すぷりんぐぶろぐ

桜と絵本と豆乳と

握りしめる刀を想う映画

2024年11月16日 | 雑記帳
 映画館へ行くのは、夏前に『碁盤斬り』を観に行って以来だ。その程度の頻度だから、今回は迷ってしまった。結構な話題作が並んでいる。「踊る~~」の室井慎次はTVの予告編で観た気になった(笑)。『八犬伝』は面白そうだし、『碁盤~』の白石和彌監督が撮った『十一人の賊軍』も惹かれるなあ…と思いつつ…


 選んだのは『侍タイムスリッパー』。自主映画のロケ隊が東映京都撮影所を使い撮った作品。昨年京都国際映画祭で取り上げられ、都会での単館上映から話題になり全国拡大開催になって…。なんと大曲イオンでやっているではないか。こういう機会を逃すと観られないだろうからと、朝の最初の回に入ることにした。




 確かに有名な俳優はいない。武士がタイムスリップするという設定や構想自体は以前にあったはずだ。しかし、なかなか物語の筋がよく、喜劇的側面を織り込ませながらも、主人公らの精神性が強く伝わってくるようだった。CGを使わなくとも派手なBGMでなくとも、いや使わないからこそ「映画」らしく思えた。


 タイムスリップできるとすれば…と幼い頃からよく夢想していたが、今はおそらく「過去」志向が強いかもしれない。「未来はとても怖くて…」という思考は、私達自身が作り上げてきたものにほかならない。どのような環境に置かれても生き抜くためには、やはり「侍」の精神か。握りしめる刀はあるかと心に問う。



コメントを投稿