津々堂のたわごと日録

爺様のたわごとは果たして世の中で通用するのか?

■八代朽木家取扱之扣写(三)

2017-12-13 10:48:34 | 徒然

 前回の内匠に対する紫英の書状に対する返書(下書)と思われる。
どうやら定彦順養子の事は、八代・内匠の養父七代・昭直(雄山)からの申し入れによるものらしい。
内匠に異存はなく「内決」したが、肝心の相聟で義兄である定彦の父・昭信(離縁して宇土細川家に帰る)がこれに反対している。(前回書状)
今回書状では内匠は、文中で定彦に殿付しているところを見ると、紫英が定彦の実父・昭信であることを物語っているように思える。
なんとか説得して「定彦順養子」の一件を納得させ、願書を提出したいとの強い想いがつづられている。
 

                       下書
                     此日者御委細之御返書被成下夫々奉拝見候
                     誠厚思召入処乍憚御尤御儀奉存候併
                  
                     順養子之儀ハ何■難奉■
                     尊意思召を奉背猶申上候処重畳候私身分
                     にてハ不幸多罪ニ茂相當可申候得共此節之儀ハ
                     御隠居様ゟも御内意被 仰付候次第茂御座
                     候上私儀茂此間申上候通去年以来能々
                     相考申候處先祖之血脈と申乍恐
                     少将様江茂奉對申候而者是非跡を譲不申
                     候而者私心底何分難相濟其上信記儀ハ
                     先祖ゟ之血脈女系ニ茂無御座候得者節角先祖
                     之血脈之定彦殿幸此家ニ被居事ニ候得ハ
                     是非是ニ跡を譲申候方先祖江對し候而ハ
                     私ニ限り不申子孫之身分之処ニ而ハ孝道ニ
                     相當可申哉と乍憚奉存候
                     守節院様ゟ茂家督之処ハ御断被遊度
                     被思召上候旨御書残被置段御返書ニ
                     相見候得共是者乍恐強而御断被為成候
                     
                     訳相之事ニ而茂有御座間敷哉と乍恐奉存候
                     御書面ニ茂定彦殿事御用ニ相立被申候
                     処御心元なく被思召上家来ニ取■家を
                     納メ被申候事中/\出来兼可申を被思召
                     上候由私拝見及候処ニ手者少茂左様ニ者相見
                     不申■分惣躰之儀茂宜拝見申候 私儀者
                     猶又氣薄生付ニ而御座候得共定彦殿
                     當年之年齢ニ而家督さへも仕當時迄御成
                     ニ相勤居申候事ニ御座候得ハ定彦殿迚茂
                     勿論相勤不申候を申訳茂無御座一旦相勤
                     被申萬々一御見込通ニ相勤不申節ハ跡之処ハ
                     信記■次郎茂居申候事ニ御座候得者とち
                     らにと跡を譲被申候得者何そ跡ニ他家ゟ
                     養子と申候事茂無御座候得者一旦者幸
                     先祖之血筋之定彦殿事に得ハ相勤
                     被申候方宜様乍憚奉存候 此節■而定彦殿

                     氣薄家来御取扱家を納メ被申候事茂出来
                     兼可申と申候処被 仰立候而者先々
                     上ゟ被召仕候と申候而茂御断ニ而茂奉願不申
                     申し候而者相成不申候物之様ニ被存候 代替り之処
                     度々ニ相成候共其身之■■ニ而御座候得者
                     減候共又々本々之様ニ茂返知ニ茂相成候事
                     御座候得者定彦殿万事ニ心を御用信記抔
                     茂文武藝術等出精いたし候ハヽ御知行茂減
                     申間敷奉存候何分ニ茂順養子之処ハ近々ニ
                     取極メ可申奉存候 誠ニ御返書を奉拝見
                     思召を奉背候処返々■■■■不幸ニも
                     相當り可申候得共先祖 御隠居様ニ對し
                     奉り候而者孝道ニ茂相當可申私身ニ而ハ
                     誠以孝不孝と申候処ニ而身分如何可仕様も
                     無御座候得共相考申候処何ニ先祖之血筋を
                     相立候方宜様ニ奉存候 最早兄弟中江茂

                     咄合以川連茂(いずれも)私存念之処同意ニ御座候間
                     何卒近々願書茂差出申度奉存候
                     尚右之段申上候以上
                                朽木
                       四月        内匠

                       紫英様
                     

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

■御恵贈御礼「くまもと創生へのみちしるべ」

2017-12-13 08:51:33 | 書籍・読書

                           テキストブック

 平成天皇のご退位が一年数か月後にせまり、一抹の寂しさと共に若々しい新しい時代への期待が高まる。
熊本は地震から一年八か月がすぎ、復興の槌音があちこちで聞こえまがりなりにも日常が戻りつつある。
熊本のシンボルである熊本城の崩壊は、市民・県民を愕然とさせる出来事であった。我が家が被害を受けているにもかかわらず、天守の無残な姿や、石垣の一本足により立続けるけなげな櫓の姿や、多大な石垣の崩壊を目にして涙したのである。
阿蘇大橋の崩落や山体の崩壊による国道その他の不通、地上に顔を出した断層の不気味な姿、住み慣れた町や村を離れる人たちの涙等、沢山の負の遺産が残された。
熊本史談会のM様から御恵贈給わったこの本は、熊本の新しい時代を創生しようと各界の識者のご提言が盛り込まれている。M様もその御一人だが、まさに熊本創生の牽引者として身体がいくつあっても足らないような活動を続けられている。

ただ一日/\の生活の中に埋没し時間を無為に過ごしている身としては、おおいに敬意を表し拝読したいと思っている。

昨日の熊本史談会の忘年会の席で拝受、その後は談論風発楽しい時間を過ごさせていただいた。感謝。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする