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万葉集 奈良生まれの最古の歌集/毎日新聞「かるたで知るなら」第5回

2021年05月02日 | かるたで知るなら(毎日新聞)
NPO法人「奈良まほろばソムリエの会」は「奈良まほろばかるた」を題材に毎週木曜日、毎日新聞奈良版に「かるたで知るなら」を連載している。今週(2021.4.29)掲載されたのは「万葉集 奈良生まれの最古の歌集/白山比咩(しらやまひめ)神社(桜井市)」執筆したのは私である。万葉集の概説、白山比咩神社境内の万葉歌碑、保田與重郎の記念碑、そして『奈良万葉の旅百首』(京阪奈情報教育出版)を紹介している。では、全文を紹介する。

新元号「令和」が万葉集巻五「梅花の歌」の序文から採られたことで、全国的な万葉ブームがまき起こりました。この万葉集と奈良県は、とても深い関わりがあります。万葉集に登場する地名はのべ約2900、そのうち奈良県の地名はのべ約900と、約3分の1にのぼります。「万葉集の舞台は奈良県」と言っても過言ではありません。

戦後の宅地開発などで奈良の景観は大きく変わりましたが、大和三山も三輪山も飛鳥の棚田も吉野川も、美しい風景を今に伝えています。万葉集は7世紀後半から8世紀後半にかけてまとめられた現存するわが国最古の歌集で、天皇、貴族から下級官人、防人(さきもり)などさまざまな階層の人が歌を詠んでいます。

桜井市黒崎の白山比咩(しらやまひめ)神社(白山(はくさん)神社)には、万葉集の巻頭を飾る雄略天皇の歌碑と、万葉集発祥の地として桜井市出身の文芸評論家、保田與重郎(やすだよじゅうろう)が揮毫した万葉集発耀讃仰(はつようさんぎょう)の碑が立っています。

そんな万葉集を題材に、奈良まほろばソムリエの会は2021年2月、京阪奈情報教育出版から『奈良通が選んだ 奈良万葉の旅百首』(税込み1100円)を発刊しました。コンセプトは「この本を携えて、現地を訪ねてもらおう」。写真は新たに撮りおろし、詳しい地図も載せ、令和時代にふさわしいガイドブックとしました。県内各地の散策が多角的に楽しめる本としています。

ぜひ本を携えて、万葉びとが歩いたであろう道をたどり、景色を眺めていただきたいと思います。(奈良まほろばソムリエの会専務理事 鉄田憲男)

【白山比咩神社(白山神社)】
(住 所)桜井市黒崎339
(交 通)近鉄大和朝倉駅から徒歩約10分
(拝 観)境内自由
(駐車場)無


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