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私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

“回想法” って何だ??

2024-10-20 04:38:09 | 講演・講義・フォーラム等
※ 本日は他人から見れば “なんて酔狂な!" と思われるかもしれないが、朝早くから富良野に列車で向かい、JRウォーキングをやって、夜8時過ぎに帰宅予定である。そのため予めブログを投稿してから出かけることにしました。

 “回想法” などという言葉は私にとっては初耳だった。“回想法” はどうやら我々高齢者にとっては脳を活性化させるための有効な手段のようだ。この分野では国内でも高名な方のお話を伺った。

     
 昨日(10月19日)午前、札幌学院大学新札幌キャンパスにおいて「札幌学院大学心理臨床センター市民講座」が開講され受講した。講座のテーマは「高齢者の語りと回想法~豊かな今とこれからに向けて~」と題して上智大学名誉教授で、黒川由紀子老年学研究所々長である黒川由紀子氏が講師を務められた。
 黒川氏の講義は2時間にわたるものだったために、回想法を含めた高齢者に関わる多岐のことに及んだが、ここでは私が把握することができた “回想法” に絞ってレポすることにする。
 そもそも “回想法” とは、アメリカの精神科医であるロバート・バトラーが提唱した心理療法の一つだそうだ。
 その “回想法” を一言で言い表すと「昔の懐かしい写真や音楽、昔使っていた馴染み深い家庭用品などを見たり、触れたりしながら、昔の経験や思い出を語り合う心理療法の一つ」だという。
 そしてその効用は、「昔のことを思い出して言葉にしたり、相手の話を聞いて刺激を受けたりすることで脳が活性化し、活動性・自発性・集中力の向上や自発語の増加が促され、認知症の進行の予防となります。また、昔の思い出に浸り、お互いに語り合う時間を持つことで精神的な安定がもたらされる」ということのようだ。
 その方法には「マンツーマンで行う個人回想法と10名前後で行うグループ回想法がある」という。

    
    ※ 講演する黒川由紀子氏です。

 黒川氏は云う。人間には「流動性知能」「結晶性知能」と二つの知能が存在するが、「流動性知能」とは、処理のスピード力、直感力、図形の処理能力、法則を発見する能力などを差すが、対する「結晶性能力」とは、言語能力、洞察力、創造力、内省力、コミュニケーション力などを差すという。その二つの知能のうち「流動性知能」は加齢と共に衰えていくのに対して、「結晶性知能」の方は高齢となっても維持され、安定する傾向があるという。高齢者は、「結晶性知能」の方を維持するためにも“回想法”を採り入れるべきであるというのが黒川氏の主張と理解した。
 そして黒川氏は、“回想法”の特性を次のように説明された。
 「昔の思い出は、高齢者の方が今まで歩まれてきた人生そのものであり、昔を懐かしんで話をされている時は、自然と穏やかな表情になっていらっしゃることでしょう。語り合う相手がいれば、喜びや幸せな気持ち、大変だった経験を乗り越えてきたことも一緒に分かち合い、充実した時間を過ごすことができます。楽しかったこと、辛かったこと、家族や友人とのエピソード、生き抜いてきた社会的背景など、人それぞれ過ごしてきた時間は異なります。今までの自分の人生を振り返り、人生を再確認することで、現在の自分も肯定的に受け入れやすくなります。昔の思い出に親しむことはごく自然なことであり、回想法は今の自分を認め、人生を豊かにするための手段のひとつとも言えるでしょう」と…。
 この後、黒川氏は実際に実施した体験談をいつか紹介してくれた。
 黒川氏のお話を聴いていて、私が所属する「めだかの学校」で今取り組んでいることが多少関係がありそうだな、と思えてきた。
 というのも、「めだかの学校」では今年度下半期の学習プログラムの一つに「めだか会議 放談会」というプログラムを開始した。このプログラムはテーマを決めて、会員があれこれとテーマに関して喋り合うというものである。拙ブログにおいて先日も投稿したが、10月のテーマは「私の健康法」だった。これは“回想法”とは結び付かないが、今後のテーマの中には「私の忘れえぬ思い出(旅、食、出来事、他)」とか「私が名作だとお勧めできる作品」、あるいは「北海道内のお勧めスポット」などは、それぞれの過去のことを語ってもらうものである。
 これらは必ずしも“回想法”のねらいと直結するものではないが、ある種繋がっている部分も感ずることができる。
 今回“回想法”のことを学び、会員の発言を肯定的に受け止めるよう努めることによって、会員一人ひとりが自らを肯定できる機会となれば嬉しいかぎりである。そして将来は「めだかの学校」においても“回想法” そのものを実践してみたいと思わせてくれた講義だった。


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