田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

北海道の洋上風力発電の未来は?

2023-07-21 14:35:10 | 講演・講義・フォーラム等
 北海道は、洋上風力について全国有数のポテンシャルを有していると言われている。果たしてその実情はどのような現状なのか?そのことを知りたくて関係者が一堂に会した「北海道洋上風力フォーラム2023」に参加してみた。
      
 昨日、7月20日(木)午後、北海道立道民活動センターの「かでるホール」で開催された「北海道洋上風力フォーラム2023」に参加した。
 フォーラムは、関連企業の展示と講演・パネルディスカッションの2部構成だったが、私は午後から開催された講演・パネルディスカッションの前半部分のみに参加した。本来ならすべてに参加したかったのだが、夜間にコンサートの予定が入っていたため前半部分のみの参加となった。
  
  ※ 開会前の会場の様子です。写真は海上ではなく、陸上風力発電ですね。
 私がお聴きしたのは講演が4本、パネルディスカッションが二つである。
 その全てをレポするのは私には荷が重すぎるので、私が知り得たことを感想的にレポートしてみたい。
     
※ 主催者の一人、室蘭市長の青山剛氏の開会あいさつです。
 講演はMOPA(室蘭洋上風力関連事業推進協議会)理事長の上村浩貴氏がトップバッターで登壇したが、実はこのフォーラムはWIND HOKKAIDO組織委員会と室蘭市、MOPAの共催となっていた。つまり道内自治体では室蘭市が最も積極的に洋上風力発電を推進しようとしている姿勢が伺えた。室蘭市は衰退する市勢を、洋上風力発電を起爆剤として盛り返そうとしていることが上村氏の話から伝わって来た。
 また、渋谷潜水工業代表取締役の渋谷正信氏のお話も興味深かった。洋上風力発電は、その形式が「浮体式」にしても、「着床式」にしても海中に大きな構造物を建設する必要がある。その建設の海中部分の建設に携わっているのが渋谷氏の会社であり、渋谷氏は実際に潜水士として自らその建設に従事しているという。その体験の中から、海中に建設した構造物が「漁礁」となって漁業者が心配するような海洋生物への影響が極めて少ないことが分かったということだ。このことは洋上風力の推進者にとっては朗報だろう。
  
  ※ パネルディスカッションの一場面です。
 パネルディスカッションは「北海道は “風の王国” になれるか~洋上風力と北海道の未来~」「洋上風力は漁業と共に栄える未来を描けるか」という二つのテーマで話し合われた。二つのディスカッションで総勢14名もの多士済々の登壇者があり、必ずしもまとまった話し合いとはならなかったが、それぞれの立場の方々の思いを聴くことができた。
 そこから伺ったことを私なりにまとめてみると…、
 ◇北海道の風況は全国的に見ても洋上風力の最適地である。特に日本海沿岸地域が有望であるとのことだ。
 ◇北海道が一大洋上風力発電の基地となった場合、電力大量消費地へ送電する海底ケーブルを用いた超高圧の海底直流送電網の整備が課題となってくる。
 ◇陸上風力発電と比較し、ステークホルダー(利害関係者)が設置者と漁業関係者と2者だけということから解決の糸口が見出しやすいという利点がある。
 私がフォーラムに参加して得たことは以上であるが、もっとたくさんの課題もあるに違いない。しかし、時代はCO2を産み出さない再生可能エネルギーに大きく鍵を切ろうしている。大きな課題があろうとも、それを克服しながら北海道が一大エネルギー供給地域として発展していく姿を見てみたいと思う。                                              


中央区高齢者講座④現地講座「円山動物園 飼育員のお仕事」

2023-07-20 21:51:09 | 講演・講義・フォーラム等
 動物園の飼育員には大きく分けて7つの多岐にわたる仕事があるという。動物たちの観察・点検、動物の餌の準備、獣舎の掃除、等々…。私たち受講生が直接円山動物園に出向いて職員からお話を聴いた。
  
 連続受講している中央区いきいき講座(高齢者講座)だが、前回の第3回目は私が講座開始時間を間違えてしまい欠席してしまった。全回受講を目ざしていたのだが…。
 第4回目の講座は現地講座ということで円山公園に出向き「飼育員のお仕事」と題して動物園職員からお話を聴いた。
 講座は円山動物園の正門から入って直ぐの「動物園センター」のレクチャールームで行われた。講義を受け持ったのは飼育員ではなく、広報や教育を担当している職員だった。
  
