一二八
一帯刀殿（松井豊之）父子、其外御家老中、河尻町通之節、町御奉行被
罷出候ニ不及候間、遠見被指で間敷段、彼町遠見之儀
ニ付被相達置候て及達、且又右両人衆通之節、河尻町
内ハ先拂被指出来候由候へとも、此已後先拂被指止、尤
別當共も罷出候ニ不及段、追て申遣候事
右寶暦七年五月六日達扣
一二九
一御領内之廻船、長崎え為商賣罷越候節、積荷等茂木・綱
場浦より歩荷ニて長崎え差越候者も有之様子ニ付、於長
崎歩荷問屋幷右両浦ニて船宿極候趣、去閏七月及達候、
然處宇土・川尻よりハ油荷物是迄歩荷問屋え不致着由ニ候、若
脇方ニて紛敷商賣ハ無之哉、右両浦より歩荷ニて差越
候節ハ、彌以船宿申談、於長崎歩荷問屋え致着候様可致
達段、河尻町御奉行え及達候事
右寶暦十年五月諸願扣
一三〇
一他所之御使者・飛脚等河尻通行ニ付、入用之人馬先觸参
候節ハ、員數ニより此方え達有之候ヘハ、御郡間え及達、
夫より御郡代え被相達、下方え達有之事ニ候、右之通達
筋段々ニて隙取候付、時ニより間ニ合不申儀も可有之候
間、向後人馬先觸参、此方え達有之程之儀ハ、別當より
書付を以、銭塘御惣庄屋え申達候様、左候て此方え跡達
て、其趣書付可被指出候、其外臨時ニ餘計之人馬出候節
ハ、可被相達段、彼町御奉行え及達候事
右明和元年二月諸願扣
一三一
「大坂え致渡海候船々ハ、都て往来手形幷大坂留守居
え之添手形致持参筈候處、往来手形計ニて罷登、或ハ瀬
戸内迄之往来手形ニて登込候船々も有之、間ニハ往来手
形無シニ登込候船々も有之様子相聞候ニ付、寶暦十年辰
二月委ク及達候趣、日帳ニ記有之候」
一於大坂、公義御船借笘屋久兵衛と申者、請込被仰付、諸
廻船、公義御用之節ハ、不及異議借立申由、既ニ御國船
も去秋之比江戸廻り借立可有之哉之積故、其趣大坂より
申来、俄御船印ニも無構直ニ船々二仕懸、往来見届可申
由、御手船之内ニも右之吟味ニ懸り候を、沖船頭其場を
利口ニ申断、一旦相濟候由、右之通ニ付いつれ只今迄之
往来ニてハ相濟不申、此後被相渡候往来ハ、御手船浦船
共被相改、出帆之節々可被相渡候、商賣船・離レ御手船
浦船共ニ、肥後御手船ニ紛無之様、調有之候様ニとの
趣、能々可申達旨ニ付、左様被相心得候様ニ御勘定頭よ
り河尻御町奉行え申向有之、右付て此方よりも御町奉行
え、右之往来當時迄ハ自己より相渡來候へとも、已來ハ
居候者、白木儀右衛門三艘、新大工町善五郎壹艘、合五
艘（数が合わない）ニて、右之趣船持共えも及達候事
右明和二年二月諸達扣日帳
一三二
一御荷船幷浦船、其外借下之船々共ニ、御米積船之儀、
川尻津方より改等不致來候處、以来ハ一通り右津方より
改置、且下着之節ハ、其度々相改申筈候事
一右船々御積米外ハ積廻不申筈候處、船頭共内々ニて、自
分商賣物なと積加候様子ニ相聞、不届之至ニ候、以来若
心得違之者於有之ハ、船頭ハ不及申、船主幷船宿共ニ急
度迷惑可被仰付候
右明和三年十月五ヶ所町え及達候諸願扣
一三三
一町在より参宮等いたし候得共、於小倉宿之儀、當時迄ハ
相對宿仕候由、然處、於彼地村上銀右衛門儀ハ、前々よ
り御用相勤來候處、脇宿いたし候てハ紛敷儀も可有之候
間、向後ハ右銀右衛門宅え致宿、諸事申談候様、尤右之
者共勝手ニ成候様心を付、致世話候様、銀右衛門えも及
達候段夫々相達候事
右明和三年十一月諸達扣
一三四
一河尻町別當共、都て門松を建候由、當町ニ見合候ヘハ不
對ニ候間、今迄相勤居候別當ハ勤中建候儀ハ其通、今度
被申付候別當よりは門松建候儀難叶段、選挙方より申來、
及其達候事
但、今迄之別當、加納孫兵衛・山田甚十郎・山田甚兵
衛、今度申付有之候ハ米屋孫十郎也
右明和五年十二月諸達扣
一三五
一御銀所より相渡候判銀、缺銀等無之候、入念候事ニは候
得共、數多之懸分ニ付、少々宛之達も可有之哉、依之缺
銀候ハヽ、封之儘御銀所え指出候様、兼て相達置候通ニ
候、両替屋共えも追々達置候事ニ付、以来彌以缺銀候ハ
ヽ、封之儘可被指出候、左候ハヽ、御銀所之印ニ不障
様、其包紙ニ銘々印形を加可被指出候
但、寶暦五年亥正月、両替屋中え申渡有之候趣、尚又
此度申渡有之、其書付も及達候事
右之趣、三ヶ所町御奉行え及達候事
右明和五年十二月諸達扣
