百醜千拙草

何とかやっています

権力闘争と消費税

2022-07-29 | Weblog
統一教会で埋め尽くされたツイッターは終わるところを知らず、おかげで参院選前から随分長らく政治関係の話題になってしまいました。今後はこの手の話を減らしたいと思っておりますが、その前に、ちょっと前に消費税と派閥の話をしたので、今後、キシダ内閣が転覆することなく継続した場合に何が起こるだろうと考えたので書いておきたいと思います。もちろん、予測などというものは意外な形で裏切られるもので、だから世の中は面白いとも言えます。

結局、日本の政治というのは、国民と国のために行うべきことでありますが、政治家自身の権力闘争がほとんど全てです。だいたいエゴが大きく権力や金銭欲が強い人間が集っていますからそうなります。与党においては権力闘争に勝利するために起こるさまざまな策略が政権人事や政策を決めていると言っても過言ではありますまい。そのような、山本太郎が言うところの「永田町の論理」は本来の民主主義国家で論理的になされる国家運営とは程遠いものであり、論理というよりむしろ不条理そのものとさえ言えます。永田町界隈に詳しい記者や評論家はそうした視点からも、今後の政治を予測するわけで、今回はその辺を含めて床屋政談をやってみたいと思います。

納税は憲法で定められた国民の義務ではありますが、国が徴税する目的は、財源のためではない、という話を参院選前にしました。お浚いすると、徴税の目的は、景気の安定化、経済格差の是正、政策的目的(例えば喫煙率を低下を目的に煙草の効率な税金をかけるなど)、そして通貨の固定、です。「徴税によって財源ができて国民サービスが行われている」という概念を国民が信じてくれることによって、本来、口座のタダの数字であったり、紙切れに過ぎない日銀券に一定の価値と信用が維持できます。

ま、こういう回りくどい話をせずとも、実際に「金」は「力」であることを皆が知っています。札束を積めば、多くの場合他人を服従させることができます。選挙前にばら撒けば有権者の投票行動を変えることもできるし、政治家に献金すればカルト宗教の広告もやらせることができる。「金」が「力」であるが故に、金をコントロールできるものが支配者となる世の中です。

なぜ、大手新聞が与党の批判をしないのか、それは電通を通じて入ってくる政府広報などの政権が流してくれる「金」でしょう?なぜ、大手新聞がカルト宗教団体の批判を控えるのか、それも彼らからの広告収入という「金」でしょう?

その「金」のパワーを高めるためには、「金」の希少性を保つことが必要です。
国は、金の希少性を保つために徴税をします。消費税の増税というのは基本的にそのために行われていると考えてよいでしょう。徴税によって通貨の流通を減らし、金のパワーを上げる。金のパワーが上がれば、人間も含めた「もの」の価値が相対的に下がるのです。それが日本の不況の元凶と言ってよいでしょう。「もの」やサービスを作り出すのは国民であり、金を増やしたり(徴税によって)減らしたりしているのは国です。金のパワーが上がって嬉しいのは国、悲しいのは国民です。その国の中でも、金のパワーを最も濫用しているのが財務省と言えます。財務省は各省の予算を通じて、政府内で大きな権力を持っています。その権力のためには金のパワーが大きい方が都合が良い、それが、財務省がさまざまな屁理屈(国の借金とか社会保障財源とかプライマリーバランスがどうとか)を捏ねては、国民生活を破壊しながらも、消費税を増税し、緊縮財政を敷く主な理由であると思います。

この緊縮財政を続けたい財務省、は、菅、野田の政権時代に民主党まで巻き込んで消費税増税を決めました。まさにその理由で、立憲民民主は、れいわや共産党の様には、消費税の減税をあまり声高く言えないのです。日本経済を破壊してきたのが、悪税である「消費税」であるとわかっていても、過去のこの三党合意のために、思い切って動けない、この点によってこの党には未来がないと私は断じざるを得ないです。

さて、55年体制時、自民党は与党であり続け、常に政策をコントロールする側でした。しかし政策は官僚に丸投げ、やっていたことは党内派閥争いです、それが最も激しかった角福戦争などは朧げに覚えております。その福田派を起源とする派閥が安倍の属する清和会でした。この派閥は、ここまで日本政府内のアメリカ代理人として働いてきました。話によると、安倍はサクラのほとぼりが冷めてから3期目をやるつもりで、後継者をわざと育ててこなかったために、安倍の死後、清和会は烏合の衆という様相となり、慌ててブリンケン国務大臣が来日して、次の後継者としてとりあえず宏池会系のキシダにつないだと考えられています。宏池会系といえば麻生です。この人は、安倍という清和会のリーダーがいなくなったために、堂々とキシダとタッグを組み、宏池会系の再結集を図ると予想されています。清和会はアメリカに見放され、親分を失って壊滅、そして麻生・岸田を中心に「大宏池会」構想が復活し、自民党で最大権力を持つ派閥になるのではないか、という憶測です。こういう自民党内の権力バランスの変化が、政策にどう影響するかというのが今回のテーマです。長い前置きでしたが結論はシンプル。知られている通り、麻生は非常に財務省に近いわけです。そして、改憲という面倒ごとには統一教会の安倍ほど熱心ではないでしょうから、おそらく消費税増税に政権のプライオリティーは置かれ、改憲は頓挫するであろうと思われます。

ま、その前に国葬でやらかしたキシダの支持率が急降下して、統一教会で火だるまになって政権がコケるという可能性もゼロではないと思いますが。
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