 説明はまず飼育員たちの一日の勤務態様について話されたが、飼育員たちも一般職員と同じように8時15分出勤で17時15分退勤という勤務体制を取っているとのことだった。
 その勤務時間の中で、飼育員たちが担っている主な勤務内容は、①担当動物の観察・点検、②動物の餌の準備、③獣舎の掃除、④担当動物のトレーニング、⑤日誌や資料作成などのデスクワーク、⑥入浴、⑦調査・研究、といった職務を遂行しているとのことだった。
 ほとんどの内容については予想どおりと受け止めたが、「トレーニング」という項目は、動物が芸を見せるためのトレーニングとかではなく、動物の体調管理のために採血するために、安全に採血できるようにトレーニングしたりするそうである。
 このとき講師は「エンリッチメント」という言葉を使った。この言葉は動物福祉の観点から「人間のためになるという目標を満たすように動物が使われるのはやむを得ないが、その動物が被る痛みや苦しみは最小限に抑えなければならない」という考え方だということを動物園としては重視しているとのことだった。
 また「入浴」であるが、動物たちと日常接している飼育員たちは絶えず「人獣共通感染症」のリスクを負っているので、その防止のために退勤前に入浴しているそうだ。
 お話の中で少し意外だったのが飼育員の勤務時間である。普通の勤め人と変らぬ勤務体制だ、と聞いて私は意外に思った。生き物相手の仕事なので変則の勤務体制がとられているかと思ったが、そうではないことを初めて知った。出産などの場合は夜通し見守るようなことはあるが、日常は規則正しい勤務体制だとのことだった。
  
 飼育員の仕事について「シロクマ」の飼育員の仕事を具体的に紹介する形でお話されたが、「シロクマ」の飼育の場合、プールを掃除するのも大変だという。飼育員はプールの掃除をするためにダイビングのラインセンスを取得する必要があるとも言われていた。そのシロクマのプールだが、年に何度かはプールの水全体を交換するそうだが、その費用が一回100万円もすると聞いて驚いた。
 というように、知っているようで知らないことをいろいろとお聞きすることができた楽しいひと時だった。
 講座はこの後、自由に円山動物園の観覧となっていたが、私はこれまで何回も訪れていたし、「めだかの学校」でも9月に訪れる予定をしているので、この日は失礼することにした。

ヘルシーウォーキング⑪ in 伏籠川、発寒川と百合が原公園・篠路ウォーク

2023-07-19 15:15:16 | JRヘルシーウォーキング
 約2週間ぶりのヘルシーウォークだった。最高気温は24.7℃だったそうだが、絶えず心地良い風が吹き、木陰に入ると涼しく、気持ち良いウォーキングとなった。コースは4つの川に囲まれていたが、初めて歩くところが多く改めて札幌の大きさを実感させられた。(コース距離13.5km)
    
 昨日7月18日(火)、7月4日以来のヘルシーウォーキングに取り組んだ。
できれば1週間に1度くらいは取り組みたい(イベントウォーク、いつでもウォークを含めて)と考えているのだが、私自身のスケジュールだったり、天候のことだったりして、なかなか思うように取り組めていないのが現状である。
 昨日はそうした中、ようやく条件が揃い実現することができた。コースマップを見て気付いたのだが、篠路地区は発寒川、伏籠川、旧琴似川の3本の川に3方を囲まれ、中央に創成川が走っているという、川との関りが大きい地区である。詳しい札幌の歴史には疎いのだが、札幌市の北区一帯は豊平川を源流として伏流水がいたるところから噴き出し幾本もの川が縦横に走っていて辺り一帯は湿地帯だったそうだが、その名残が見られるということなのだろう。
  
  ※ 駅舎としては古風な雰囲気を醸し出す「篠路駅」です。
  
  ※ 篠路駅を出た直ぐ前の通りですが、ご覧のように閑散としていました。
 さてウォークの方だが、今回のコースの前回厚別コースと同様、駅の直ぐ横に「篠路神社」がある。私は当然そこへ寄って「御朱印」をいただいた。(そのレポは後日に)
  
  ※ 篠路駅のすぐ傍に立地する「篠路神社」です。
 篠路神社を訪れた後は、JR学園都市線を潜り抜けて(アンダーパス)駅裏へ出た。私は今まで篠路駅前には何度か訪れたことがあったが、駅裏は初めてだった。駅裏という言葉からはなんとなく裏寂れたような印象を受けるが、実際は大きなマンションなどが立ち並び、駅前よりはるかに賑やかで発展している感じだった。
  
  ※ 駅前から駅裏に通ずるJR学園都市線を潜って通過する人専用のアンダーバスの入口です。
 コースは住宅街を抜け「伏籠川」にぶつかる。伏籠川の堤防に立ってみると、堂々とした川の流れだった。河川改修により周りの小さな流れを集めたことのように思えた。
  
  ※ いかにも河川改修が行われた「伏籠川」の流れです。
  
  ※ 伏籠川沿いに走る堤防と伏籠川の流れです。
 伏籠川を下流に向かうと、茨戸中央橋のところまで来ると、そこは「伏籠川」、「創成川」、「発寒川」の3本の川が合流する地点だった。おそらくこれも河川改修によって意図的に造成されたのではと思われるが、3本の川が合流した後は川の名を「茨戸川」と名を変え、やがて「石狩川」に合流することになる。
  
  ※ 右側から伏籠川、手前左から創成川、向こう側から月寒川が流れ込む合流点です。
 コースは、今度は発寒川を遡ることになった。発寒川の川面を見ると、水草が水面全体に繁茂していた。これは発寒川の流れが極端に緩やかなせいではないかと思えた。発寒川沿いは住宅地から離れ、周りは畑地、あるいは畑作放棄地が続き、閑散といった感じが否めなかった。
  
