろうと思う。

 彼の最後の挑戦の様子は「7800km完全踏破へ!東北~北海道24座を巡る」と題してNHK・BSプレミアムで11月22日(土)午後9時から放送される予定になっている。今から楽しみである。

 なお、拙ブログを読んで興味を持たれた方には、これまでの放送の再放送も予定されているので、その予定を記しておくことにする。
◇第1集 「宮之浦岳~剣山」   11月1日(土)午後1時30分~3時29分
◇第2週 「大峰山~北岳」    11月8日(土)午後1時30分~2時29分
◇第3週 「鳳凰山~白馬岳」   11月15日(土)午後1時30分~2時29分
◇第4週 「関東近辺33座を巡る」 11月22日(土)午後1時30分~3時29分

※ なお、第4集だけは10月26日(日)の午後1時30分~3時29分にも再放送されます。

札幌ぶらり散歩 10 コンテナハウスのお花屋さん

2014-10-18 21:29:40 | 札幌ぶらり散歩 & Other
「札幌ぶらり散歩」とは、札幌市内の歩道のできるだけ未体験のところを歩くことによって、新たな発見や心に留まった光景などをレポートしようとするものである。 

 駐車場の一画に小さなコンテナハウスが建っていた。「なんだろう?」と思いながら通り過ぎようとしたとき、壁に小さく「フラワーショップ○○」と書かれていた。開店前だった窓を覗くと確かに中には花が見えた。 

       
 「ぶらり散歩」シリーズを始めてから常に気遣うことが、取り上げた対象を揶揄したり、中傷するようなことは絶対に避けねばと思っていることだ。(お気付きの方がいるかと思うが、一度などは深夜に投稿した後、翌朝に削除して、別の内容に替えたときもあった)
 これまで街を歩く中でも「面白い!」と思えたことや、「へぇ~」と思う対象があったが、取り上げるには相応しくないと考え没にしたものがいくつかある。
 今日取り上げることにした「お花屋さん」も表現の仕方によっては店を揶揄することになってしまうが、私の気持ちとしてはお店を応援したい思いを込めて取り上げることにした。

          
          ※ どうでしょうか?建坪4坪くらいでは、と思われますが…。

 10月15日(水)、朝9時30分から市内某所で私の所属する団体の会議があった。少し遠いところだったが、一日一万歩を自分に課している私は8時過ぎに自宅を出て、歩いて会場を目ざした。
 拙宅より都心に近い某所(今回は住所を明らかにしません)を歩いているとき、歩道のすぐ脇に「うん?」と思われる建物があるのに気付いた。
 建坪4坪くらいのコンテナが鎮座していた。それは駐車場の一画に建てられていたのだが、倉庫などとは違う雰囲気だった。
 「?」と思いながら見ていたところ、壁にところに小さく「フラワーショップ○○」と手書きで書かれたような看板が貼られてあるのに気付いた。「花屋さんだったのだ!」
 まだ朝早く、開店前だったので、会議後の帰路に再び傍を通ることにした。

          
          ※ さすがにお花屋さんです。花が痛まないよう十分(?)なエアコンを備えています。

 会議後の帰路、そばに近づくと店外にたくさん花を並べ、開店していた。
 それは小さな、小さなお花屋さんだった…。

          
          ※ 帰りに立ち寄ったところ、ご覧のように店外に花が溢れていました。

 私は想像する。
 おそらく開店資金が十分ではなく、貸店舗を借りられるだけの余裕がなかったのだろう。
 しかし、オーナー夫妻は「最初は小さくとも、やがては大きな店を持てるように頑張ろう」と話し合い、夢を抱きながら開業したのだろう、と思われる。
 はたしてお店の実態はどうなのだろうか?私が傍を通ったときには一人のお客さんが買い求めていた。

          
          ※ ご覧のように店舗が駐車場内に建てられていることが分かる図です。

 駐車場の一画に建てられた小さな、小さなお花屋さん、ガンバレ!

