前回(5/8)のNHK大河ドラマ「真田丸」は、「第18回上洛」だった。信繁(幸村)はすでに上洛しているので、これは父・昌幸のことである。NHKのHP「あらすじ」によると、
家康が上洛したことで、ついに昌幸も秀吉に臣従することをようやく決意する。戦国武将として実力で生き抜いてきたプライドを抑えて渋々上洛した昌幸を軽く扱う秀吉。昌幸が隙あらば秀吉をを攻めるつもりだと察した信繁は、父の無念な思いを晴らすため秀吉に直談判する。一方、苦い上洛を果たした昌幸と信幸には、その苦労を一気に忘れさせる、嬉しい再会が待っていた。
前回の放送はゴールデンウィークの最終日だったことも幸いしてか、なんと視聴率は19.1%だった!スポニチのニュースサイトによると、
俳優の堺雅人(42)が主演を務めるNHK大河ドラマ「真田丸」(日曜後8・00)の第18話が8日に放送され、平均視聴率は19・1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)だったことが9日、分かった。第17話の17・0%から2・1ポイント上昇。ゴールデンウイーク最終日に数字を伸ばした。19・1%は好発進した初回の19・9%、3年ぶりのNHK大河ドラマの20%超えとなった第2話20・1%に次ぐ高数値。
今回は信繁の祖母・とり(草笛光子)と、姉・松(木村佳乃)、そして千利休(桂文枝)がいい味を出していた。「ホームドラマ」と陰口をたたかれることもあるが、このようなシーンをちゃんと入れるところ、やはり三谷幸喜の脚本はすごい。
秀吉から促されても、慎重な昌幸はなかなか上洛しようとしない。最後は母・とりに相談する。母は、ウソでもいいから頭を下げて下手に出よ、そして秀吉の勢いに陰りが見えたら寝首をかけ、とアドバイスする。これで吹っ切れた昌幸は上洛を決意した。
昌幸はたくさんの献上品を持参するが、「臭い」などといってケチをつける石田三成(山本耕史)の態度が「いかにも」という感じだ。山本耕史の三成は、まさにはまり役だ。松が記憶を取り戻すシーンは、昌幸一家の温かい絆を感じさせてくれた。
最後になって、家康の与力(家来ではなく協力者)となった昌幸の前で高笑いする家康、悔しさを顔に出す昌幸のシーンが印象的だった。まぁ、家康はあそこまで単純な男ではなかっただろうが…。では最後に、戦国通・藤丸タダアキさんの感想を彼のブログから紹介しておく。今回もいいところを突いている。
真田昌幸の上洛が今回の主題でした。真田昌幸は、武田家の重臣でした。つまり家来でした。それが、上杉→北条→徳川→上杉と上司を替えます。そして、豊臣へ鞍替えします。ただし、昌幸は独自に所領を持っています。その所領を守ってくれる人を探しています。つまり、現代社会の上司と部下ではないんですね。より大きな取引先を探して会社存続を目指すような感じでしょうか。
昌幸は上洛に対してかなり悩んでいるような感じでした。おそらく、当時のほとんどの諸大名は上洛という行為に不審を持っていたでしょう。そこは戦国の世、下剋上の世です。騙された方が悪いという社会ですね。上洛して殺されてしまえばどうしようもない。そう思う諸大名は多かったでしょう。
それまでにない統一社会へ参加するストレスは学生が社会人になる時に感じるストレスと同じでしょうか。そのストレスは思わぬ方向に進んでいくものです。本当は同じような考えだったのに、その流れに参加できずに消えて行く…。じっさいに上洛せずに戦争を続けて征伐された大名も存在します。
献上品の品定めがありました。都に流通している物に勝る地方の物とは難しいですね。同じように四国を制覇した長宗我部元親にも献上品の逸話があります。元親は四国きっての土産物を揃えました。関わらず、大阪に着くとそれがみじめに見えたそうです。しかし、捨てるわけにもいかず、献上したそうです。
片桐且元が石田三成に従っている様がちょっと理解できません。立場的には同僚のはずだと思います。このあたりが少しわからない感覚です。