  ※ 月寒川の下流合流地点は水草にほとんど覆われていました。黒く見える所だけが川面をみせていました。
  
  ※ 発寒川沿いの遊歩道です。ご覧のように畑地や畑地放棄地が広がっていました。
 ここで問題が発生した。発寒川沿いを離れる地点でやや迷ってしまった。というのも発寒川に架かる「発寒6号橋」のところから左折するとマップでは記されていたのだが、その「発寒6号橋」というのが、車一台が通る幅しかない細い橋(つまり車が行き交うことができない)で、しかも現在は通行禁止となっていた。「これがマップに記された橋なのだろうか?」と疑問の思った私は橋名板を探した。ところが橋名板はマニアかあるいはよからぬ者の手によって剥がされてしまっていた。これには参ってしまったが、自分の判断を信じてそこを左折することにした。結果は間違っていなかったようで、しばらく歩いてルート上を外れていないことが確信でき、ホッとして歩き続けた。
  
  ※ 「発寒6号橋」と思われる橋ですが、通行禁止となっていました。
  
  ※ 橋の直ぐ近くに増水時の川の水を一時貯留する「東屯田川遊水池」です。
 そこからは伏古地区の住宅街を行くコースとなった。右折、左折を繰り返する中でコースの両側はだんだんと賑やかになって来た。私は初めて歩くコースだったが、どうやら伏古地区の中心街に入ったようだった。周りには全国至るところで見られるチェーン店が次々と顔を出した。いわゆるロードサイド店とでもいうのだろうか?  
  
  ※ もっと華やかなところもあったのですが、前面はイトーヨーカドーの建物です。
   
  ※ と思ったら、道路脇にこのような昔の様子を留める倉庫が現れました。      
 駅裏地区がこれほど発展しているとは…。私は改めて札幌市の大きさ、広さを実感したのだった。
  
  ※ 篠路の中心街を貫くように流れる「創成川」です。
 そしてコースはJR学園都市線の「百合が原駅」近くのアンダーバスを潜り、いわゆる駅前地区へと歩を進めた。
  
  ※ JR学園都市線を潜り抜ける人車両用のアンダーパスです。
 アンダーパスを潜り抜けると、そこは花の公園として親しまれている「百合が原公園」だった。「百合が原公園」はちょうど百合の花が満開時を迎えていたようだが、私は来週「めだかの学校」の公園巡りで訪れる計画があるので、コースマップどおりに外周をまわり、今度は「旧琴似川」沿いに歩を進めた。
    
  
  ※ 広々とした芝生グランドが広がる「百合が原公園」です。
  
  ※ 「百合が原公園」では、各所で百合の花が満開でした。
 その「旧琴似川」だが、現代の「琴似川」が「新川」が造られたことで「新川」に繋がって石狩湾に流れ込むように改修されたことから、水が供給されなくなって空川のような状態となっているようだ。川の形は残っているものの水の流れは見えなかった。川床に当たるところに大木が繁っていることからもほとんど水は流れていないようだ。ただし、大雨が降った時などには川の役目を果てしているのかもしれない。
  
  ※ 水がまったく見えない「旧琴似川」です。川床のところに木が立っています。
  
  ※ 「旧琴似川」沿いの遊歩道です。
 「旧琴似川」沿いを離れると、後は住宅街を一直線にゴールの「篠路駅」を目ざした。
  
  ※ 「篠路駅」に向かう通りですが、住宅以外は何も見えませんでした。
 この日は気温が高かったこともあり、ゆっくりペースで歩くことに徹した。いわゆる「イベントウォーク」だと、多くの参加者と一緒に歩くために、どうしても他の人が気になり自分のペースを乱すことがある。その点「いつでもウォーク」はいつでも一人旅なので自分のペースで歩くことができる。年齢と共にペースはゆっくりとなってしまうが、こちらの方が楽しく歩くことができる。近隣で開催される「イベントウォーク」には極力参加しながら、「いつでもウォーク」にもスケジュールと天候を睨み合わせながらできるだけ取り組みたいと思っている今日この頃である。

サッポロシティジャズ2023「パークジャズライブ」

2023-07-18 19:02:58 | ステージ & エンターテイメント
 ジャズの音色が札幌市内の各所から流れてくる。毎年楽しみにしているパークジャズライブに出かけた。青空のもとで聴くジャズは最高!なのだが、自然が相手だけに難しさも伴うことを実感した今年のパークジャズライブだった。
  
  ※ 大通公園2丁目会場(真ん中のテント)はテレビ塔を背にして設置されていました。
 毎年この時期なると、PMFのクラシックの音色だけではなく、ジャズの音色も札幌の空のもとに響き渡る。そのサッポロシティジャズの中の一つの催し「パークジャズライブ」が今年も7月15、16日の両日、札幌市内各所で繰り広げられた。
 今年の開催箇所は、①大通公園2丁目、②札幌市役所1Fロビー、③札幌駅前通地下歩行空間北3条交差点広場、④ニューオータニイン札幌 バー オークルーム、⑤クロスホテル札幌、⑥札幌PARCO屋上、⑦紙ひこうき、⑧北海道神宮頓宮、⑨EL MANGO、⑩札幌芸術の森 アートホール、の10ヵ所だった。
私は過去2回、主としてビッグバンドが登場するSTVホールに陣取ることが多かったのだが、今年は何故かSTVホールが会場となっていなかったために、メイン会場とされていた①の大通公園2丁目に出かけた。ところが…。
 第一日目の7月15日は、朝から雨が降り続いた。私は11時の開始時間から聴いたものの、激しい雨には耐えきれず、12時過ぎには会場を後にするといった体たらくだった。
  
  ※ 一日目は雨の中のステージとなりました。
 その間にステージに登場したのは、札幌ジュニアジャズスクールのSJF Junior Jazz Or chesta、続いて札幌ジュニアジャズスクールの兄貴分であるClub SJF、そしてサッポロジャズクワイアの3組だった。
 札幌ジャズスクールの演奏はこれまでも何度か聴いたことがあるが、どうしても演奏の粗さのようなものが感じられるのが残念である。まだまだ発展途上の上、おそらくまとまった練習は週末しかできないというハンディが音に出ているように感じられる。OB、OGの中にはプロになった人もいると聞いている。これからに期待される集団である。
  
  ※ 札幌ジュニアジャズスクールのSJF Junior Jazz Or chestraです。
  
  ※ 札幌ジュニアジャズスクールの兄貴分であるClub SJFです。
 サッポロジャズクワイアは反対にシニアの方々のジャズを志向する合唱団である。前面で指揮をしている方に見覚えがあった。今年の春にジャズコンサートを聴いた箭原顕さんだった。その時もサッポロジャズクワイアの皆さんはバックコーラスとして登場していたが、今回は主役として雨の中で堂々と歌い切った姿がカッコよかった。
  
  ※ サッポロジャズクワイアの皆さんです。後姿が箭原顕さんです。
  
  ※ メンバーの中には白髪でもジャズっているご婦人がいました。いやいや右の方は見事なソロを披露しました。(かなりの実力でしたから有名な方かもしれません)
 翌16日も大通公園2丁目会場に赴いた。この日は雨でなく、カンカン照りの天候だった。これはこれで大変である。前日よりは聴衆は多かったが、多くはステージ前を離れ木陰に佇みながら聴く人たちが多かった。
 この日私は少し出遅れてしまい。大通公園2丁目会場に向かう前に札幌市役所ロビーにちょっと立ち寄ってから、大通公園2丁目会場に向かった。市役所ロビー会場では、「田代バンド」がステージに上がっていたが、ベテランの5人組が落ち着いたステージを披露していた。
  
  ※ 札幌市役所ロビー会場の様子です。室内の方が盛況のようでした。
  
 ※ 田代バンドです。この他、ひだりにドラムとピアノの方がいらっしゃいました。
 大通公園2丁目会場では、「札幌ウクレレアンサンブル」と「Scratch Dirty Brass Band」のステージを聴いた。「札幌ウクレレアンサンブル」は野外で演奏を披露するのはやや厳しかったのではないか。演奏者は20人くらいいたのだが、その音を増幅するマイクが少ないために音量が絶対的に足りないのだ。    これは室内で演奏させてやるべきだったのではないかと思えた。反対に「Scratch Dirty Brass Band」はブラスサウンドの上、個々のプレイヤーの前にマイクが立っているので音量が十分で、私も楽しめたし、聴衆の方々も楽しんでいたようである。
  
  ※ 札幌ウクレレアンサンブルの皆さんの演奏です。
  
  ※ 5人でも音量十分の「Scratch Dirty Brass Band」の皆さんです。
 この後、私は昨日レポした「北大チルコロ・マンドリニスティコ『アウロラ』」の演奏会に向かったために、今年のパークジャズライブはここまでだった。
 私には一つ残念に思うことがある。それは札幌市内において、PMFとサッポロシテイジャズの開催期間が重なっていることだ。私のような雑食系の人間は、どちらとも興味がある。どちらも楽しみたいと思うのだが、開催期間が重なっているために気持ちが集中できないきらいがある。同じように思う人がきっといるはずである。関係者の話し合いによって、棲み分けするなどということができないのだろうか?

北大チルコロ・マンドリニスティコ「アウロラ」演奏会

2023-07-17 18:46:46 | ステージ & エンターテイメント
 長い名前のマンドリンのオーケストラ名(その意味は後述します)だが、その「アウロラ」が創立100周年を記念した演奏会である。やはりマンドリンはある程度のボリュームがあってこそその魅力を発揮する、そう思わせてくれた演奏会だった。
        
 7月16日(日)午後、北海道立道民活動センター「かでるホール」において北大チルコロ・マンドリニスティコ「アウロラ」の創立100周年記念演奏会が開催されたので鑑賞に出かけた。100周年という重みだろうか?先輩たちも多数駆け付けていたのだろう、キャパ521の客席はほぼ満席の盛況だった。
 さて、チルコロ・マンドリニスティコ「アウロラ」の意味だが、調べたところマンドリンがイタリアで生まれたことから、全てをイタリア語から引用しているようである。「チルコロ(Circolo)」はサークル、「マンドリニスティコ(Mandolinistico)」はマンドリン奏者、そして「アウロラ(Aurora)」はオーロラという意味である。したがって、「マンドリン奏者のサークル “オーロラ”」といった団体名ということだ。
   
