tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

朴葉すし(柳生 久保田亭)

2011年04月01日 | グルメガイド
素朴な「奈良のうまいもの」を発見した。「山菜料理 久保田亭」(奈良市柳生町329-1)の「朴葉(ほおば)すし」である。JAアンテナショップで、1パック3個入りで600円のところ、賞味期限が迫っていたので半額になっていた。で、思わず飛びついて買ってしまった。家に買って開けてビックリ、写真のような具だくさんの寿司だった。早速いただいたところ、ご飯の酢加減が絶妙で、具との相性も抜群、とても美味しいお寿司だった(3個とも鮭は共通だが、他の具は少し変えてあった)。イマ風にいうと、「海鮮ちらし寿司」を朴葉でくるんだ「昔のごちそう」(=晴れ食)というところか。


私が買った久保田亭の朴葉すし。トップ写真は「食べログ」から拝借

奈良県で朴の葉寿司というと、柿の葉寿司の葉っぱを朴の葉に取り替えたものだ。「奈良のうまいもの」のHP(県農林部)によると《柿の葉寿司・朴の葉(ほうのは)寿司 柿の葉でひとくち大のさば寿司を包んで押した夏祭りのごちそうです。江戸時代の中頃、高い年貢を課せられた紀州(和歌山県)の漁師が、金の捻出のため、熊野灘でとれた夏さばを塩でしめ、峠越えして吉野川筋の村へ売りに出かけたところ、おりしも吉野川筋の村々の夏祭りと重なり、以来、夏祭りのごちそうとしてふるまわれたという言い伝えがあります。柿の葉は、タンニンが多く緑色があざやかな渋柿の葉が使われます。東吉野地域では、山に自生している朴の葉を柿の葉のかわりに使い「朴の葉ずし」を作ります》。


民宿あおば(奈良県吉野郡天川村)の朴の葉寿司

よく送っていただく天川村・民宿あおばの朴の葉寿司も、そういう寿司だった。しかし、柳生の朴葉寿しは、これとは違っていた。急いでWikipediaで検索すると《朴葉寿司(ほおばずし)は岐阜県の飛騨地方の南部から東濃・中濃地方、長野県木曽地方の郷土料理。奈良県の吉野地方でも作られている》とあり、岐阜県が本場のようだ。


かねいま食品(岐阜県中津川市)が販売している朴葉寿司。同社のHPより拝借

東濃地方出身者が作られた朴葉寿司の写真が載っていて、説明文には《酢飯に鮭・きゃらぶき・刻んだ漬物・椎茸の甘露煮・あさりのしぐれ煮・錦糸卵・紅ショウガ・しその実が乗っている》とある。してみると、久保田亭の朴葉寿しは、本場・岐阜県のレシピに基づいて作られたもののようだ。これがお店のオリジナルなのか、柳生の郷土料理なのかは判然としない。ご存じの方があればぜひご教示いただきたいのだが。


朴葉すし(久保田亭)のパッケージ

過去にNHKの「ぐるっと旅げーしょん かんさい街道ぶらり旅~奈良・柳生街道~」(09.11.21)でも紹介されたようで、番組のサイトに情報が出ていた。《柳生名物「朴葉すし」がいただける民宿『久保田亭』奈良市柳生町325 TEL:0742-94-0012【営業時間】9:00~17:00※朴葉すし 600円》。

3個いただくと、結構お腹は一杯になる。また食べたいので、JAアンテナショップを訪ねることにしたい(毎日は売っていないのかも知れないが…)。「地方発送承ります」とあるので、遠方の皆さんは、ぜひご利用いただきたい。
コメント (4)
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