百醜千拙草

何とかやっています

闘いと休息

2012-12-11 | Weblog
先週末、わりと仲のよかった同僚が、グラントが取れずに研究室を去って行きました。グラントのスコアからはもう一度トライすればチャンスはありそうでしたけど、それまでサポートが続かないということで辞めざるを得なくなりました。子育て中の母であるということもあって、次の職は決まっていません。お昼にみんなでレストランで食事をした後、落ち込んだ様子も余りみせずに元気に去って行きました。後片付けをした後のガランとした実験机を見て、寂しい気持ちになりました。こうして研究室からいつの間にか姿が見えなくなった人がこの数年で随分増えました。経済が低迷すると研究職は厳しいです。知り合いの文系の人も、永久職につけている人は全教官の1割ぐらいではないか、殆どが期限付きの契約教官になってしまったと言っていました(その本人も契約教官で二つの大学の講義を掛け持ちしています)。私自身も数年後のことはわかりません。しかし、その時のことをいろいろ心配して現在をムダにするほどバカげたことはありません。過去は過ぎ去り、未来は未だ来らずですから。よく考えて、いま為すべきことをするだけのことです。

その去って行った同僚とのお別れランチをセットしてくれたのは、もう一人の友人ですが、彼女も数ヶ月前にガンが見つかり闘病中です。つらい手術とその後の化学療法を一人で耐えながらも、明るさを失わない彼女の強さに私は心から感心しています。仕事の危機、生命の危機に際しても、彼女らは逃げることも泣くこともせず、前向きに立ち向かっています。生きることは、様々な苦難との闘いとその後の休息の連続なのだなあ、と実感するこの頃です。避けられない苦難であれば闘うしかなく、闘うのであれば、雄々しく闘わねばならない、と思います。どういうわけか、最近の世の中、雄々しく闘っているのは女性ばかりに見えるのですが。

Dave Brubeckが死去とのこと。91歳。正直、「Take Five」以外の曲は知りません。白人のジャズなんて、という偏見もありました。ま、素直に聞けば、悪くないし、スマートでいいです。白人でもビル エバンスとかは私も偏見を持ちながらも昔はよく聞いていました。マイルスデイビスがビルエバンスを雇おうとして、他のバンドメンバーの反対にあったときに、「いいプレイをするヤツなら、肌が緑色のヤツでも雇う」と言ったという有名なエピソードがありますが、本当にその通りですね。音楽は音が全て、研究も中身で勝負です(残念ながら、実際は、中身よりも表紙で評価が随分変ってくるのですけど)

「Take Five」は三拍子と二拍子の複合の五拍子の曲で、素直な和音進行とわかりやすいサビのメロディーで大ヒットしました。
私が若いころわりと好きだった黒人6人の「Take 6」というコーラス グループもありましたが、これが「Take Five」をもじったのかどうか、私は知りません。7拍子の曲でTake Fiveを文字った「Take Seven」という曲を見つけました。

Take five by Dave Brubeck/Paul Desmond

Take 6 Quiet Place

Take Seven (7拍子)

コメント
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