映画 122 めぐみ-引き裂かれた家族の30年

2014-10-17 22:19:49 | 映画観賞・感想

 言わずと知れた北朝鮮の日本人拉致問題を扱った映画である。映画は2006年制作だからすでに多くの人が観た映画だと思われる。私はこのほど初めて観ることができた。遅々として進展しないこの問題を思った。 

                    

 10月13日(月)午後、北海道の知事室国際課が主催する表記の映画会が札幌市教育文化会館(北1西13)で行われたので参加した。
 映画の内容は、まだ観ていない人にもおおよその想像がつくかと思われるが、1977年に新潟で一人の少女(横田めぐみさん)が忽然と姿を消したことから始まる。

 杳として知れないめぐみさんの行方だったが、やがて数々の状況証拠や証言から北朝鮮に拉致された疑いが強まった。そしてめぐみさんだけではなく、多くの日本人が北朝鮮に不当に拉致されていることが明らかとなり「拉致被害者家族連絡会」が結成されることとなった。 その家族たちの活発な活動により、事件は私をはじめとして多くの日本人の関心事となっていった。

 ここからの推移については、マスコミも大きく取り上げることとなり、小泉首相(当時)の2度にわたる訪朝などによって、拉致被害者5人と家族を含め10人の帰国へと結びついた経緯については私たちもよく知っている事実である。

                    

 映画は横田夫妻を中心に描きながら、拉致被害者家族会が拉致された家族を救うための活動の様子を克明に追うものだった。
 その中に非常にショッキングな場面が描かれていた。
 それは横田滋さんが街頭において人々に理解を求めるべくチラシを配布しているときだった。一人の女性が邪険にチラシを持つ滋さんの手を払いのけたのだった。
 そんなことをする人ははたしてどういう人なのだろうか?憶測は避けたいが、横田さんの無念さが伝わってくる場面だった。

 さて問題は、映画は2006年制作であるから、今から8年前に完成している。
 それから8年の年月が経過しているにも関わらず、事態が一向に進展していないということだ。関係者家族の悲嘆さが伝わってくる思いである。

                    

 映画を観ながら改めて考えたことは、日本という国の中においてはこんな理不尽なことはけっして許されるはずもなく、法によって罰せられることである。ところが、同じことが国際間のこととなると、罰せられるどころか、国同士の交渉のカードになってしまっているという事実である。

 まったく理不尽な北朝鮮の対応であるが、彼の国とて国際世論を無視して国の存立は有り得ないはずだ。
 政治は国際世論に訴えつつ、彼の国に対しては毅然とした態度で、全力で拉致被害者を取り戻す努力をしてほしいと願うばかりだ。


札幌麺紀行 103 ラーメン二郎札幌店

2014-10-16 23:12:55 | 札幌麺紀行 & グルメ紀行
 それはもうラーメンに対する私の既成概念が打ち砕かれた思いだった。ぶっとい麺、てんこ盛りのキャベツとモヤシ、分厚いチャーシュー、そして何より大量の麺…。いや~、マイッタ、マイッタだった。 

 久しぶりの麺紀行の投稿である。私が麺店を訪れることを止めたわけではない。お気に入りのラーメン店や蕎麦店にはけっこう頻繁に通っている。ただ、ブログに投稿することを控えていたのだ。
 しかし、今回の「ラーメン二郎」はその禁を破っても、記録に留めるべきラーメン店と判断した。

 「ラーメン二郎札幌店」は関東で人気を博し、昨年3月末の札幌に進出したそうで、好奇心いっぱいの私は一度行ってみたいと早くから思っていたのだが、遅きに失した感もあるが、このほどようやく訪れることができた。
店はJR札幌駅から5~600mほど西へ行ったJRの高架横にある。(ちょうど大原簿記専門学校の横手である)店の構えはいたって普通で、大きな看板を掲げていた。

          
          ※「ラーメン二郎」は看板は黄色、カウンターは赤色と統一されているそうです。

 ちょうど昼どきだったが、行列ができてはいなかったが、カウンター席は埋まっていた。
 店は自販機でチケットを購入してから席に着く仕組みになっている。メニューは、「ラーメン小(700円)」、「ラーメン大(800円)」、「小豚(850円)」、「大豚(950円)」、その他卵などのトッピングが数種あった。そして自販機のところには「初めての方は小を注文ください」と記されていた。

          
          ※ ご覧のように15の席は埋まっていました。若者にはかなりの人気のようです。

 私は自販機の指示(?)どおり「小」のチケットを購入し、スタッフに促されてあまり待つこともなく着席できた。
 席はカウンター席のみで、真っ赤にカウンター席が印象的である。
 スタッフが「生姜を入れますか?」と聞いてきたが、ベースとなる味を食してみたいと思い断った。
 それほど待つこともなく、ラーメンが運ばれてきた。
 それを見て、驚いた!丼から溢れんばかりに盛り付けられたキャベツとモヤシがてんこ盛り状態なのだ。

          
          ※ これで「ラーメン小」ですよ。これはメガ盛りっていうんですか?

