稗田阿礼をお祀りする大和郡山市稗田(ひえだ)町の賣太(めた)神社では、毎年8月16日に「阿礼祭」が執り行われる。小野久仁子著『きょうの奈良』(紫紅社刊)の「阿礼祭 売太神社」によると、
※トップの動画は、大和郡山市が制作
きょうの奈良―まほろばの国の三六五日 | |
小野久仁子 | |
紫紅社 |
「人となり聡明にして、目に度(わた)れば口に誦(よ)み、耳に払(ふ)るれば心に勒(しる)す」ほど記憶力にすぐれた稗田阿礼は、天武天皇の舎人(とねり)であった。天皇の命により「帝皇日継(ていおうひつぎ)」と「先代旧辞(くじ)」を暗記した阿礼の口述を、元明天皇の勅により太安万侶(おおのやすまろ)が筆録して、和銅五年(712)に古事記三巻が成立した。阿礼を祭神とする売太(めた)神社は、濠(ほり 改修されたもの)をめぐらせた稗田環濠(かんごう)集落のなかに建つ。
「阿礼祭」は昭和五年、児童文学者の久留島武彦(くるしまたけひこ 『夕やけ小やけ』の作詞者)が阿礼はアンデルセンに匹敵する話の神様にふさわしいと全国の童話作家によびかけてはじまった祭で、北原白秋作詞、引田龍太郎作曲の『阿礼さま踊り』が地元の小学生によって奉納され、童話の読み聞かせ会も開かれる。
●大和郡山市稗田町319 0743-52-4669 JR大和郡山駅から徒歩約15分
当日のスケジュールを奈良新聞の広告(7/29付)から拾うと、
10時 祭典執行 稗田舞・阿礼様音頭奉納、「古事記ものがたり」朗唱
13時 お話フェスティバル
14時 子供みこし渡御、古事記輪読会
昭和5年に始まった子供のためのお祭り。ぜひ、ご家族でお参りください!