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つまりは、自分次第だと…

2024年12月29日 | 読書
 久しぶりの池谷本は新刊。Re101『生成AIと脳 この二つのコラボで人生が変わる』(池谷裕二 扶桑社新書)。本書に人々のAIに対する態度は5つに分類されるとある(今年9月のアンケート結果)。それによれば現在の自分は「5観察派: AIを活用しておらず、様子を窺っている」タイプだ。それゆえに手にした一冊だ。


 予想以上に進化していてビックリ!という高齢者にありがちな感想を持つ。著者の示す例や論理は納得のいいものが多く、例えば、特にAIによるカウンセリング、授業などは今まで信じていた常識を覆すものだった。つまり、「人間味」などという粗い情緒面に対する評価だ。「仕事をする側」の偏見の有無が刺激される。


 「第4章 生成AIが抱える10の問題」では危惧される点が明確に整理されている。総じて思うのは、人間は結局ラクにはならない。新しいテクノロジーで私達が暇になるかと考えれば、明らかなのは「自分の心身に上手く活用できるか」だけだ。それは車だって、ICTだって、AIだって何一つ変わらないではないか。



 これも久々の池田本。Re102『人生は愉快だ』(池田晶子 毎日新聞社)は三章構成で、書き下ろしの第一章は歴史的人物(哲学者、思想家、高僧)の一節を引用し、池田流に解説していく。全く理解不能だが「空海」の箇所で救われる。「意味を捉えるのは理知であるが、音を捉えるのは身体である」。私にとって池田は音だ。


 二章は人生相談?三章は日常生活エッセイ。どちらも月刊誌の連載だったらしい。ここは実に読みやすく。箴言が豊富だ。あえて一つに絞れば「人間は自分の中にないものを、他人の中に見ることはできない」…これは深い。他者を評価する言葉、悪口も誉め言葉も自分にあるからこそ、気付き口に出来るということ。