坂本松本屋■無 坂本松本屋
恙手取辺小銃打 恙なく、手取あたりは小銃打
合ノ音アリ蓋城兵 合の音があり、まさしく城兵
脱走スル者ヲ打カ 脱走する者を打つものか?
薩兵三五坂本宅 薩摩兵が三々五々坂本宅
辺伺ヒ徘徊ス脱兵 辺りを伺いながら徘徊している、 脱走兵
ヲ追撃スル者ニ似 追撃するもののようだ
タリ
水前寺ヲ過キ間島 水前寺を過ぎ間島(秋津町秋田)
ニ至ル今日駿蔵長 に至る 今日駿蔵が長
崎より帰ル廿一日夜 崎より帰る 廿一日の夜
茂木ニテ舟ヲ買櫓 茂木(長崎市)にて舟を買い櫓を
三挺ヲ立廿二日八時近 三挺立て廿二日八時に近
津ニ着シ河内葛山 津(松尾町)に着き河内葛山の
荒木ニ休息川床道 荒木(宅?)に休息し川床(河内町岳)の道
家氏ヲ訪ヒ小萩柿 家氏を訪ね小萩(北区貢)から柿 注:この地に道家家のお墓あり
原徳王ヨリ三宮ニ 原(北区花園)さらに徳王から三宮に
一宿シ小関ゟ保田窪 至り一宿 小磧より保田窪
水前寺ヲ過キ間島ニ 水前寺を過ぎ間島に
来ル海辺山中ノ途次 来る、海辺山中の途次
薩兵散入セルヨシ 薩摩兵散入せる由、
道家翁ヨリ余ニ傳 道家氏より私に伝
言シテ曰ク今般有栖 言ありて、今般有栖
川親王征西将軍ノ命ヲ 川親王征西将軍の命を
奉ラレタル寸ハ前知事公 奉じられたる寸(時?)は前知事(細川護久)
或ハ副将軍ニテ旧藩 あるいは副将軍において、旧藩 山縣有朋陸軍中将・川村純義海軍中将
士鎮撫ニ御越シアルヘシ 士の鎮撫にお越し有るべし
御釋退勿論ナルへケレ共 御釋退も勿論申し出なさるべきだが 釈退→不参加の申し出(釈明)
強テ命セラルゝ寸ハ■止 強いて命ぜられたる時は■止
ムヲ得ス従軍アラセラル むをえず従軍なされる
ベシ其節ハ楠公戦死 べし、その節は楠公戦死
ノ覚悟モ可有之■勘 の覚悟もこれあるべく 主命による戦死の覚悟
考有之ヨシ之 お考えこれあること
昨日征西将軍十五 昨日征西将軍十五
大隊ヲ引率シ既ニ三 大隊を引率してすでに三
田ノ駅ニ到着 田(?)の駅に到着