   ※ ステージのバックには団旗ならぬサークル旗が掲げられていました。
 記念演奏会は3部構成からなっていた。
 第1部は、現役とOBの混成で、
 ◆ジュゼッペ・ベルレンギ/華麗なワルツ「東洋の香り」
 ◆ジュゼッペ・ディエゴ・アネッリ/序曲「イタリアの復活」
 ◆ローラン・ファンタウッツイ/優雅な幻想曲「アウロラ」
を、それぞれ歴代の指揮者が代わる代わる登場して演奏した。
 第2部は、現役だけのステージで、
 ◆エンリオ・モリコーネ/ニュー・シネマ・パラダイス
 ◆アメデオ・アマディ/海の組曲
   第一楽章 ナイアーデのセレナータ
   第二楽章 オンディーナの踊り
   第三楽章 シレーナの唄
   第四楽章 トリトーネのフーガ
 第3部は、再び現役とOBの混成に加えて、管楽器とパーカッションに賛助出演を得ての演奏となった。
 ◆鈴木静一/楽詩「雪の造形」
   第一楽章 枯野に散る霙 (北大の北郊にて)
   第二楽章 雪の造形   (ニセコにて)
   第三楽章 月冴えて   (北大校庭にて)
 そして最後に、第44代指揮者の阿部純一氏による挨拶と礼奏としてカルロ・ムニエル作曲の「祈り」が演奏され、全ての日程を終えた。
 第1部は総勢95名のマンドリンオーケストラの魅力を十分に堪能させてくれた。弦だけによる繊細な音の厚みと重なりが心地よく耳に届いた。私から見て、特にOBの方たちが嬉々として演奏していた姿が印象的だった。
 第2部は現役部員だけのステージだったが、こちらは私が数えたところ28名という部員数だったことで、どうしても第1部のステージと比べると寂しさは隠せなかった。やはりマンドリンオーケストラの魅力を発揮するには最低でも50名程度は必要なのでは?と思ったのだがどうなのだろうか?ただ彼らが演奏した「海の組曲」は、先輩諸氏も現役当時に演奏に取り組んだマンドリンの名曲らしい。彼らの演奏がOBの方たちの郷愁をかきたてた一曲だったようだ。
 第3部は先述したように95名のOBと現役に、賛助出演の管楽器とパーカッションが加わり、紡ぎ出す音がさらに厚さを増し、管楽器と弦楽器と重なって素晴らしい「雪の造形」の世界を創出してくれた。
  
  ※ 演奏中はもちろん撮影は禁止でしたが、コンサートを終えた後記念撮影をするということで、その用意をしているところを一枚撮らせてもらいました。
 感動的だったのは、第44代指揮者の阿部純一氏による挨拶の時だった。阿部氏にとって現役時代に取り組んだ「海の組曲」は思い出の強い一曲だったようだ。その曲をこの日現役部員が演奏してくれたことがことのほか嬉しかったらしい。挨拶の中で阿部氏は何度も声を詰まらせた。計算すると阿部氏は70代後半の方のようだ。阿部氏にとって青春の情熱を傾け続けた50数年前の自らの姿が走馬灯のように駆け回ったようだった。そのような阿部氏の姿を見て、私も思わず落涙してしまったのだった。
 その阿部氏が礼奏として指揮した「祈り」はことのほか、私の心にしみた一曲だった…。

今さらながら池井戸潤に嵌まっています

2023-07-16 16:37:22 | 本・感想
 「何を今さら…」と嘲笑されそうだが、私は今池井戸潤の作品にどっぷりと嵌まっている。おそらく多くの池井戸ファンはずーっと以前に彼の作品をむさぼり読んでいるはずだ。それを遅まきながら、今私がやっているのだ。
        
                                   ※ 池井戸潤氏の近影です。
 先日、文庫本で750ページもある池井戸潤作「陸王」を二晩寝ずに読み切った。(昼に寝ていたが…)その前の「七つの会議」もやはり寝ずに読み切ってしまった。
  
 もちろんその前に彼の代表作である「半沢直樹」シリーズの「オレたちバブル入行組」「オレたち花のバブル組」「ロスジェネの逆襲」「銀翼のイカロス」が私の池井戸潤ワールドに魅了される入口だった。
        
 続いては、これもテレビで話題となった「下町ロケット」シリーズの「下町ロケット」「下町ロケット ガウディ計画」「下町ロケット ゴースト」「下町ロケット ヤタガラス」を立て続けに読了した。
        