さて、始めの拝謁は秀吉の甥の秀次でした。実際のことは文献を見ていないのでわかりません。しかし、私の印象をいうと秀吉は昌幸を優遇したと思います。秀吉が負けた家康を打ち負かした昌幸です。豊臣家にとっていざというときの仮想敵は徳川家でした。そんな時、一敗している秀吉にとって昌幸の存在は大きいでしょう。実際に、豊臣家の危機、関ケ原・大阪の役と真田家は大活躍しています。
信繁は茶々(淀君)にお願いをして、秀吉に拝謁します。信繁と茶々の関係は大坂の陣の時にはもう最悪の関係だったはずです。実際に茶々は信繁の提案をすべて棄却しました。今後、どうドラマを作っていくのでしょうか。
そして、記憶を失った姉が出てきました。実話か疑わしいです。しかし、2年ぐらい行方不明になっていたという話もあるようですね。松(木村佳乃)は、村松殿といい一族の中でも尊敬された女性だったそうです。信繁の晩年、大阪城に籠る信繁によく手紙を送っていたそうです。信繁が可哀そうと泣いていたといわれています。記憶を取り戻す瞬間がぎこちなく見えました。
昌幸・信幸・信繁は徳川に挨拶に行きます。ここでいう与力とは臣従ではありません。戦時に指揮下に入って共に戦います。これはこの時代極めて常識的なことです。ただし、この後に起こる北条征伐では真田は北陸勢に加わります。なので、結局家康の指揮下には入らなかったのではないでしょうか。
何度も書きますが、家康の扱いが酷いです…。家康はこの挨拶の時も極めて常識的に相手をしたのではないでしょうか。家康という人物はこの時代最も妥当な人物として、最も人望の集まった人です。おおよそ面白味のない人だったとは思います。しかし、信長の辛辣さもなく、秀吉の無茶もない。歴史の大きな転換期に家康という極めて妥当な人物が出てきました。そのことが実際には平和な江戸時代に向った大きな要因だったのではないでしょうか。
大河ドラマ真田丸は、この後、信幸・信繁共に、政略結婚が近づいてきます。次回も楽しみですね。
家康が上洛したことで、ついに昌幸も秀吉に臣従することをようやく決意する。戦国武将として実力で生き抜いてきたプライドを抑えて渋々上洛した昌幸を軽く扱う秀吉。昌幸が隙あらば秀吉をを攻めるつもりだと察した信繁は、父の無念な思いを晴らすため秀吉に直談判する。一方、苦い上洛を果たした昌幸と信幸には、その苦労を一気に忘れさせる、嬉しい再会が待っていた。
前回の放送はゴールデンウィークの最終日だったことも幸いしてか、なんと視聴率は19.1%だった!スポニチのニュースサイトによると、
俳優の堺雅人(42)が主演を務めるNHK大河ドラマ「真田丸」(日曜後8・00)の第18話が8日に放送され、平均視聴率は19・1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)だったことが9日、分かった。第17話の17・0%から2・1ポイント上昇。ゴールデンウイーク最終日に数字を伸ばした。19・1%は好発進した初回の19・9%、3年ぶりのNHK大河ドラマの20%超えとなった第2話20・1%に次ぐ高数値。
今回は信繁の祖母・とり(草笛光子)と、姉・松(木村佳乃)、そして千利休(桂文枝)がいい味を出していた。「ホームドラマ」と陰口をたたかれることもあるが、このようなシーンをちゃんと入れるところ、やはり三谷幸喜の脚本はすごい。
秀吉から促されても、慎重な昌幸はなかなか上洛しようとしない。最後は母・とりに相談する。母は、ウソでもいいから頭を下げて下手に出よ、そして秀吉の勢いに陰りが見えたら寝首をかけ、とアドバイスする。これで吹っ切れた昌幸は上洛を決意した。
昌幸はたくさんの献上品を持参するが、「臭い」などといってケチをつける石田三成(山本耕史)の態度が「いかにも」という感じだ。山本耕史の三成は、まさにはまり役だ。松が記憶を取り戻すシーンは、昌幸一家の温かい絆を感じさせてくれた。
