tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

文学で知る!奈良の魅力(まほろばソムリエの深イイ奈良講座)

2015年02月01日 | 奈良にこだわる
1月25日(日)11:00~12:30、東京・日本橋三越前の「奈良まほろば館」で、「文学で知る!奈良の魅力~古事記から鹿男あをによしまで~」という講話をした。NPO法人「奈良まほろばソムリエの会」が隔月で開催している「まほろばソムリエの深イイ奈良講座」シリーズの1コマである。紹介したのは次の10冊だ。


『古事記』は以前、半年かけて岩波文庫の書き下し文を読み、「90分でわかる古事記」という講話もやったので、これは簡単だった。最も厄介だったのが『死者の書』。詩のような散文のような不思議な文章で、読むと何となく分かるのだが、他人に説明しようとすると、とてもシンどい。登場人物は飛鳥~奈良時代の歴史上の人物で、これら人物プロフィールを説明しなければならないし、中将姫伝説を知らなければ、十分に理解できない。

【以下は、私がお薦めする関連書籍】

 古事記完全講義
 竹田 恒泰
 学研パブリッシング


 日本霊異記 (新潮日本古典集成)
 小泉進 校注
 新潮社


 吉野葛・蘆刈 (岩波文庫 緑 55-3)
 谷崎潤一郎
 岩波書店

 死者の書・口ぶえ (岩波文庫)
 折口信夫
 岩波書店

 かくれ里 (講談社文芸文庫)
 白洲正子
 講談社

それに引き換え『天平の甍』は、とても説明しやすい。よく知られたストーリーだし、文章も明快だ。志賀直哉の『奈良』は、全文(A4版で2頁)を配布し、主要部分を読み上げた。『かくれ里』も、気に入った文章を読んだ。

映画『天河伝説殺人事件』 予告篇


『天河伝説殺人事件』と『鹿男あをによし』は、動画を見ていただいた。『天河伝説殺人事件』は映画の予告編があったし、『鹿男あをによし』は、テーマ曲をバックにドラマの見どころを紹介するMV(ミュージック&ビデオ)がネットに出ていたからだ。

鹿男あをによし MV ~エンディング・テーマ~


読書は長年の趣味だし、奈良の本はたくさん読んできたので、話していて、とても楽しいし、聞き手の反応も上々だった。終わってから「ぜひ、パート2をやって下さい」というお声もいただいた。



早速、帰りの新幹線の中で「次の10冊」のリストを作ってみたが、これは案外簡単にできそうだ。「文学で知る!奈良の魅力」は、まだ奈良では講話していない。地元で講話しつつ、同時並行で「パート2」も、作ってみることにしたい。



まほろば館に足をお運びいただいた皆さん、ご清聴、有難うございました。いずれ「パート2」も、披露いたしますので、どうぞお楽しみに!

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9 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (おちゃぼうし)
2015-02-01 19:42:46
たいへん楽しく拝見しました。私も紹介されていた本を読んでみたいと思いました。恥ずかしながら『鹿男・・』しか呼んだことありません。以前10年間奈良に住んでいたことがあり、今でも奈良を愛しています。
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じっくりと (tetsuda)
2015-02-02 06:00:59
おちゃぼうしさん、コメント有難うございました。

> 10年間奈良に住んでいたことがあり、今でも奈良を愛しています。

そうでしたか、それは有り難いことです。

> 私も紹介されていた本を読んでみたいと思いました。
> 恥ずかしながら『鹿男・・』しか読んだだことありません。

読みやすいのはミステリーの『天河伝説殺人事件』や、有名な『天平の甍』あたりでしょうか。時間をかけて、お楽しみください。
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ワクワク。 ()
2015-02-02 10:48:59
とても楽しい時間でした。「鹿男あをによし」のビデオ、久しぶりに観て、わくわくしました。本を読んで、奈良に思いを馳せることが、また、楽しく思われました。計画中のツアーのお話しも聞けて、楽しみがふえました。私も、次回の講座希望いたします。寒さのおり、ご自愛くださいませ。
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その節はありがとうございました (橋本)
2015-02-02 12:21:28
あれからすぐにAmazonで死者の書を取り寄せ依頼したのですが、到着が今月の10日過ぎだとか。講義に参加された方がみなさん注文してるのでしょうか(笑い)。冗談はさておき、第2弾楽しみにしてます。
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パート2. (tetsuda)
2015-02-02 21:04:43
雅さん、橋本さん、コメント有難うございました。

> 「鹿男あをによし」のビデオ、久しぶりに観て、わくわくしました。

あれはよく出来ていたでしょう? 私も驚きました。児玉清が、いい味を出していましたね。

> 計画中のツアーのお話しも聞けて、楽しみが
> ふえました。私も、次回の講座希望いたします。

パート2.で取り上げようと、白洲正子の『十一面観音巡礼』を読み返していますが、スゴい文章にシビれて、なかなか捗りません。

> 死者の書を取り寄せ依頼したのですが、到着が今月の10日過ぎだ
> とか。講義に参加された方がみなさん注文してるのでしょうか(笑い)。

おお、たくさんの方にお読みいただき、葛城にお訪ねいただきたいものです。「『死者の書』の意味が分からん」という声がネットにたくさん出ていますので、当ブログで解説を書いてみようか、と思っています。
返信する
次回は! (たけ)
2015-02-06 14:33:06
今回は参加を見送った者ですが、次回があれば絶対参加したいです。
「鹿男あをによし」は何度見ても、ワクワクします。
少しだけおすすめを揚げさせて下さい。

「天平冥所図会」(山之口洋)
  正倉院のなりたちからいきなり引き込まれます。
  葛木連戸主のファンになりました。

「ペンギン・ハイウェイ」(森見登美彦)
  京都の学生の小説で有名な森見氏の、出身である奈良の物語です。
  おそらく奈良の人が読まないと奈良とは分からないです。
  舞台の地域は読んだらすぐ分かると思います。

「新十津川物語」(川村たかし)
  物語の舞台はほとんど北海道ですが、
  登場人物の十津川村への思いに心打たれました。

「ナラ・レポート」(津島佑子)
  現代から過去、過去から現代を彷徨う、母と息子の物語です。
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参考になります! (tetsuda)
2015-02-08 19:49:39
たけさん、コメント有難うございました。

> 「鹿男あをによし」は何度見ても、ワクワクします。
> 少しだけおすすめを揚げさせて下さい。

うーん、なるほど。『新十津川物語』を除き、さすがにお若いたけさんのセレクトですね。次回は少し、このような本も取り入れるようにいたします。
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Unknown (橋本)
2015-03-01 14:04:13
かくれ里と蛇鏡読みました。昨年上梓された本で、我が故郷の先輩である葉室麟が書いた緋の天空という本があります。光明皇后が主人公ですが、私が奈良で住んでいたヨーカドーの前にあった長屋王も出てくるし、とても興味深く読みました。
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ご当地本 (tetsuda)
2015-03-02 06:48:07
橋本さん、コメント有難うございました。

> 葉室麟が書いた緋の天空という本があります。光明皇后が主人公です

これは存じませんでした。機会があれば、読ませていただきます。

最近、いろんなところから「文学で知る…」の講演依頼があります。講演する場所に合わせて、その場所が登場する小説などを読んでいますので、結構、時間を食います。
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