 なんで池井戸に嵌まったのか?振り返ってみた。するとそのキッカケは3月に観た映画池井戸潤原作の「シャイロックの子供たち」だったなぁ、と思い出している。巧みなストーリ展開、いかにもありそうな銀行内部の人間模様、胸をスカッとさせてくれる終末の描き方を観て、改めて池井戸潤に興味を抱いたのがそのキッカケだったように思う。
 そのことがキッカケとなって「池井戸潤を読んでみよう!」思い立ち、久しぶりに図書館利用が始まった。
 池井戸本がなぜエンターテイメント小説として多くの人に支持されるのか、ちょっと考えてみた。それは先にも触れたように、巧みなストーリ展開、いかにもありそうな業界内部の人間模様、胸をスカッとさせてくれる終末の描き方、etc.…つまりエンターテイメント小説として求められている要素がふんだんなく盛り込まれていることだと思う。
 「半澤直樹」シリーズなどは、彼のやり方に反旗をあげた輩には終末で完膚なきまでに叩きのめすところなどは、読者をスカッとさせるに十分である。
 彼は2011年、「下町ロケット」で直木賞を受賞しているが、それ以前も候補に何度か挙がっていたが、彼の作品は「文学性に乏しい」という理由で受賞できなかったという。池井戸はそのことをあまり気にしていなかったようだ。つまり彼は「痛快で単純に読者に楽しんでもらう」ことに主眼をおいていたという。ただ、最近は少し傾向が変わりつつあるともいうが…。
 今、私は池井戸潤に嵌まっているが、これがいつまで続くか分からない。私は典型的な熱しやすく冷めやすい人間だと自己分析しているからだ。食べ物然り、読書然り…。あれだけ夢中になっていた「丸亀製麺」も遠い昔の出来事といった感じである。これまでの読書遍歴も思い出すだけで何人もの作家を渡り歩いてきた。いつ池井戸潤から離れてしまうか自分でも皆目分からない。まあ、離れることはなりゆきに任せ、それまでは嵌まり続けたいと思っている。
 「陸王」と「七つの会議」を読み終えた私は、続いて今図書館に「空飛ぶタイヤ」上・下、そして「アキラとあきら」上・下を予約している。夜を徹することなどしないようにしながら池井戸潤ワールドに浸りたい。

ひがしくハッピータッピーコンサート

2023-07-15 10:41:17 | ステージ & エンターテイメント
 指導者はさすがに円熟の演奏を披露し、その教え子たちは若干の硬さをみせながらも懸命に指導者についていこうとしているように聴こえてきた。指導者のお二人は素晴らしい実績をお持ちの方で、私が思っていた以上の素晴らしい演奏に出会えた思いだった。
      
 少し時間が経ったが7月10日(月)夜、札幌大谷大学大谷記念ホールにおいて「ひがしくハッピー・タッピーコンサート」が開催され、応募したところ幸いにも招待状が舞い込み参加することができた。
 「ひがしくハッピータッピーコンサート」とは、東区が主催する事業の一つのようで、「タッピー」とは東区のマスコットキャラクターで、「ハッピータッピー」と語呂合わせで命名したようである。通常、このコンサートは東区民センターを会場として開催されているようだが、今回は札幌大谷大学の関係者が出演することから会場が大谷記念ホールとなったようだ。
 その大谷記念ホールが素晴らしい。コンサートのMCも兼ねたピアノの谷本聡子教授によるとホールの設計は札幌コンサートホールKitaraの設計も担った音響設計家の豊田泰久氏によるものとのことだった。ふんだんに木材を使用した天井に高いホールはいかにも音響に配慮した専用ホールといった趣きの素晴らしいホールである。
 
 コンサートは2部構成となっていた。
 第1部は「谷本聡子とグレブ・ニキティンによるピアノとヴァイオリンのデュオ」
 第2部は「〈OTANIカルテット〉のデビュー演奏」
となっていた。
 ここでは大谷大学で教授を務めるお二人の経歴に触れねばなるまい。
 まず谷本聡子さんであるが、谷本さんは札幌市出身であるがハンガリーの「リスト音楽芸術大学」を卒業し、引き続きドイツの「フライブルク音楽大学大学院」で学んだあと帰国し、札幌を中心に音楽活動を展開し、幾多の賞を受賞されている方である。
          
 一方のグレブ・ニキティン氏はロシア人であるが、モスクワ音楽院で学び、その後ヨーロッパを中心として活動していたが20代後半に来日し、1993年に札幌交響楽団のコンサートマスターに就任、さらには2000年には東京交響楽団のコンサートマスターに就任するなどその経歴は輝かしいものである。
          
 そんなお二人がデュオを組んだ演奏なのだから、私をはじめコンサートに足を運んだ人たちはとんでもない珠玉のコンサートを聴いたということである。そのお二人が演奏した曲目は…、
◆ベートーヴェン/スプリングソナタより1楽章
◆マスネ/タイス瞑想曲
◆バルトーク/ルーマニア民族舞曲
◆モンティ/チャールダッシュ
以上4曲だった。クラシック初心者である私には前半3曲は聞き覚えのない曲で、お二人の演奏がどれほどのものなのかを評する基準を持ち合わせてはいなかった。ところが4曲目の「チャールダッシュ」はヴァイオリン奏者が競って演奏する超絶技巧を要する曲である。私はフルートやコントラバスでの演奏も聴いたことがあるほど有名であるが、この曲を演奏するときのグレブ・ニキティン氏の表情が印象的だった。グレブ氏が演奏する表情は余裕そのものという感じだった。そしてその繊細な指遣いを見てくれとばかりに、客席へ近づいてくる余裕ぶりだった。その演奏を拝見し、グレブ氏の力量を推し量ったのだった。
 一方のピアノの谷本氏であるが、こうしたデュオの場合ピアノはどうしてもヴァイオリンの引き立て役にまわってしまう。したがって前面に出る場面は少なかったが、それでも熟達した演奏ぶりは “さすが!” と思わせるものだった。
 小休憩を挟んで第2部「〈OTANIカルテット〉のデビュー演奏」であるが、女性の弦楽四重奏だった。その構成は札幌大谷大学音楽科を卒業したヴァイオリンの徳田和可さん、同じく同大学在学中のヴィオラ担当の壱岐香風さん、大谷大学出身ではなく他大学出身だが、現在大谷大学の非常勤講師としてお勤めのヴァイオリンの岩淵晴子さん、チェロの中島杏子さんという組み合わせだった。演奏された曲目は…、
 ◆モーツァルト/弦楽四重奏曲 第17番〈狩〉より 
 ◆チャイコフスキー/弦楽四重奏曲 №1より アンダンテカンタービレとスケルツォ
 ◆ドヴォルザーク/ピアノ五重奏曲より〈スケルツォ〉
の3曲だったが、前記の4人での演奏はモーツァルトだけで、チャイコフスキーの時はヴァイオリンが1人抜けて(岩淵晴子さん)グレブ氏が入り、最後のドヴォルザークでは岩淵さんが入り徳田さんが抜け、さらにピアノの谷本さんが加わるというように目まぐるしくメンバーを入れ替えながらの演奏となった。
     
   ※ 岩淵晴子さん         ※ 徳田和可さん
     
   ※ 壱岐春風さん         ※ 中島杏子さん
 デビュー演奏ということで、お二人の教授陣も応援しながら、というデビューとなったようだ。特に若い壱岐さん、徳田さんにとっては緊張のデビューだったようで、少し硬さも見えたかな?と思われたが、ベテラン陣に混じって堂々と演奏されていたように映った。今後は札幌のコンサートシーンに度々登場してくるに違いない。
 音響効果の素晴らしい大谷記念ホールで、上質の音楽に触れることのできた一夜だった。

御朱印収集巡り №20 信濃神社

2023-07-14 12:19:23 | 神社参拝・御朱印収集関連
 信濃神社はJR厚別駅の直ぐ近くに建っていたが、入口の鳥居から真っすぐ伸びる参道の両側は高い木立に囲まれ、静かな雰囲気に包まれた神社だった。
      
 訪れてから少し時間が経ってしまったが、7月2日(日)にJRヘルシーウォーキングで厚別コースを歩いた際に、コース途中に(というより、厚別駅からのスタートした直後にある)あった「信濃神社」に立ち寄り、御朱印をいただいた。
  
  ※ 神社横の道路際に立つ第一鳥居です。この向こうに第二鳥居がありますが、緑に包まれて見えません。
 信濃神社は下記の情報で触れているが、JR厚別駅から徒歩5分という立地である。駅に近いという立地でありながら、鳥居をくぐり境内に入ると真っすぐに伸びた参道の両側には高い木が聳え、森閑とした雰囲気に包まれていた。ただちょっと残念に思えたのは、参道に敷かれた砕石状の砂利の間から雑草が伸びていたのがちょっと気になった…。
  
  ※ 第二鳥居です。その向こうに本殿があるのですが、やはり緑に阻まれて見えませんね。
  
  ※ 手水舎です。やや小ぶりです。
  
  ※ 本殿前の狛犬です。狛犬は二つの鳥居の傍にも見られました。
  
  ※ 堂々とした構えの本殿(拝殿)です。
  
 堂々とした本殿(拝殿)で参拝を済ませた後、社務所に向かい御朱印を所望したところ「書置きしかない」と言われたのだが、それを承知していただくことにした。ここでこれまで訪れた神社と違っていたのは、初穂料(御朱印発行料)について「お気持ちで…」と言われたのが初めてだったことだ。これまで訪れたところではドライに「〇〇円です」と金額を言われたのだが、ここは迷ってしまった。迷った末に書置きということで、これまで収めた中で最も安価場合だった時と同様の300円を納めさせていただいた。
 御朱印とともにいただいた神社発行のパンフレットによると、信濃神社の御由緒という欄には「明治16年、長野県からの入植者が、諏訪大社より御分霊を泰載し、祠を建てて祀ったのが始まりです。明治30年に河西由造らにより、現在地に御鎮座しました」とあった。
 私が訪れたのは午前10時前後だったが、参拝に訪れていた人を2・3人見かけた。日常的にも訪れて参拝する方が多い神社なのかもしれない。
【信濃神社 情報】
◇旧社格:村社
◇所属:北海道神社庁
◇住所:札幌市厚別区厚別中央4条3丁目3-3   
◇御朱印:あり(書置き お気持ち)
◇参拝可能時間:24時間
◇社務所受付時間: 9:00~16:00  
◇例祭日:9月15日
◇駐車場:有り
◇アクセス:JR函館本線「厚別駅」南口から徒歩約5分(約300m)
◇創建: 1897年(明治30年)
◇代表的ご利益: 〇安産祈願・子授かり・子宝 〇夫婦円満・家内安全
 〇縁結び・恋愛成就 〇商売繁盛 〇必勝祈願・勝利成功        
◇御朱印記帳日 7月2日

