熊本地震から間もなく(現在地に移転後)親戚のY氏がわざわざ当家を訪ねてきてくれた。
私の母と、彼の祖母様が従姉妹の関係という縁戚なのだが、長い付き合いである。
奥様も一緒においでいただいたが、奥様のお姉さまが古町の旧中村小児科医院跡にお住まいと聞いて驚いてしまった。
この建物は熊本市の「景観形成建造物・景観重要建造物」に指定されている建物である。
多大な被害をうけ、大掛かりな補修工事が必要だとその時お聞きしたが、今年の夏には解体されてしまったことを知った。
改修費が2億円という金額で、所有者負担が1/3だというから大変なことではある。
まさかこのような事態になるとは思いもよらず、建築を生業としてきた私としては、一度詳細に拝見したいと願っていたのだが、遅きに失してしまった。
こんな現実が続いている地震後の熊本である。大いなるむなしさを感じざるを得ない。