百醜千拙草

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プロパガンダ

2025-02-11 | Weblog
先週は、「ガザをアメリカが保有して再開発する」とふざけたことを言い放ち、世界中から批判を浴びたトランプ。義理の息子にうってつけのプロジェクトだと思ったのかも知れませんが、思い付きのヨタ話を平気で公言するこの男の浅薄さには呆れ果てます。

ネタニヤフにしてもトランプにしても、選挙で選ばれた首相であり大統領だというのが信じられません。それが国民のレベルの表れで、民意なのだと言われたら仕方ありませんが、トランプが大統領になるような民主主義(衆愚政治)と、賢人が導く独裁国家なら後者の方がマシでしょう。ま、そもそもギリシャの時代から独裁は民主主義制から生まれるわけですが。

どんな職業にも遂行に必要な知識、技能や判断力が必要とされます。それらを満たさないものはその職につくべきではないと思います。強大な権力が託される大統領にも最低限の資格試験を科するべきでしょう。まして、この男は重犯罪人です。プラトンもかつて、「民主制国家は、政治活動をする者が、どのような仕事や生き方をしてきた人であろうと一向に気にも留められず、ただ人気さえあれば、権力が与えられる所だ」と皮肉っております。能力も資格もないのに煽動と人気取りだけは上手いこの男が大統領というのは、目立ちたがりの無免許暴走族に大型バスを運転させるようなものです。



George Gallowayも、トランプの「アメリカのガザ保有」発言には、呆れて「トランプも老人ボケになりつつあるのではないか」とコメントしています。無論、当事者のパレスティナ人とハマスと国際社会は激怒。

、、、ずる賢い邪悪なネタニヤフが、愚かなトランプを操っているのだろう。これを言うのは初めてだが言わせて欲しい。(私やバイデンもそうで)楽しい話ではないのだが、トランプは老化し耄碌してきているのではないか、と思い始めている」

このトランプの米のガザ保有発言について、質問を受けた国連の法律家のFrancesca Albaneseは、失笑しながら、「全くのナンセンスで、ジェノサイドより悪い」とコメント。


、、、ああ、トランプ大統領、、、どこから始めればいいのでしょう、、、端的に答えると、トランプのガザ再建は「全くのナンセンス」です。第一に、それは違法です。民族浄化よりもひどい。それは強制移住を強いることであり、国際犯罪です。、、、、、違法で、非倫理的であり、完全に無責任。、、、パレスティナ人以外の誰もどのようにガザを再建すべきかなど指図する権利はない。、、、

ま、アメリカもイスラエルも国際法や人権など屁とも思っていないわけですが。

ガザのリビエラ計画については、思うに、トランプは不動産事業の良いプロジェクトぐらいに思っただけなのでしょう。国際法や人権や国際社会の受け止め、パレスティナの苦難の歴史などの諸事情に思いを巡らせることができるような思考力はこの男にはないのです。自分の利害と「取引」の損得でしか物事を考えられない俗物中の俗物。この男に善意や誠意、高潔さ、公正さや思いやりは期待すべくもありません。しかし、一方で、大統領という権力を振り回す忖度ないキチガイぶりが、ひょっとしたら意図せぬマグレ当たりで、従来の”Deep State"による支配構造を掻き回すこともできるのではないか、とも思うわけです。

それにしても、こんな信用できない男にわざわざホワイトハウスまでノコノコ出向いて、多額の経済投資を約束してきた石破。五人に一人が貧困という日本で、給料だけでも年に何千万円と税金から支払ってもらっている立場でありながら、$1 Trillion(15兆円)の米国への投資を約束した石破。この男も自己保身以外の何も考えてないのでしょう、アメリカへの絶対服従という自民党歴代首相の脳死したパブロフ犬ぶりはもはや伝統技能の域です。NHKは、今回のトランプ政権が始まってからのホワイトハウスで外国の要人との会談は、石破で二人目、とまるで自慢するかのように報道していましたが、一人目は、あの世界で最も嫌われている戦争犯罪人、ネタニヤフ、つまりトランプのご主人様、そして二人目はトランプの下僕、石破だったという話。トランプにとっては、一人目は命令を受けるだけ、二人目は命令するだけ、の簡単なお仕事。ネタニヤフはアメリカに大金を払わせ、石破はアメリカに大金を払わされる、日本国民は石破に搾り取られ、そうしてパレスティナ人は殺される。

