百醜千拙草

何とかやっています

パジャマで学会

2020-09-14 | Weblog
オンライン学会に参加しております。週末は自室で普段着のままです。
オンライン学会、大変すばらしいです。とにかく、飛行機に乗ったりホテルに泊まったりする必要がない、服も着替える必要もない、待ち時間を潰す必要もないし、晩飯をどこで食べるか悩む必要もなく、日常の作業を中断する必要もない、面白くないトークは飛ばしてレコーディングされたものを後から要点を確認すればよいし、ポスターは、うっかり演者と目があったために、つかまって時間が足りなくなる恐れもないし、気に入ったものは邪魔されることなくじっくり見れます。口演はパワーポイントに音声を重ねて事前レコーディングしたものなので英語話者でない人の発表もわかりやすいし、質疑はチャットで時間制限も緩いので、リアル学会より議論も活発となっています。小グループのセッションではZoomを使ってよりinteractiveにと工夫してあります。時間と費用は大きく節約できますし、聞き逃したものも後からチェックできます。同時進行のトークは画面を三つ出して、行ったり来たりしながら、要点だけチェックして、あとでじっくりみることもできます。質疑にしても、同時にインターネットで検索しながら質問したり回答したりすることも可能です。良いことずくめで研究成果のdissemination という点では、リアル学会よりもはるかに優れていると思います。 

唯一の欠点は昔の知り合いとかと直接会って無駄話をする楽しみがないぐらいですけど、ま、それはメールとかSNSでやればいいことですし。コロナが終わって学会がバーチャルでなくなったら、もう学会に行こうという気にならなくなるのではないかと思います。

実際、学術的な情報交換という意味で言えば、すでに学会の役割は非常に小さくなっていると思います。BioRxivなどのPreprintとTwitterで十分です。共同研究者にしても、私は学会で見つけたことはありません。一方で、政治的な意味で学会の存在が必要と思っている人は多いでしょう。研究費獲得のための宣伝活動や、互助会的活動をするのに、サークルを作って活動するのに学会は都合がいいかも知れません。また、日常から離れるという学会出張の意味も結構重要だと思います。

しかし、私は、日常のリズムが崩れるのは好きではないですし、政治活動にも縁がありません。知り合いに会うにはいい機会と思っていますけど、週末を含む数日を潰して、それなりの費用をかけて、飛行機に乗ってホテルに泊まって、という面倒を考えると、マイナスの方が大きいです。リアル学会がなくなると、旅行ビジネスや学会ビジネスでメシを食っている人は困るでしょうけど、おそらく、当の参加者の大多数はこれからも学会はオンラインでやることを要望するだろうと想像します。これは地球環境の点からも歓迎すべきできごとであろうと思います。
コメント
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