津々堂のたわごと日録

爺様のたわごとは果たして世の中で通用するのか?

異風者伝 近代熊本の人物群像(井上智重著、熊本日日新聞社・2500円)

2012-12-28 14:25:38 | 書籍・読書

 朝日新聞の「書評」欄に、作家・出久根達郎氏が推薦する三冊が次のように紹介されている。
いかにも氏らしい選択だと思うが、我が郷土の本をお選びいただいたのは著者との御縁もまたあったのかもしれない。
著者井上智重氏は現在熊本近代文学館の館長である。 

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出久根達郎 書評委員お薦め「今年の3点」

 [掲載]2012年12月23日 

    
 本はまず面白くなくてはならぬ。ジャンルを問わぬ。その基準で三冊選んだ。
 (1)こんなにも知的で清新で、かつ情感あふれる日本語で訳された艶笑譚(えんしょうたん)は、近年稀(まれ)。ユーモアとペーソス、
   洒落(しゃれ)た暗喩、程よい皮肉の味は、井伏鱒二を思わせる。そういえば井伏の愛読書の一冊が、これだった。
 (2)熊本の方言で、いひゅうもん、といい、変わり者のことである。江戸期から現代まで実在した熊本人の、風変わりで愛敬者の伝記。
   本人に限らず子や孫に至るまでつづり、おのずと日本近代史を語っている。
 (3)自分を語らず、写真も拒否、どんな顔の漫画家か不明。本書で初めて素顔を見せた。いや本人による架空インタビューだが、本
   音を吐いていると思う。幻の作品も収録され、文芸別冊中、最高の企画

コメント (1)
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御恵贈御礼--「大嶋家文書の世界」

2012-12-28 09:25:12 | 徒然

 知恵伊豆といわれた松平伊豆守信綱の御側近くにあって、天草島原の乱においても活躍されたご家臣・大嶋左源太豊長を祖とする大嶋家に残された文書の内、今般「道中出先心得方覚」「多美縁組諸事扱留」を取り上げられて刊行された。その他「島原の乱絵図」など貴重な図も公開されてあり興味深い。
「多美縁組諸事扱留」は大嶋家の娘・たみ殿が細川家家臣・高田武七郎に嫁した折の記録文書である。高田氏についての資料を提供した御縁により完成本を頂戴した。
高田家系図によると、武七郎の母は松平阿波守家臣・高橋達吉伯母であり、祖母は土屋采女家臣・山崎唱大叔母である。三代にわたり他藩の武家の女が嫁入りしている。
高田家は代々定府の家とも見えないのだが大変興味深く、当方としても調べてみたいと思っている。

大嶋家にはまだまだたくさんの文書が残されているらしい。多くの関係者の皆様の御苦労により今般の刊行に至っているようだが、今後残された文書についても日の目を見ることに期待したい。御恵贈を感謝申し上げる。

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