百醜千拙草

何とかやっています

目覚めつつある獅子に向かって吠えることの愚

2010-11-23 | Weblog
あちこちのサイトを伺い見ると、どうもあと一、二ヶ月の間にアメリカで株価が暴落しそうな気配です。ヘッジファンドがどうも足並みそろえて、リーマンショックでbailoutされた金融株を売り始め、金に投資対象を移し出したという話です。つい先週、bailout されたGMが再上場し、上場廃止時、75セントだった株価は、再上場のIPOでは33ドルを付けました。ヘッジファンド(ハゲタカ)どもは、速攻で売って巨額のカネを得たことでしょう。結局bailoutで税金を使って救済した企業を株価がついた時点で売り抜けたという分けですから、ヘッジファンドは税金をだまし取ったようなものです。株価はこのハゲタカどもがほぼ自由に決めているので、株式投資というのはイカサマ賭博そのものといっても良いでしょう。そして、もっと大規模な売りの動きが金融株に起こっているようで、彼らが金融株を放出しだしたということは、まもなくアメリカでの株価が暴落し、それはもちろん世界に広がるので、リーマンの時のような世界的マーケットクラッシュを引き起こすことになる可能性が高いということを意味しているワケです。今回はさすがにおおっぴらなbailoutはないでしょうから、もしこのマーケットクラッシュが起こった際は長引く可能性があります。
 この局面での世界恐慌では、日本は当然、大打撃を受けることになります。まして、まったく戦略もなにもない素人集団の現内閣です。あっちへウロウロこっちへウロウロと沈没寸前の日本丸の甲板の上で自分だけが助かることだけを考えているのだから始末に終えません。
柳田法相の更迭を予算成立の取引に使いたかったようですが、当然ながら頓挫。後釜が、赤い狸の悪徳弁護士なのだから、自体は更に悪くなったと言えるでしょう。法律関係に疎い柳田氏を法相に指名して、機をみて更迭して悪徳弁護士の思う人事に入れ替える、というのはあるいは最初からあったシナリオではないのかと思います。それにしても、この内閣、おそらく史上最低と言ってもよいでしょう。空きカンは、就任時に首相の価値は後になってから判断してもらえば良いみたいなことを言っていましたが、この首相は現時点でも未来永劫に渡っても、最低に近い点しか貰えないでしょうね。「石にかじりついてでも(総理の座を死守したい)」と見苦しいことを言っていましたが、さっさともっと仕事のできる人に変ってもらいたいものです。問題は、最後の切り札、解散をいつ悪徳弁護士が出してくるのかです。カンさん、3年間は解散はしないと言って、一回生議員の歓心を買って、代表選の議員票を集めましたが、そんなできないことを真に受けて寝返った議員も議員です。
 このまま解散、選挙となれば、民主は惨敗、自民が復活、みんなの党が躍進することになりますから、悪徳弁護士は選挙後の連立先の工作成立をやっていることだろうと思います。しかし、民主惨敗が余りにはっきりしているのに、好き好んで民主と手を組もうとする政党はあるのでしょうか。

さて、週末には、大阪、東京渋谷、名古屋で、権力とマスコミの偏向報道に反対する市民デモが行われました。例のごとく、マスコミは黙殺。大阪では約1000人の中高齢者を中心にしたデモが御堂筋で行われました。一方、同日に大阪で行われた、尖閣諸島問題の政府に対応に抗議するデモの方はマスコミも取り上げています。ビデオ公開、中国への毅然とした態度などを訴えたデモのようですが、その中身はどうも、反中、愛国的な感情的なものなようです。人間は感情の動物とは言っても、外国との関係に感情的な行動で対応して良い事は何一つありません。この手の運動は、日中紛争を煽りたい連中にとって、思惑どおりでしょう。だからマスコミも取り上げるのだと思います。

経済危機、高齢化、無能な政府、郵政民営化やTPPという形で仕掛けられる国民の富の詐欺的流出、日本の近未来に明るい話題はありません。そんな中で、反中感情を煽るのは、政府にとってはガス抜き的な一時の効果もあるでしょうし、何より日本の核武装化を本格化したい連中、日中紛争で一儲けしたいアメリカとユダヤ金融にとって都合がよいからだと思います。しかし、日本を武装化し中国との戦争をやっても、一般国民にとっては、何一つ良い事はない、ということを覚えておかねばなりません。外国が異なる常識をもって武装化を進めている中で、日本が軍隊(自衛隊)を持たないという選択はないと思います。核武装もやむを得ないかも知れません。しかし、それは戦争をするために使うのではなく、防衛のための飾りであるべきです。
勧進帳で、源頼朝に狙われる義経と弁慶が奥州へ落ちていく時、山伏に身をやつして関所を抜けようとします。その従者たちは、関所を正面突破する強硬論を主張し、「帯せし太刀は何のため、いつの日にか血を塗らん。関所の番卒、斬り倒し、関を破って通るべし」と言います。それを弁慶が、行く先々に関所は沢山あるのだから、この一つの関を破った所でどうしようもない、とたしなめます。尖閣諸島問題の反中強硬派は、この従者達のようなものでしょう。日本は中国とケンカして勝ち続けることができるのですか?しかもケンカして今回、仮に勝ったとして何か得がありますか?思い浮かびません。尖閣諸島領域には石油資源があるそうですが、掘るのはかなり困難でペイしないという話ですし。
 日本はペリーの黒船以来、力ずくで開国させられ、第二次大戦で力で屈服させられ、軍部は解体され、政府や憲法はGHQによって作られ、徹底的に骨抜きにされました。以後、戦争は誤りだと平和思想を叩き込まれて来た平和ボケの日本が、中国や外国に対して強硬な態度をとれるだけの実力があるのかどうか、考えてみればよいでしょう。
 「兵は不祥の器」です。「安全保障条約」とかいう詐欺から目覚めて自分の責任で国を守れる準備だけはしておかねばなりませんが、それは戦争をするためではなく、あくまで交渉の手段として使わずに取っておくものです。なぜなら、切り札を切ってしまうと、もう後がないからです。中国はもう日清戦争のころの「眠れる豚」ではなく「目覚めつつある獅子」であり、日本こそ日米安全保障条約という役にも立たないオオカミの衣にだまされて、平和ボケしてしまったキツネであることを自覚しなければなりません。
コメント
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