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桜と絵本と豆乳と

今年の絵本読みは…

2023年12月30日 | 絵本
 今年一年で印象的な絵本を挙げてみるとすれば、まず昨年末に見つけたこの一冊は入る。「まっくろいたちのレストラン」…「恋の絵本」と題されたシリーズだ。展開そのものはありがちだが、冒頭の入り方から細かい点がよく練られている気がした。読んでいて心地よく、そして少し切なく心が動くところが良い。


 次は5月に読んだ「てんてんきょうだい」。内容としては、ひらがなの濁点の学習にぴたりと当てはまる。しかし、それ以上の兄弟のやりとりの台詞を、濁点を効果的に使うことで楽しい作品になった。一年生は、これはもう吸い付けられるような雰囲気で向かえてくれた。シンプルな図柄、最後のオチも決まっていた。


 『2ひきのカエル』は楽しく読めた。PPT化する時に、大判なものだから全文を書き写して調整した。何より写実的な絵が迫力満点だし、双方のカエルの個性が語り口で際立っている。英国製(笑)だけれど、まさに落語調。日本的なオチとはまた違った、納得の収め方をする。新美南吉の同名書と一緒に読みたかった。


 田島征三の『つかまえた』も印象深い。独特のタッチが子どもたちに与えるインパクトは強いと感じた。名作『なまえのないねこ』ネコを扱った数々の作品のなかでも読み応えがあった。「名づけ」について再び思いを巡らせることもできた。こども園でいくつか読んだロングセラー本はみんなそれなりの「力」があった。





 12月に見つけた『ふゆのはなさいた』。こども園には合うだろうと選び、練習中だ。なかなか魅力的だったので、同じ作者をたどっていったら『星につたえて』という一冊を見つけた。久々に「読みたい」気持ちが高まってきた。「ことば」…伝えるべきことは何か、伝える本質とは何か。シンプルな響きが心地よい。




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