NPO法人「奈良まほろばソムリエの会」が毎週木曜日、毎日新聞奈良版に連載している「ディスカバー!奈良」、先週(8/24)紹介されたのは「今に伝わる古代の景観 奈良市の平城宮松林苑」、執筆者は同会理事長の鈴木浩(すずき・ゆたか)さん。『国史大辞典』によると「松林苑」とは、
※トップ写真は平城宮松林苑跡(奈良市佐紀町)
奈良時代、宮廷に付属した離宮的苑地。松林宮・北松林とも記し、天平元年(七二九)から同十七年にかけて、曲水宴や騎射など聖武天皇宮廷の年中行事を時々ここで行なっている(『続日本紀』)。遺跡は平城宮跡北方の築地痕跡に囲まれた区画に比定され、発掘により築地に同型式の瓦を葺くなど、平城宮と密接した性格が知られた。中国都城における宮城北の苑地(禁苑)にならったとする説がある。
『続日本紀』(『日本書紀』の続編)に出てくるのである。では、記事本文を以下に紹介する。今回は親切なことに、地図まで掲載されている。
奈良時代、平城宮の北方には塀で囲まれた天皇の離宮である松林苑がありました。南北1㌔、東西1.8㌔と推定され、範囲は平城宮全体よりも広大です。宮殿や楼閣が建ち並ぶ松林宮を中心に、多数の苑池(えんち)や農園が広がっていました。今の水上池、佐紀池、ハジカミ池など元は苑池で、佐紀盾列古墳群の周囲の濠も庭園に取り込まれていたようです。『続日本紀』にも、天皇が松林苑で群臣を集めて宴(うたげ)を催していた記述があります。
現在、松林苑の西端と南端と思われる場所には、所々に土塁状の築地塀が見られ、1300年前の都の面影をしのぶことができます。辺り一帯は、風致地区や歴史的風土特別保存地区に指定され、景観が保護されてきました。その結果、緑豊かな素晴らしい自然が守られており、日本人の故郷とも言えるような風景に接することができます。
メモ:近鉄京都線平城駅より徒歩で約10分。散策道が整備され、途中に成務天皇陵などもあり、自然を満喫できる、ウォーキングに最適なコースです。(奈良まほろばソムリエの会理事長 鈴木浩)
鈴木理事長は平城宮跡でボランティアガイドをしているので、この辺りには詳しい。皆さん、いちど松林苑跡周辺をお訪ねください!
※トップ写真は平城宮松林苑跡(奈良市佐紀町)
奈良時代、宮廷に付属した離宮的苑地。松林宮・北松林とも記し、天平元年(七二九)から同十七年にかけて、曲水宴や騎射など聖武天皇宮廷の年中行事を時々ここで行なっている(『続日本紀』)。遺跡は平城宮跡北方の築地痕跡に囲まれた区画に比定され、発掘により築地に同型式の瓦を葺くなど、平城宮と密接した性格が知られた。中国都城における宮城北の苑地(禁苑)にならったとする説がある。
『続日本紀』(『日本書紀』の続編)に出てくるのである。では、記事本文を以下に紹介する。今回は親切なことに、地図まで掲載されている。
奈良時代、平城宮の北方には塀で囲まれた天皇の離宮である松林苑がありました。南北1㌔、東西1.8㌔と推定され、範囲は平城宮全体よりも広大です。宮殿や楼閣が建ち並ぶ松林宮を中心に、多数の苑池(えんち)や農園が広がっていました。今の水上池、佐紀池、ハジカミ池など元は苑池で、佐紀盾列古墳群の周囲の濠も庭園に取り込まれていたようです。『続日本紀』にも、天皇が松林苑で群臣を集めて宴(うたげ)を催していた記述があります。
現在、松林苑の西端と南端と思われる場所には、所々に土塁状の築地塀が見られ、1300年前の都の面影をしのぶことができます。辺り一帯は、風致地区や歴史的風土特別保存地区に指定され、景観が保護されてきました。その結果、緑豊かな素晴らしい自然が守られており、日本人の故郷とも言えるような風景に接することができます。
メモ:近鉄京都線平城駅より徒歩で約10分。散策道が整備され、途中に成務天皇陵などもあり、自然を満喫できる、ウォーキングに最適なコースです。(奈良まほろばソムリエの会理事長 鈴木浩)
鈴木理事長は平城宮跡でボランティアガイドをしているので、この辺りには詳しい。皆さん、いちど松林苑跡周辺をお訪ねください!