もう気分が悪くなる話はしたくはないのですけど、沖縄基地問題にしても森友問題にしても、人権や憲法といった国民のよりどころであり、国家の守るべき建前であるところのものが、権力側の自己中心的な理由によって蹂躙されているという現実を見ると、黙っているわけにはいきません。
最近のアベ政権や大阪府知事の卑劣さは本当に目に余ります。
週末のニュース。
自民党が森友学園の籠池氏の発言に嘘があったとして「偽証罪」での告発を検討している件について、籠池氏が自民党に抗議文書を送ったことが分かりました。、、、証人喚問後も相次いで自民党議員が籠池氏の発言を「嘘」だと指摘していましたが、これに関して籠池氏は名誉毀損だと激怒しています。抗議書には様々な事実関係も記載されており、森友学園問題を巡って詳細な説明が書いてありました。
相手側のアベ夫人は、暴露された「口利き」の証拠にもかかわらず、証人喚問にも応じず、物的証拠となる携帯電話は水没といい、講演もフェイスブックも突然休止して引きこもっているくせに、偽証罪つきの証人喚問で堂々と証言した籠池氏を国会でヤクザ並みに脅しておいて、証拠も無しに「嘘」と決めつける与党議員、本当にクソです。ま、籠池氏の教育方針や幼稚園の運営など、私は全く賛同できませんけど、この人を詐欺師とか偽証者とかいうのは、かなり的外れでしょう。小学校の建設の悲願のために、政治家に口利きを頼んだの事実でしょう。しかし、無理やり小学校認可の判子、ありえない金額での国有地払い下げの判子を押した人間は、大阪府知事であり財務省の役人です。どうして、この本当の犯人の方をロクに追求しないのか。
大阪府知事に至っては、いわば主犯格でありながら、この責任を逆に籠池氏側になすりつけ、行政調査によって問題が見つかれば告発する、というヤクザっぷりです。この発言の違法性は、郷原信郎弁護士が、そのグログで解説しています。行政調査権限は、「犯罪捜査」のためのものと解してはならない
行政の立入調査が、森友学園の犯罪を明らかにするためであるかのように強調する放送が行われることは、弁護士の立場から見過ごすことができない。
「偽証告発」をめざす動きの異常さ、補助金全額返還後の「告発受理報道」の異常さに加え、大阪府が、「犯罪事実を明らかにするために行政調査に入る」という異常さまで加わる。
日本は、いつから非法治国家、非立憲国家になってしまったのだろうか。
「偽証告発」をめざす動きの異常さ、補助金全額返還後の「告発受理報道」の異常さに加え、大阪府が、「犯罪事実を明らかにするために行政調査に入る」という異常さまで加わる。
日本は、いつから非法治国家、非立憲国家になってしまったのだろうか。
ま、早い話が、権力を持っている側が、その力を不正に使用して、一民間人に罪をすべて押しきさせて、わが身(政権)を守ろうとする卑劣な行為です。判官贔屓というのではなく、これは憲法を無視した権力の人権の蹂躙であり、それ故、それに立ち向かう籠池氏の権利を護り主張していくことは、立憲主義、民主主義を支持する国民の義務ではないかと私は思います。トカゲの尻尾切り、元は同じ穴のムジナとはいうものの、我が身が危ないとなれば、180度の手のひら返し、そして権力を持つ側が力に任せて都合の悪い人間の口封じをしようとしているわけです。この卑劣な政権に、それでもトドメを刺せない民進党も情けない。幹事長と党首を残して新党を作った方がいいのではないでしょうか。
以前、エルサレム賞を受賞した村上春樹さんの「卵と壁」のスピーチを思い出しました。イスラエルのパレステティナへの攻撃のことも少し批判されていましたが、もっと一般化した喩え話をされました。(一部転載)
、、、この場で極めて個人的なメッセージをお話しすることをお許しください。これは私がフィクションを書く間、ずっと心に留めていることです。紙に書いて壁に貼るとか、そういったことではなく、私の心の奥に刻み付けていることがあるのです。それはこういうことです。
「高くて硬い壁と、壁にぶつかって割れてしまう卵があるときには、私は常に卵の側に立つ」
そう、壁がどんな正しかろうとも、その卵がどんな間違っていようとも、私の立ち位置は常に卵の側にあります。何が正しくて何が間違っているか、何かがそれを決めなければならないとしても、それはおそらく時間とか歴史とかいった類のものです。どんな理由があるにせよ、もし壁の側に立って書く作家がいたとしたら、その仕事にどんな価値があるというのでしょう。
この森友事件における卵は、一民間人である「籠池氏」であり、壁は、国家、それから地方行政の権力です。国会という「壁」で囲まれた中で、一人立ち向かった「卵」である籠池氏を、壁は押し潰そうとしています。しかも、壁と卵のどちらが間違っているか、という点において、「壁」(の裏にいる連中)の方の「非」の方がはるかに大きいと判断せざるをえない状況にあるにもかかわらずです。
こういう己の利益のために、権力を不正に利用して、一個人を攻撃してその人権を蹂躙し、トカゲの尻尾切りをして、わが身だけの安寧を守ろうとようとする連中を「卑怯者」という以外に何と呼べばいいのでしょう。