いよいよ開幕!PMF2023 オープニングナイト

2023-07-13 14:06:51 | ステージ & エンターテイメント
 いよいよPMF2023が開幕した!7月12日から8月1日までの長期間にわたり、世界から集った74名のPMF生が世界的な教授陣に教わりながら、同時にコンサートを展開していく教育音楽祭である。私は5枚のチケットを用意し、PMFを楽しみたいと思っている。

 昨夜(7月12日)、札幌コンサートホールKitaraにおいて「PMF2023 オープニングナイト」が開催されたので参加した。
 KitaraのホワイエにはPMFファンがその開幕の喜ぶかのように華やいだ雰囲気で談笑していたが、その中へPMF生の木管五重奏が開幕前に演奏を披露するというハプニングで来場者を喜ばせてくれた。
 オープニングナイトはまず、PMFの創始者であるレナード・バーンスタイン作曲の「キャンデード序曲」で幕を開けた。演奏はPMF生74名に教授陣が加わった編成だった。そして指揮はまだ40歳と若く俊英と称されるクシシュトフ・ウルバンスキが務めた。
 「キャンデード序曲」は、クラシックの曲でありながら、どこかにポップな香りも感じられ起伏のある曲の流れが私にはお気に入りの曲の一つである。この夜も若手演奏家の勢いのある演奏が心地よかった。
 続いて、PMF組織委員会の理事長である秋元克広札幌市長の挨拶を挟んで、教授陣たちの演奏が2曲続けて演奏された。その曲目と演奏は…
◆オンスロウ/弦楽五重奏曲 第30番 ホ短調 作品74から  (演奏)PMFウィーン
◆モーツァルト/歌劇「コジ・ファン・トウッテ」序曲K.588 (演奏)PMFベルリン
 2曲とも小品で聴きなれない曲だったこともあり、私としてはあまり印象に残らない2曲だったが、どちらもベテラン奏者の深み、重みを感じさせるような演奏だった。なお、PMFウィーンとはウィーンフィルハーモニー管弦楽団の団員、あるいは元大員の方々で、特に第一ヴァイオリンのライナー・キュッヒル氏は元ウィーンフィルのコンサートマスターで、おそらくPMFには10年以上かかわっている方のはずである。また、PMFベルリンもベルリンフィルハーモニー管弦楽団在籍者、あるいは元在籍者である。このPMFベルリンにも長くPMFに関わっているホルン奏者のサラ・ウィルス氏はキュッヒル氏とともにPMFの名物教授といった存在の方であり、「また還ってきてくれた」という思いが強かった。
 最後の一曲は再び教授陣とPMF生の混成によるチャイコフスキー/幻想序曲「ロメオとジュリエット」だった。曲としては幻想曲らしく物静かな曲の流れが全体を占めていたが、時折激しい高まりが挟まれ、特に後半の悲劇の色を濃くする激しい曲調が印象的だった。
 コンサートの帰路はいつも満ち足りた思いで会場を後にすることが多い。この日もそうした気持ちだった。これから少なくとも4度のPMF関連のコンサートを楽しみたい。

シニアの大敵 “フレイル” 予防のために

2023-07-12 16:23:39 | 講演・講義・フォーラム等
 私たちにとって “老い” は避けられない。その “老い” が進行した状態を “フレイル” と称することは今や市民権を得たようだ。“フレイル” を予防し、上手に “老化” と付き合う方法について学んだ。 

 7月10日(月)午後、「めだかの学校」終活学習「人生のフィナーレを悔いなく」の第4回講座が開講された。
 今回のテーマは「フレイル予防で健康寿命大作戦!~いつまでも輝くシニア~」と題して、健康生きがいづくりアドバイザー北海道協議会の代表である渡邊一栄氏から講義を受けた。  
  
 まず改めて “フレイル” の定義づけをしていだいた。それによると “フレイル” とは「歳をとるにつれて、筋力・食力・認知機能・社会とのつながりを含む心と体の活力が低下した状態で、日本語で『虚弱』の意味」と定義された。
 つまり加齢とともに人間が “フレイル” 状態に陥ることは避けがたい現象かもしれないが、問題はそうした「老いの坂道」を「転げ落ちる」のか、それとも「ゆっくり下る」のか、ということだと渡邊氏は指摘した。
 そして「老いの坂道」を「ゆっくり下る」3本柱は、①栄養・口腔ケア、➁運動、③社会参加、の三つであるとした。言葉を変えると「食べて、動いて、話す」ことだという。
  
 そして講義はその3本柱について、私たちが留意すべき点についてこまかなアドバイスをいただいたが、その詳細については省略する。
 お話を聴きながら、私自身の日々の生活はどうだろうか?と反芻してみた。正直に吐露すると、同年代の方よりは心身ともに多少は健康な部類かな?と自己判断した。しかし、個々について詳細に振り返ると反省することも多々ある。今回の講義を参考にして、自らの日常を見直し、改めるべきは改めねばならないとの思いを強くした私だった…。
 渡邊氏の最後に放った言葉が印象的だった。曰く…、
 ◇棺桶に入るまで歩こう!
 ◇トイレは最後まで自分の足で!
 このことを目標に日々を過ごしていきたいなと思っている。