最後になって、家康の与力(家来ではなく協力者)となった昌幸の前で高笑いする家康、悔しさを顔に出す昌幸のシーンが印象的だった。まぁ、家康はあそこまで単純な男ではなかっただろうが…。では最後に、戦国通・藤丸タダアキさんの感想を彼のブログから紹介しておく。今回もいいところを突いている。
真田昌幸の上洛が今回の主題でした。真田昌幸は、武田家の重臣でした。つまり家来でした。それが、上杉→北条→徳川→上杉と上司を替えます。そして、豊臣へ鞍替えします。ただし、昌幸は独自に所領を持っています。その所領を守ってくれる人を探しています。つまり、現代社会の上司と部下ではないんですね。より大きな取引先を探して会社存続を目指すような感じでしょうか。
昌幸は上洛に対してかなり悩んでいるような感じでした。おそらく、当時のほとんどの諸大名は上洛という行為に不審を持っていたでしょう。そこは戦国の世、下剋上の世です。騙された方が悪いという社会ですね。上洛して殺されてしまえばどうしようもない。そう思う諸大名は多かったでしょう。
それまでにない統一社会へ参加するストレスは学生が社会人になる時に感じるストレスと同じでしょうか。そのストレスは思わぬ方向に進んでいくものです。本当は同じような考えだったのに、その流れに参加できずに消えて行く…。じっさいに上洛せずに戦争を続けて征伐された大名も存在します。
献上品の品定めがありました。都に流通している物に勝る地方の物とは難しいですね。同じように四国を制覇した長宗我部元親にも献上品の逸話があります。元親は四国きっての土産物を揃えました。関わらず、大阪に着くとそれがみじめに見えたそうです。しかし、捨てるわけにもいかず、献上したそうです。
片桐且元が石田三成に従っている様がちょっと理解できません。立場的には同僚のはずだと思います。このあたりが少しわからない感覚です。
さて、始めの拝謁は秀吉の甥の秀次でした。実際のことは文献を見ていないのでわかりません。しかし、私の印象をいうと秀吉は昌幸を優遇したと思います。秀吉が負けた家康を打ち負かした昌幸です。豊臣家にとっていざというときの仮想敵は徳川家でした。そんな時、一敗している秀吉にとって昌幸の存在は大きいでしょう。実際に、豊臣家の危機、関ケ原・大阪の役と真田家は大活躍しています。
信繁は茶々(淀君)にお願いをして、秀吉に拝謁します。信繁と茶々の関係は大坂の陣の時にはもう最悪の関係だったはずです。実際に茶々は信繁の提案をすべて棄却しました。今後、どうドラマを作っていくのでしょうか。
そして、記憶を失った姉が出てきました。実話か疑わしいです。しかし、2年ぐらい行方不明になっていたという話もあるようですね。松(木村佳乃)は、村松殿といい一族の中でも尊敬された女性だったそうです。信繁の晩年、大阪城に籠る信繁によく手紙を送っていたそうです。信繁が可哀そうと泣いていたといわれています。記憶を取り戻す瞬間がぎこちなく見えました。
昌幸・信幸・信繁は徳川に挨拶に行きます。ここでいう与力とは臣従ではありません。戦時に指揮下に入って共に戦います。これはこの時代極めて常識的なことです。ただし、この後に起こる北条征伐では真田は北陸勢に加わります。なので、結局家康の指揮下には入らなかったのではないでしょうか。
何度も書きますが、家康の扱いが酷いです…。家康はこの挨拶の時も極めて常識的に相手をしたのではないでしょうか。家康という人物はこの時代最も妥当な人物として、最も人望の集まった人です。おおよそ面白味のない人だったとは思います。しかし、信長の辛辣さもなく、秀吉の無茶もない。歴史の大きな転換期に家康という極めて妥当な人物が出てきました。そのことが実際には平和な江戸時代に向った大きな要因だったのではないでしょうか。
大河ドラマ真田丸は、この後、信幸・信繁共に、政略結婚が近づいてきます。次回も楽しみですね。