妻が出払ったころあいを見つけて、栞をはさみこんでおいた随筆集の中の、泉鏡花の短文を声を出して呼んでみたりする。山本夏彦氏著の愛読書「完本文語文」に触発されての事だ。明治人の教養の豊かさ、観察力、表現力の多彩さ、臨機応変の語彙のマジックが、1,500字ほどの文章の中に集約されている。すらすらと読めたら素晴らしい事だけれど、ルビが振ってあるにもかかわらず、うまく行かない。三度目を読んでいると、妻が帰ってきた。あわてて又栞を挟んで本棚に納めた。
「森の紫陽花」 www.aozora.gr.jp/cards/000050/files/4245_10284.html
ふと過日送られてきた、新潮社の「CDブック」の案内を思い出した。芥川龍之介の「羅生門」を橋爪功が読み、幸田露伴の「五重塔」を日下武士が読んでいる。「断腸亭日乗」は高橋昌也、「にごりえ/たけくらべ」は幸田弘子、「阿部一族」をあの若山弦蔵が担当している。藤沢周平シリーズの「驟り雨/朝焼け」は柳家小三治、「静かな木」は柳家小さん、息子の花緑が「たそがれ清兵衛」と小さん一門も頑張っている。錚々たる人たちが読み手となっている、「CDブック」もなかなか面白そうではないか。本は自らが読んでこその「読書」と承知していたが、「朗読」という世界も理解できそうだ。
「森の紫陽花」 www.aozora.gr.jp/cards/000050/files/4245_10284.html
ふと過日送られてきた、新潮社の「CDブック」の案内を思い出した。芥川龍之介の「羅生門」を橋爪功が読み、幸田露伴の「五重塔」を日下武士が読んでいる。「断腸亭日乗」は高橋昌也、「にごりえ/たけくらべ」は幸田弘子、「阿部一族」をあの若山弦蔵が担当している。藤沢周平シリーズの「驟り雨/朝焼け」は柳家小三治、「静かな木」は柳家小さん、息子の花緑が「たそがれ清兵衛」と小さん一門も頑張っている。錚々たる人たちが読み手となっている、「CDブック」もなかなか面白そうではないか。本は自らが読んでこその「読書」と承知していたが、「朗読」という世界も理解できそうだ。