森村誠一氏が亡くなられた。ご冥福をお祈り申し上げる。
そこで本棚に唯一残っている森村作品の珠玉「人間の証明」を読もうと思い至った。
なんべんも読んだ光文社のカッパノベルの「人間の証明」だが、初版は昭和52年(1977)の3月5日私が所持しているのは第45刷でその年の9月26日である。
僅か半年で45刷とは大ヒットの跡が伺えるが、770万部と言うものすごい記録だそうだし、ジョー中山の出演映画も大ヒットしたし彼の主題歌も耳に残っている。
氏は確か前職はホテルマンだったと記憶する。
この小説の書き出しはホテルのエレベーター内での刺殺遺体をエレベーターガールが発見した事からはじまるが、いかにもホテル関係者であったことが伺える綿密な描写が連なる。
20世紀の23年間と21世紀の23年間、世紀をまたいだ今でも心に残る名作だが、映画も改めてみてみたいものだ。
森村誠一氏の細身の端正な顔立ちが思い出される。
今日も暑い一日になりそう。はたして今日一日で読めるかどうか、冷房の下でページをめくっていこう。