田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

躍動する指揮者に感嘆して…ほくでんファミリーコンサート

2023-07-06 16:24:06 | ステージ & エンターテイメント
 エリアス・グランディの滑らかながらもダイナミックな指揮ぶりに魅入っていたのだが、ベートーヴェンの交響曲第2番の最終楽章(第4楽章)の終盤、彼は指揮台の上で飛び上がったのには驚いた!彼の素晴らしい指揮と共に札響の音を楽しんだ。
  
 7月4日(火)夜、札幌コンサートホールKitaraで開催された第539回「ほくでんファミリーコンサート」(札幌交響楽団の演奏)を鑑賞することができた。私はこの「ほくでんファミリーコンサート」には縁がない。無料で北海道電力が提供するこのコンサートは大変人気があるらしい。これまで何度も応募していたが当選することはなかった。今年は音楽鑑賞仲間に声をかけ、複数当選を願ったのだが、当選したのはH氏一人だけで他の3人はあえなく落選となってしまった。H氏は二人分の入場整理券の一人分を私に譲ってくれたために今回鑑賞することができたというわけである。 
   
 今回のプログラムは、ドイツ(ドイツ人と日本人の間に生まれた方だそうだ)の若手指揮者であるエリアス・グランディの指揮のもと、
 ◆ラヴェル/クープランの墓
 ◆アルチュニアン/トランペット協奏曲(トランペット独奏 福田善亮 札響首席奏者)
 ◆ベートーヴェン/交響曲第2番ニ長調 op.36
 クラシック初心者である私(いつまでも初心者だが)が演奏の良し悪しなど論ずることなどできないが、一曲目のラヴェルの「クープランの墓」は正直に吐露して曲想が難しくて、曲の良さを感得することはできなかった。
 二曲目の「トランペット協奏曲」は、トランペット奏者の福田善亮の独壇場だった。さすがに札響の首席奏者らしい熟達の演奏だった。演奏を終えて会場の拍手が鳴り止まずアンコールにバラキレフの「ジョージアの歌」が演奏された。トランペットの場合、奏者の巧拙が素人でも多少分かるような気がするが、素晴らしい演奏を聴くことができた思いだった。
        
        ※ トランペット独奏の福田善亮さん
 そしてベートーヴェンの「交響曲第2番」であるが、やはりこの曲がこの日一番の聴き応えのある一曲だった。私の好みでは、第4楽章、第1楽章、第3楽章、第2楽章の順にお気に入りだったが、いずれにしてもベートーヴェンの重厚な、そして豊かな音を堪能することができた。
 ここまで指揮者のエリアス・グランディについて触れてこなかったが、彼は指揮者の中ではまだ若手に入る42歳前後ということだ。ドイツ音楽界において彼は注目される存在だそうで、現在ハイデルベルグ市立歌劇場の音楽総監督を務めているという。
       
       ※ 指揮者のエリアス・グランディさん
 私が注目したのは、まず指揮棒の握り方が独特のように思えたのだ。そしてその指揮ぶりから、指揮者は誰もがそうなのだと思うが、彼は他の指揮者以上に曲全体を深く理解し、自らの思いを表現しようとしているのではないかと思えたことだ。そのことが彼独特の指揮ぶりに現れていたように思えた。リード文でも触れたが、曲の終盤に指揮台の上で飛び上がったのも、彼の曲に対する思いが凝縮された一瞬だったのではないか、と私は思ったのだが…。
 コンサートの最後はアンコールとしてブラームスの「ハンガリー舞曲第6番」を披露して終えた。
H氏とふたり、暗くなった帰り道を満ち足りた思いで感想を交わしながら地下鉄駅に向かったのだった…。