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志貴皇子(しきのみこ)の離宮を前身とする白毫寺(びゃくごうじ)/毎日新聞「やまと百寺参り」第78回

2020年11月23日 | やまと百寺参り(毎日新聞)
NPO法人「奈良まほろばソムリエの会」は『奈良百寺巡礼』(京阪奈新書)の刊行を記念して毎週木曜日、毎日新聞奈良版に「やまと百寺参り」を連載している。先週(2020.11.19)掲載されたのは「境内に浄土も冥界も/白毫寺(奈良市)」、執筆されたのは同会会員の梶尾怜さん。梶尾さんは2018年に「奈良まほろばソムリエ」に合格され、それは同年の最年少合格者だった。
※トップ写真は、白毫寺山門と趣のある自然石の石段=奈良市白毫寺町で

今回の見出し、私なら「境内に地獄も極楽も」とするところだが、すっきり「浄土も冥界も」と書くところが梶尾さんらしくて良い。山門周辺の写真はまだ青葉だが(手前にチラリと萩が写っているが)、ちょうど今ごろは紅葉のシーズン、たくさんの参拝者が訪れていることだろう。では、記事全文を紹介する。

白毫寺は万葉集に詠まれた高円山(たかまどやま)のふもとにあり、境内からは奈良盆地を一望することができます。天智天皇の第七皇子、志貴皇子(しきのみこ)の離宮があり、その山荘を寺にしたものと伝わっています。奈良市指定文化財の本堂は、江戸時代に再建されたもので、簡素で力強い造りです。

静寂に満ちた厳かな空間のなかに、阿弥陀(あみだ)三尊の姿が浮かび上がってきます。すっきりとして若々しいお顔立ちの阿弥陀如来と、その両脇に大変珍しい前かがみの姿勢で控える勢至菩薩(せいしぼさつ)と観音菩薩。膝を軽くついて腰を浮かし、衣はふんわり翻(ひるがえ)り、今まさに恭しくお迎えにあがった、という来迎(らいごう)の瞬間を切り取っています。

本堂の裏手の宝蔵(ほうぞう)には、本尊の阿弥陀如来のほか、冥界(めいかい)の主である鬼気迫る表情の閻魔王(えんまおう)など、重要文化財の仏像8体がおさめられます。本堂の阿弥陀三尊が醸し出すおだやかで心安らぐ雰囲気とは対照的な、冥界の異様さにも触れることができるでしょう。

関西花の寺十八番札所としても知られ、春には五色椿、秋には萩など、四季折々の花が境内を彩ります。これからは紅葉や寒桜が見ごろを迎えます。(奈良まほろばソムリエの会会員 梶尾怜)

(宗 派)真言律宗
(住 所)奈良市白毫寺町392
(電 話)0742・26・3392
(交 通)市内循環バス「高畑町」下車、徒歩約20分
(拝 観)9時~17時、500円
(駐車場)無



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