          
          ※ 上から撮ったところです。野菜で麺は全く見えません。

 内心驚きながら、まずは麺をと思い、野菜をかき分け取り出すと、それは私がイメージするラーメンの麺とは大違いのぶっとい麺が現れた。それはラーメンというよりはうどんのようである。

          
          ※ 麺はこの太さです。このような写真を撮るのは初めてでしたが、苦労しました。
           私は右利きなので、右手で麺を持ち上げたのですが、左手でカメラを操作することが…。

 口に含んだ。「うん?これはしっかり味が付いているというか、少し濃い味だな」と思った。スープは豚の脂を使った醤油味であるが、非常に濃厚である。野菜(キャベツとモヤシ)をかき回していると中から分厚いチャーシュー(これを叉焼と称しているようだ)が二枚現れた。そのチャーシューの厚さもゆうに1cmはあろうかというほど厚さで、そのチャーシューも非常に濃い味付けがなされていた。

          
          ※ チャーシューの厚さを分かっていただけると思います。

 つまり「ラーメン二郎」のラーメンは、その量で圧倒し、濃厚な味で他を凌駕しているラーメンということができそうだ。
 肝心の味は、私の好みの味ではなかった。それでもせっかくの機会だと思い懸命に食したのだが、特別に大食漢でもない私は早々に降参した。そのとき麺はまだ半分以上残っていた。
 せっかく作ってくれた店のスタッフには申し訳なかったが、私にはそれ以上は無理だった。
 つまり「ラーメン二郎」は私たちのような高齢者にはかなり不向きな店だということを悟らされた思いだった。

【ラーメン二郎札幌店 データー】
札幌市北区北6条西8丁目8-11
電話    非公開
営業時間  月~金 11:00~14:00 17:30~20:30
      土   11:00~15:00
定休日   日曜日(祝日は不定休)
駐車場   無
座席    15席(カウンター席のみ)
入店日   ‘14/10/15

角幡唯介という探検家の生き方

2014-10-15 21:42:53 | 講演・講義・フォーラム等
 角幡唯介の著「空白の五マイル チベット、世界最大のツアンポー峡谷に挑む」を読んだ。それは九死に一生どころではない。九十九死に一生を得るような壮絶な冒険で、私は度肝を抜かれた。そんな角幡氏の話を聞く機会を得た。 

                         

 10月11日(土)夕刻、りんゆうホール(東区北2東2)にて「登山と探検 ~常識の外に踏み出すということ~」と題して角幡唯介(かくはた ゆうすけ)講演会が行われた。
 この講演会は、日本山岳会北海道支部の支部創立50周年の記念事業だそうである。
 私はこの日、高校野球の準決勝戦を見届けた後、直接りんゆうホールに赴いた。

 角幡氏のプロフィールについて案内のチラシには次のように記されていた。

               
               ※ 彼は現在38才。大きな冒険はあるいは最後なのかもしれない。


【講師】角幡唯介(かくはた ゆうすけ)
1976年、北海道・芦別市出身。2008年、ネパール雪男捜索隊に参加。02-03年と09-10年にチベット、ヤル・ツアンポー峡谷の核心部・未踏地域を踏査。10年、同探検を描いた『空白の五マイル』で開高健ノンフィクション賞、大宅壮一ノンフィクション賞などを受賞。11年、カナダ北極圏1600kmを徒歩で踏破。13年、『アグルーカの行方』で講談社ノンフィクション賞を受賞。現在は、太陽の昇らない極夜の北極圏探検をテーマに活動。15-16年冬に、グリーンランド最北の村シオラパルクからカナダ・エルズミア島に向けて、一匹の犬とともに長い徒歩の旅に出ることを計画中。

 角幡氏のプロフィールをさらに付け加えると、函館ラサール高校から、早稲田大学政経学部、そして朝日新聞社記者(今はちょっと叩かれているが)とまるで絵に描いたようなエリートコースを歩んでいる。角幡氏が探検の世界に踏み込んだのは、早大探検部に所属したのがキッカケということだ。

                 
                 ※ かれは今のような生活を一応40才まで続けたいと他の所で語っている。

                 
 この日の講演は演題からは離れて、角幡氏が来年から取り組む北極アイスランドの極夜の中の1,600キロもの長い距離を単独歩行で挑む計画を立てている(約4ヶ月を要するようだ)。その準備のために今年の1月から40日ほど試験のために歩いた体験を話すものだった。
 ちなみに極夜とは、白夜の反対語で日中でも薄明か、太陽が沈んだ状態が続く現象のことを指す。つまり太陽の顔をまったく拝めない状態が続く中を歩き続けるということだ。
 さらには、その冒険行に衛星電話やGPSは携行せず、六分儀によって位置を確認しながら進むという。

