八代勢の動き
立允主ハ二之丸 一ニ三の丸 の大手口を右ニ見、塀之外を岸に添て弐町余浜手の方ニ越、二の丸之塀を乗越御覧候ニ、二の丸は五六町四方はかりも有之へく見へ、先二乗入たる面々小屋より出る敵を鑓付、思ひ/\に切支丹共を討取様子也、しかれ共たゝかまはす本丸の方にすゝミ候へと御下知有之、蓮池に取付候手前にて浜手の方ニ参る道一筋、又右之方少シ高ミ有之候へハ、見方少キ方ニ参候へと被仰候、左浜手の方見方多ク参、蓮池を隔申候右之方味方少ク、蓮池を通り本丸追手の虎口前にて見晴シきら/\と有之候、其方に御すゝミ候、三ノ丸ニてハ大勢こミ合候が、二の丸中程より蓮池の上手本丸迄の間ハ噞敷所ニ而、人も少ク道筋帯のことく長く有之と也、中程ニ御出候時分よりハ、本丸よりの鉄炮はけしく打出候、其所に土居のことく少シの高ミ有之しに、たよりしはらく息をつき先を御見合せ候、大方腰をかゝめ行、のし候而参るものハまれ成よし、味方弥少ク成、蓮池の頭まてハ足にさはるものも無之御越候、此節山中清十郎御先ニ参、随分かせき候へとて被遣候得共、首尾に逢不申由、沖津右兵衛ハ下散弐枚打抜、もゝをうたれ、歩行不叶引取候
立允主蓮池の頭に御出候而、大組頭ハ何方ニ見へ候哉と御尋ニ付、跡を見候へとも見へ不申、其辺ニハ八代の御人数より外味方壱人も無之、わつかの人数也、立孝主仰に、浜手の番人ハ捨人数なり、本陳より参る者を集め候へと被仰、過半蓮池の頭ニ而集り候、此所より本丸岸下迄五十間内外も有之由
立允主ハ二之丸 一ニ三の丸 の大手口を右ニ見、塀之外を岸に添て弐町余浜手の方ニ越、二の丸之塀を乗越御覧候ニ、二の丸は五六町四方はかりも有之へく見へ、先二乗入たる面々小屋より出る敵を鑓付、思ひ/\に切支丹共を討取様子也、しかれ共たゝかまはす本丸の方にすゝミ候へと御下知有之、蓮池に取付候手前にて浜手の方ニ参る道一筋、又右之方少シ高ミ有之候へハ、見方少キ方ニ参候へと被仰候、左浜手の方見方多ク参、蓮池を隔申候右之方味方少ク、蓮池を通り本丸追手の虎口前にて見晴シきら/\と有之候、其方に御すゝミ候、三ノ丸ニてハ大勢こミ合候が、二の丸中程より蓮池の上手本丸迄の間ハ噞敷所ニ而、人も少ク道筋帯のことく長く有之と也、中程ニ御出候時分よりハ、本丸よりの鉄炮はけしく打出候、其所に土居のことく少シの高ミ有之しに、たよりしはらく息をつき先を御見合せ候、大方腰をかゝめ行、のし候而参るものハまれ成よし、味方弥少ク成、蓮池の頭まてハ足にさはるものも無之御越候、此節山中清十郎御先ニ参、随分かせき候へとて被遣候得共、首尾に逢不申由、沖津右兵衛ハ下散弐枚打抜、もゝをうたれ、歩行不叶引取候
立允主蓮池の頭に御出候而、大組頭ハ何方ニ見へ候哉と御尋ニ付、跡を見候へとも見へ不申、其辺ニハ八代の御人数より外味方壱人も無之、わつかの人数也、立孝主仰に、浜手の番人ハ捨人数なり、本陳より参る者を集め候へと被仰、過半蓮池の頭ニ而集り候、此所より本丸岸下迄五十間内外も有之由