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「今、ここ」で終わるために…

2022年11月17日 | 雑記帳
 暖めておいたわけではないが、ようやく読み聞かせの機会に恵まれた『3つのなぞ』。モニターに絵を映しながら、絵本から書き写した本文を読む形で小学校6年生を相手にした。それなりの回数は読み込んだのでトチリは少なかったが、広めのホールだったので声が届いたかどうか。内容は理解できたとは思うのだが…。



 それにしても…とつい考えたこと。読み聞かせの時に「感想」を子どもたちに求める活動についてである。現役教員の頃から私自身は必要なし派であった。読書するたびに感想文を求めている感じもするし、読んで(聞いて)すぐに反応を求めること自体いかがなものか、と思っている。パターン化に陥っていないか。


 語る立場とすれば、ちょっと余韻に浸ってほしいのが正直なところである。感想を語る活動を設定する多くの学校、教員に立場はおそらく、思いや考えを言語化し表現する活動の一環として捉えているに違いない。まあ低学年であれば、発表の機会を増やすねらいもあるだろう。しかしそれも「面白かった」で結構だ。


 理由付けを必須にする形で進むと、苦痛が伴わないかと年寄は心配になる。(もしかして)楽しみな読み聞かせの時間が、最後に荷が重く終わってしまう。さらに心配なのは、一種の「感想ごっこ」的状態に陥ることだ。これは読み聞かせに限らず、担当者は常に意識すべきこと。建前で終わるならある意味有害である。


 『3つのなぞ』のテーマにつながる「今、ここ」を大切にするとは、聴いた子に感想を求めることか。担任であれば自分の想いやエピソードを語る場合があってもよくないか、などと思いつきで勝手に考える。実は、明日もう一つの学校でも6年生相手に予定していたが感染拡大のため中止。「今、ここ」が一つ消えた。


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