さて、それから、先週は、ウクライナ戦争に関して、トランプの和平計画がリークされたとの報道がありました。トランプがプーチンと電話会談をしたというニュースもありました。ウクライナ問題など、トランプも自らに直接利害関係がないことに関しては普通の判断はできるのかも知れません。
その解説図が下のツイート。

ま、しばらく前に予想した通りですが、ロシアがロシア系住民の住む東部州とクリミアを支配し、キエフは中立を宣言する、これが現時点で考えられるベストの妥協案でしょう。というより、これ以外の案ではロシアは納得しないでしょう。事実、この案は、戦争開始一ヶ月後の2022年の3月のイスタンブールでの交渉でウクライナが提案した和平案に極めて近いものでした。この案にロシア側には不満はなかったでしょう。この時点で交渉がまとまっていれば、多くのウクライナ人が死ぬことはなかったと思います。交渉をぶち壊したのはアメリカとNATOの意を受けてキエフを電撃訪問したボリス ジョンソンでした。

いずれにせよ、アメリカのネオコンと軍産の手先に担がれ、使われたゼレンスキー本人にとっては完全敗北。Black Rockは、この戦争でボロ儲けした上に借金のカタにウクライナの農地を手に入れて一人勝ち。そのツケを払わされたのは一般ウクライナ国民。

悪質だなと思うのは、マスメディア。いまだに、「プーチンはヒトラーのように領土を拡大しようと西側に侵攻しようとしている」とロシアに対する恐怖と反感を煽り、ウクライナ人が総玉砕するまで戦わせて、ロシアを悪者に仕立てて、ウクライナをとことん利用しようとしているようです。西側マスメディアはほぼ全てがアメリカの支配下にあり、日本も含む西側の世論醸成を図っております。アメリカにとって都合の悪いロシア側の主張や公式文書が西側メディアにそのまま流れることはありません。西側のプロパガンダに関しては、昨年のTucker Carlsonのプーチンへのインタビューでプーチンは下のように言っています。


(おそらく、ノルド ストリーム 2パイプラインが爆破されたことに関して)
カールソン「NATOやCIAの仕業であるという証拠があるのに、どうして、それを発表して世論を味方につけないですか?」
プーチン 「(苦笑いしながら)プロパガンダの世界でアメリカに勝つというのはとても困難なのだ、なぜならアメリカは世界のメディアと多くのヨーロッパのメディアをコントロールしているからだ。ヨーロッパのメディアの最大の受益者はアメリカの金融機関なのだ。知っていたかね?だから、プロパガンダ戦争に進むことは可能ではあるが、コストに釣り合わないのだ。我々は単に我々の情報の元を照らし出すことはできるわけが、それは結果に繋がらない、、、」

知らない人ほどプロパガンダに乗せられて「知っている」と思い込む。そうした人々によって、ソクラテスは死刑となり、大本営発表を真に受けた日本国民の多くは無条件降伏の直前まで日本の勝利を信じ、最近の選挙ではSNSの陰謀論に引っかかってとんでもない候補が票を集めたりしたわけです。歴史は繰り返し、民主主義の名の元にヒトラーやネタニヤフやトランプのような失格者が権力を握ることになり、多くの人々が殺されることになりました。これは今後AIの世の中になるとより悪くなるでしょう、AIは真実よりはプロパガンダをより多く汲み取って増幅させるでしょうから。
コメント
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