おひとり奈良の旅 (知恵の森文庫)もりき あや光文社このアイテムの詳細を見る |
とても面白くて役に立つ本を読んだ。もりき あや著『おひとり奈良の旅』(光文社知恵の森文庫)700円である。帯にあるとおり《こんなガイドが欲しかった! 歴史めぐり、仏像、グルメ…… 生粋の奈良人がおすすめする 旅を120%楽しむ歩き方》という本である。まさに「巻(かん)を措(お)く能(あた)わず 」の面白さだった。
版元の紹介文には《古都・奈良。遷都1300年祭のにぎわいを一歩離れれば、ひそやかで奥深い、温かい魅力が顔を出す。世界遺産の穴場スポット、仏像、古墳の散歩道、地元の人御用達のグルメから宿、人とのふれあい――。奈良生まれ、奈良育ちの著者が各地を飛び回り新たに取材。その魅力を存分に紹介する。ひとり旅、思い立ったらぜひ奈良へ。どこまでも広い空が、あなたを待っている》とある。
薬師寺西塔(4/8撮影)
著者は《1978年、奈良県生まれ。“奈良の文化が好きで奈良に嫁いだ母”の影響を多分に受けて育つ。奈良市内の幼稚園~高校を経て、奈良女子大学理学部卒業後、地元雑誌の編集者に。その場所や店、料理、モノの向こうにいる“人”を意識することを信条とし、3年の間、企画・取材・執筆・編集に携わる。現在は社団法人ソーシャル・サイエンス・ラボの研究員として、市民団体の支援や企画提案をしている》。
1978年といえば、私が就職して奈良県に住み始めた年である。この本には、32年間奈良に住んでいる私が行ったことのないお店や、知らなかった歴史的事実が詳しく、面白く紹介されていて、全く驚いてしまう。
秋篠寺本堂(8/4撮影)
目次は《第1章 奈良っていったいどんなとこ?;第2章 世界遺産を巡ろう;第3章 とっておきの古刹へ;第4章 もいちど来た時の穴場コース;第5章 おひとりごはん・美味しいおみやげ;第6章 奈良ひとり泊まり;第7章 夢のプラン、7泊8日!》。第2~4章には名所旧跡の見どころが、うまくポイントを突いて分かりやすく掲載されているし、第5章では、穴場のグルメスポットが惜しげもなく披露されている。
旬彩 ひよりのランチ(8/18撮影)
グルメスポットには、私の好きな「旬彩 ひより」「粟 ならまち店」「ヒサゴ屋」などが登場する。「うーん、こんな紹介の仕方があったのか」と感心するような、上手い書きっぷりである。当記事冒頭のAmazonのサイトでは「なか見!検索」ができるので、ぜひ内容の一端をご覧いただきたい。
※旬彩 ひより(当ブログ内)
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/b878f64ebf6d67cec27b5eb166bfbd55
※粟 ならまち店(同)
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/ee42679fb5112ad0b1e1c66cdfef264b
※ヒサゴ屋(同)
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/d16ec12336ccbe5f3dc40bb1fba80d59
タイトルに『おひとり…』とあるが、1人旅用の本というのではなく、この本さえあれば、1人でも奈良旅を楽しめる、という意味である。まるでタウン誌のようにナマの情報が満載されているので、版を重ねる都度、内容をアップデートしなけれぱならないだろうが、著者はぜひ手間を惜しまず、やり遂げていただきたいと思う。皆さん、ぜひこの本を片手に、奈良の旅を楽しんで下さい!