 単独での北極の氷床地帯を往くということは非常に過酷なことらしい。彼の頬はやや回復したとはいえ、顔全体が凍傷の跡で黒ずんで見えた。気温マイナス35~40度の世界は100キロの荷物を載せたソリは、砂の上を引いているようだという。
 彼はこの冒険行の同行者(動物)としてエスキモー犬を白熊対策として同行するということだ。その犬とのやりとりに話は終始した。つまり単独行において犬は何よりの頼りになる存在であり、冒険の仲間だということだ。
 本番に衛生電話もGPSも使わないということは相当に命の危険をおかした冒険になるようだ。

 彼がなぜそこまでして冒険にこだわるのか?
 彼は大新聞社の記者という安定した職を捨てて、なぜ冒険の世界を選んだのか?
 彼は言う。「生と死を感じたい」と、あるいは「ヒリヒリとした焦燥感の中に身を置きたい」と…。

          

 このあたりの感覚というか、思いは一般人にはなかなか理解しがたい感覚である。しかし、彼の中には悲壮感など一つも感じられない。むしろ淡々と自分の冒険を語った。
 ツアンポー峡谷に挑んだときも、その他の彼が体験した数々の冒険も、いつも生と死を狭間を往くようなものだった。そして今回の北極の極夜を往く冒険行はさらに厳しいものになると予想される。
 己の人生をどう生きるか、それは人さまざまだとは思うが、角幡氏の場合は過酷なまでに「生きているリアル感」を感じたいということなのかもしれない。
 きわめて一般人の私であるが、どこかで角幡氏の生き方に共感を覚えているのも事実である。

 私は彼の著書は前述の「空白の五マイル チベット、世界最大のツアンポー峡谷に挑む」しか読んでいない。彼の話を聴いたのを契機に彼の著「雪男は向こうからやってきた」「アグルーカの行方 129人全員死亡、フランクリン隊が見た北極」の2冊を早速図書館に予約した。

 そうそう、講演会の最後に、日本山岳会北海道支部の会員でもある彼の恩師の函館ラサール高校の国語教諭の方が、彼の文章がいかに素晴らしいか、それが自分にとってもどれだけ誇らしいことかと語った。そして最後に「くれぐれも気をつけながら、自らの生き方を貫いてほしい」と教え子に語りかける場面が私には感動的だった。


※ 私の文章では角幡氏の魅力を十分に伝えきれていない歯痒さを感ずるが、私の筆力がないということでご容赦願いたい。

札幌ぶらり散歩 9 札医大庭球部員の呟き

2014-10-14 19:57:37 | 札幌ぶらり散歩 & Other
 「ったく、やってられないよ」、「でも~、先輩の指示だからなぁ~」、「自然に乾くのを待てばいいじゃないか」、「まあ、どうせやるなら楽しくやろうよ」というような呟きが聞こえてきそうな光景だった。 

 その後も一日一万歩を目ざす「ぶらり散歩」を続けている。(毎日ではないところが私の不甲斐なさだが…)
 先日(10日)、中央区民センターの図書室へ出向く用件があった。いつもなら自転車なのだが、徒歩を選択した。そして帰路、遠く回り道をしてぶらり散歩を試みた。
 コースは南4条西11丁目から小路を辿りながら、ひたすら西へ進むコースだ。結局、円山地区の西25丁目まで行き、そこから折り返した。
 
 比較的都心に近く、古い街と思えたのであるいはディープな光景を目にすることができるでは、と期待した。ところが、行けども行けども平凡な住宅街の光景が続き、何一つ私の琴線に触れるような光景に出会わない。

 西25丁目にある愛育病院から折り返し、自宅も近くなっても何も見当たらない。
 「こういう日もあるのかな?」とあきらめかけたときだった。札幌医科大学の庭球場の横を通りかかったとき、たくさんの人がうずくまっているのが見えた。
 良く見ると、その日の未明に降った雨がテニスコートに溜まっていて、その雨水をスポンジで吸い取る作業をしているところだった。

          

 しばらくその様子を見ていると、ほとんど手の動いていないグループがあった。特に下の写真の中で頭のことろが緑色の彼はまったく手を動かしていなかった。その様子を見て私は彼らの呟きを想像した。
 「まったく、やってられないよ」、「こんなの自然に乾くのを待てばいいじゃないか」、「ほんとだよな。まったく先輩たちは何を考えてるんだか…」、「あゝ、早くこんなこと止めて遊びに行きたいよ」…。などと呟いているのではないか、と思われた。

          

 一方、白いウィンドフレーカーを着た学生のグループは、しゃべりをしながらも、手の方はしっかりと動かしていた。こちらの方はきっとこんな呟きが交わされていたのでは?
 「いや~、大変だなぁ」、「でも先輩がやれっていうからなぁ~」、「じゃ、早く終わらそうよ」…。とでも呟いていたのだろうか?

