百醜千拙草

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コロナ終息への希望

2021-08-06 | Weblog
日本では過去最大のコロナの感染爆発が起きていて、不安が募る一方です。しかし、Johns Hopkins のCOVID dataを眺めていると、希望はもてそうな気がします。サイトのデータから推測すると、あきらかにワクチンが効いているという感じがします。つまり、コロナは非常にタチの悪い致死性の感染を起こすウイルスといういう位置付けから、罹っても死ななくてすむ病気になりつつあるのではないか、という感じがするのです。

例えば、アメリカでは、デルタ株のせいだろうと思いますが、先月から新規感染者が再び上昇に転じはじめました。しかし、感染者数は上昇しているが死亡者数は上昇していないということです。これはワクチン前と明らかにパターンが違います。また、イギリスやワクチン接種をアグレッシブにやったイスラエルやその他のヨーロッパ諸国、メキシコなどでも同様に、新規感染者数と死亡者数の乖離がみられます。これらのデータはおそらくワクチンは感染を完全にはシャットアウトできないが、重症化を防ぐ作用があるということを示唆しているのではないかと思います。

一方、ロシアではSputnik Vを世界に先駆けて射ちはじめたはずなのに、七月前からの新規感染者の急上昇につれ、死亡者数も相関して上昇しています。これは一見、ワクチンが重症化を防ぐという仮説に反するようではあります。ただし、ロシアではワクチン接種率が低く、非ワクチン接種者が感染者の大部分を占めるからではないかと思われます。

なぜロシアの接種率が低いのかは興味深い考察がありました。ワクチンの開発は国家主導で迅速に行えるのだが、それを大量生産して分配するためのシステムがロシアでは脆弱らしく、生産をあげるために中国や他の国のプラントとライセンス生産を模索しているという話があります。思うに、Sputnikはアデノウイルスベクターを使っているので、化学合成できるRNAワクチンよりも生産処理過程が煩雑で非効率なのではないかと想像します。アストラゼネカも確かアデノウイルスだったと思いますが、西側資本主義国家の製薬会社では、多分ウイルスベクターの生産ラインは以前から確立していたのではないでしょうか。

日本では過去最高の一日あたり新規感染者数になっていますが、死亡者数の上昇は今回は見られていないようです。これもワクチンの効果であればいいのですけど、ひょっとしたら医療崩壊で入院できずに自宅で放置されて死亡するのでコロナ死とカウントされないのだったら怖いです。

想像の通りであるとすると、ワクチンの大規模で長期的な接種プログラムの計画と実施が、コロナ禍の終息を決定するのではないだろうかと思います。

振り返れば、医学研究面で、この2年弱の間になされたコロナ終息のための集合的努力は素晴らしいものでした。それと同時に、このような世界的な厄災に際すると、政治的に優れた国と全くダメな国がはっきりするものだなあ、と嘆息するのでした。
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