日本のジャズミュージシャン10人で編成されたビッグバンドは世界でもあまり例はないという。そんなFront Page Orchestraが「MUSIC LAMP」に登場した。彼らの紡ぎ出す精緻で温もりのあるサウンドを堪能した!
※ MUSIC LAMPのポスターであるが、写真上段の中央が三木俊雄氏です。
2月17日(土)夕刻、札幌コンサートホールKitaraで開催された「MUSIC LAMP Vol.13」を聴いた。
「MUSIC LAMP」とは、札幌ライラックライオンズクラブと札幌市芸術文化財団が共催で実行委員会をつくり、コンサートの益金を身体障碍者や視覚障碍者たちの前途に「灯りを灯したい」との趣旨で開催されているが、コンサートに登場するのは主としてジャズミュージシャンのようである。その第13回目のMUSIC LAMPにFront Page Orchestraが招請されたということである。
Front Page Orchestraは、テナーサックス奏者で作編曲家でもある三木俊雄氏が率いるメンバー10人のジャズバンドである。資料によると、メンバー1人1人は日本のジャズシーンの第一線で活躍しているミュージシャンばかりという実力派である。
※ 演奏開始前のキタラのステージです。
この日は、第一部にオープニングアクトとして登場した「札幌ジュニアジャズスクール Club SJK」とセッションで◆F.フォスター/Shiny Stockings を演奏して休憩に入った後、
第二部ではリーダー三木俊雄氏作曲の曲を中心として次のような曲が演奏された。
◆三木俊雄/Move the Air
◆三木俊雄/Moonflower
◆三木俊雄/Ecsher’s Vision
◆三木俊雄/Saudade
◆H.シルバー/Nica’s Dream〈ゲストボーカル 長尾冴子〉
◆三木俊雄/隅田川
◆三木俊雄/Quantum Leap
【アンコール】◆V.ユーマンス/Time On My Hands
ご覧のように演奏された曲のほとんどが三木俊雄のオリジナルである。ジャズミュージックに対して特別な造詣を持ち合わせているわけではない私には、残念ながらその曲の良さは理解できなかったが、彼らの演奏自体はかなりレベルが高いものであることは感得することはできた。
特に三木の曲は、ソロパートを大切にすると聞いていたが、確かに全てのパートがソロで演奏する場面があったが、それぞれの力量の高さを窺い知ることができた。
曲目として印象に残ったのは、日本名が付いた「隅田川」である。数回しか隅田川の流れを目にしたことはないが、演奏を聴いていると隅田川の流れを彷彿とさせてくれるものがあった。さらにその次の「Quantum Leap」ではテナーサックスの三木と浜崎航が掛け合いのように演奏する様が素晴らしかった。
メンバーはTromboneの駒野逸美をのぞいては、中年の域に達したいわゆるベテラン揃いであったが、そのことがより深みのある演奏を可能にしたともいえるFront Page Orchestraのステージだった。
※ ウェブ上に札幌ジュニアジャズスクール Club SJKとのセッションの様子の写真を見つけたので掲載します。
最後に10人のメンバーを紹介してこの項を閉じるにする。
◇三木俊雄(Leader、Tenor Sax)
◇近藤和彦(Alto Sax)
◇浜崎 航(Tenor & Soprano Sax)
◇松島啓之(Trumpet)
◇奥村 晶(Trumpet)
◇駒野逸美(Trombone)
◇山岡 潤(Euphonium)
◇福田重男(Piano)
◇上村 信(Bass)
◇柴田 亮(Drums)