          

 そんなことを想像しながら彼らの作業を眺めていたところ、白いウィンドブレーカーを着た学生がバケツに溜まった雨水を捨てに近づいてきた。
 私は声をかけた。「大変だねぇ~」と。すると彼は笑顔を見せながら頷くのだった。

 ふて腐れたように作業をしていた学生の気持ちが分からないでもなかった。かなり広い範囲に雨水が溜まっていたからだ。それでも部員の人力で雨水を吸い取る作業をしていたのは、あるいは近日中に試合が予定されていたからだろうか?

          

 レポートできるような光景に出会わなかった私は、何気ない光景を目にして想像逞しく彼らの呟きを思ってみるのだった…。

チ・カ・ホ クラシックLIVE Vol.13

2014-10-13 19:50:40 | ステージ & エンターテイメント
 私にとっては4カ月ぶりとなる大平まゆみさんのチカホクラシックLIVEだった。相変わらずの華麗なテクニックと優雅な雰囲気を湛えた大平まゆみワールドに酔わせてもらった40分間だった。 

               
        ※ 問題(?)のフライヤーである。ブログの後半に貼った写真と見比べていただければと思う。

 一緒に鑑賞したH氏が言う。「大平さん、ずる~ぃ」と…。
 H氏が何のことを言っているのか分からなかった。よく聞いてみると、座席に置かれていた今回のイベントを知らせるチラシ(最近はフライヤーと称するらしい)に載った大平さんの写真が「若すぎる!」と言うのだ。
 H氏に言わせると「20才も若い写真を使っているのでは?」という。確かH氏は以前にも同じようなことを指摘していたように記憶しているので、かなり気になるようだ。(まあ、これはH氏のファン心理の裏返しなのだが)
 私は?というと、「う~ん。確かに若い写真かなぁ?」とは思うが、まあ人間誰しも少しでも若く見られたいと思うのは万人共通の願いでもあるから「いいんじゃない」などと大人の対応をとったふりをしていたが、内心では??

 という他愛ない前ふりを紹介しながら、本題へと話を進めることにする。
 今回のクラシックLIVEは、「SAPPORO SHORT FEST(札幌国際短編映画祭) 応援スペシャル」と銘打って、前半は短編映画の上映と、大平さんを交えた関係者3名のトークショーがあった。こちらは前座ということで詳細は割愛することにする。

          
       ※ 左から大平さん、映画監督の山口洋介氏、映画祭実行委員の麻生栄一氏のトークショーの様子です。

 大平さんの演奏は、いつものようにピアニストの明上山貴代さんの伴奏とともに演奏された。演奏した曲目を紹介すると…。
 ◇エルザ作曲「愛の挨拶」
 ◇マリア・フォン・パラディス作曲「シチリアーノ」
 ◇モーツァルト作曲「メヌエット」
 ◇ビバルディ作曲「四季 秋」
 ◇チャイコフスキー作曲「秋」
 ◇マスカーニ作曲「カヴァレリア・ルスティカーナ」より間奏曲
 ◇唱歌「里の秋」・「もみじ」
 ◇モンティ作曲「チャルダーシュ」
そして、アンコールとして
 ◇クリスティン・アンダーソン=ロペスとロバート・ロペス作曲「Let It Go」
の10曲だった。
 「愛の挨拶」は大平さんのテーマソングのような曲、「チャルダーシュ」はその超絶技巧に誰もが息をのみ込むようにして聴き入る1曲、そして最後は今年最大のヒット曲「Let It Go」と、サービス精神も旺盛に魅せてくれた。サービス精神といえば、「里の秋」「もみじ」のときは、弦の震えが空気を震わせていることを直に感じてほしいと、客席を巡りながらの演奏もしていただいた。

          
          ※ まだまだ十分に若く美しい大平まゆみさんです。

 今回、大平さんはヴァイオリンの生の音を感じてほしいと敢えてマイクを使用しない演奏を試みた。若干音は小さかったが、増幅装置を通さない音の良さを感ずることができた。
 そして何より、大ホールと違い、直ぐ目の前で「チャルダーシュ」の超絶技巧を目の当たりにすることができたのは素晴らしかった。弦を抑える左手の四本の指がまるで別の生き物ではと思うほど自在に動くさまを間近で見ることができた。

          
          ※ 大平さんの専属(?)のピアニスト明上山貴代さんとのツーショットです。

 華麗なテクニックと、優雅な雰囲気を湛えた大平まゆみさんの演奏を何度も聴くことができることは札幌に居を構えていることによるアドバンテージだといつも思っている。

東海四 接戦を制して春近づく‘14秋季高校野球

2014-10-12 17:16:06 | スポーツ & スポーツ観戦
 ‘14秋季高校野球決勝戦は東海四高が接戦を制して、来春の選抜高校野球への出場権獲得に大きく近づいた。東海四高の勝因は何といってもエース大澤の好投に尽きるだろう。昨日とは大違いの大澤投手を見た思いだった。 

     
     ※ 優勝を決めてマウンド付近に歓喜の輪をつくる東海四高ナインです。

 秋の陽気は気まぐれである。
 昨日の寒さが堪えた私は防寒をしっかりとして円山球場に赴いた。ところが、今日は雲一つない深秋の秋空が広がった。
 私がいつも陣取る三塁側内野スタンドは午後から西陽が燦々と降り注ぐ。暑いのだ。
 堪らず私は一枚脱ぎ、二枚脱ぎ、ついには半袖一枚での観戦となった。

     
     ※ 陽気も手伝って内野スタンドを埋め尽くした高校野球ファンです。根強い高校野球人気です。

 試合の方は一点を巡る緊縛した攻防で、最後まで緊張感に満ちた好試合となった。

◇秋季高校野球全道大会決勝戦 東海四 vs 北海

   東海四 101 000 100  
   北  海 010 000 010  

     
     ※ 試合終了時のスコアボードです。優勝しましたが、東海四のエラー4個がちょっと気懸りです。

 ご覧のようなランニングスコアが示すように、追いつ追われつの非常に緊縛した展開となった決勝戦だった。
 この接戦を東海四が制した要因は、何といってもエース大澤投手の好投だろう。
 私は昨日、決勝戦を予想したとき、両チーム投手とも相手を圧するほどの球威はないと書いた。昨日の投球を見たかぎりでは確かにそうした印象をもった。

 しかし、今日の大澤投手は昨日との連投にもかかわらず明らかに北海打線を球威で圧していたのだ。奪三振こそ2個と少ないものの、北海の打者の当たりはことごとく詰まっているように見えた。
 失点した2点も、2回の1点は遊撃手の連続エラーによるもの、8回もやはり左翼手のエラーが絡むという不運に見舞われたものだった。
 さして上背のない(174cm)大澤投手が意外な球威を見せたのは、あるいは先輩の小さな大投手 西嶋投手から何かを教わり継承したのだろうか?

     
     ※ 何度もトライして、ようやく大沢投手がリリースする直前を捉えた一枚です。

 打線は勝負強さが目立った。好機にタイムリーヒット、犠飛と少ない好機を確実にものにした。

 北海は打線の繋がりがなかったのが痛かった。特にチームの中心の3番、4番が8回には連続安打で存在感を見せたものの、前半は凡打を積み重ねるだけだった。

     
     ※ 敗戦が決まり悲嘆にくれる北海ナインです。まだ夏がある。ぜひとも雪辱を期してくれ!

◇はたして選抜大会では?

     
     ※ 東海四応援団席からは祝福のテープが投げ込まれ、それに応える東海四ナインです。

 これで東海四の夏、春連続出場がほぼ決まったといって良いだろう。
 少し気が早いが、はたして東海四は選抜大会でどのような闘いをしてくれるだろうか?
 メンバーを見るかぎり、今夏の甲子園大会に先発出場した選手はいないようだ。しかし、ベンチに入っていた選手、帯同した選手はたくさんいるだろう。さらにチームとして甲子園で戦ったことが有形無形の財産として受け継がれているだろう。
 そのことに期待したいと思うが、それには全ての面でのレベルアップが必要だと思うが、特に守備面の強化が必要だろう。今日の決勝戦でも記録に表れたエラーだけで4個を数えた。ぜひとも地道に守備面を強化してほしいものである。
 来春の選抜大会での東海四の快進撃を期待したい。