tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

東日本大震災チャリティー「奈良の仏像」写真展(Topic)

2011年06月15日 | お知らせ
魅惑の仏像 四天王―奈良・東大寺 (めだかの本)
小川 光三
毎日新聞社

奈良県下の学生たちで作るボランティア・グループ「南都古社寺研鑽会」前会長の竹本啓哉さんから、こんなメールをいただいた。《私たち南都古社寺研鑽会が運営協力として参加する、写真展のご案内です。仏像写真の老舗、飛鳥園の小川光三社長が撮影した、南都諸大寺の有名仏像の写真作品26点の写真展を朝日新聞大阪本社1階アサコムホールにて開催いたします》。

《タタミ一畳分ほどある大判写真や小判写真の展示、また写真や絵葉書の販売もいたしまして、その収益は朝日新聞厚生文化事業団を通じて被災地へ届けます。写真展・講演会は無料です。ぜひお越しください。また「大和のこころ」と題した特別講演会も開催いたします》。主催者である飛鳥園の公式ブログに詳細が掲載されていたので、以下に転載する。

魅惑の仏像 阿修羅―奈良・興福寺 (めだかの本)
小川 光三
毎日新聞社

東日本大震災チャリティー「奈良の仏像」写真展
朝日新聞社・飛鳥園主催 南都隣山会後援 岡村印刷工業協賛
キヤノンマーケティングジャパン・南都古社寺研鑽会協力

飛鳥園の小川光三が撮影した南都諸大寺の写真26点を展示いたします。うち16点は畳大の大判写真でお楽しみいただきます。記念特別講演「大和のこころ」(3回)も開催。心穏やかな時間をお過ごしいただけることと思います。

展覧会・講演会とも無料ですが、会場で義援金を募り、朝日新聞厚生文化事業団を通じて被災地へ届けます。皆さまのお越しをお待ち申し上げます。

◎展覧会
日時:7月4日(月)~15日(金)
   午前10時~午後6時(最終日15日は午後3時まで、9日(土)・10日(日)は休館)
場所:朝日新聞大阪本社1階アサコムホール (06)6201-8034

魅惑の仏像 釈迦三尊―奈良・法隆寺金堂 (めだかの本)
小川 光三
毎日新聞社
 
◎講演会
7月6日(水)・7日(木)・13日(水)の3回。各日とも午後5時30分から1時間程度です。
アサコムホール展示スペース横の小ホールで行います。(定員80人)
・講師
6日(水) 北河原公敬氏 (東大寺別当)
7日(木) 多川俊英氏  (興福寺管首)
13日(水) 大野玄妙氏  (法隆寺管長)

◎講演会聴講をご希望の方
6月20日(消印有効)までに、希望日・名前(1枚につき1講座1人)・年齢・住所・電話を記入し、往復はがきでご応募ください。
〒530-8211 朝日新聞アサコムホール 仏像写真展講演会係(住所不要)まで
応募多数の場合は抽選とさせていただきます。

土日は休館ながら、畳一畳もの大きさの写真が16点展示されるとは、すごい。また東大寺、興福寺、法隆寺のトップ3人が講演されるというのも、めったにない機会である。応募締め切りは来週の月曜日なので、ぜひお早めに!
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算額最中

2011年06月14日 | 奈良にこだわる
「算額(さんがく)」なるものをご存じだろうか。Wikipedia「算額」によると《江戸時代の日本で、額や絵馬に数学の問題や解法を記して、神社や仏閣に奉納したものである。平面幾何に関する算額が多い。数学者のみならず、一般の数学愛好家も数多く奉納している》。

《算額は、和算において、数学の問題が解けたことを神仏に感謝し、ますます勉学に励むことを祈念して奉納されたと言われる。やがて、人びとの集まる神社仏閣を数学の問題の発表の場として、難問や、問題だけを書いて解答を付けずに奉納するものも現れ、それを見て解答や想定される問題を再び算額にして奉納することも行われた》。



《このような算額奉納の習慣は世界中をみても他に類例がなく、日本独特の文化といわれる。数学をも「芸」ととらえる日本人の思考法がよくあらわれており、その一部は重要文化財や民俗文化財に指定されている。明治時代になると、日本には西洋式数学が導入されることとなったが、算額奉納の風習は、この導入を容易にしたとも評価されている。1997年(平成9年)に行われた調査結果によると、日本全国には975面の算額が現存している》。

Wikipediaによると、「文化財に指定された算額」は、奈良県下では3枚だ。それは
○弘仁寺 奈良市虚空蔵町 文政10年(1827年)奥田政八奉納 奈良市指定有形民俗文化財
○弘仁寺 同 安政5年(1858年)石田算楽軒奉納 奈良市指定有形民俗文化財
○円満寺 奈良市下山町 天保15年(1844年)源治郎奉納 奈良市指定有形民俗文化財



もう10年以上も前に、奈良テレビの番組があるお寺の算額を紹介していて、「ふぅん、面白いものがあるのだな」と、算額という風変わりな名前を頭にインプットした。すると先月、いつものように「スーパーおくやま結崎店」(磯城郡川西町結崎)で「だいぶつ納豆」を買おうと、近鉄結崎駅からスーパーに向かって歩いているとき、「算額最中」なる看板を見つけた。「算額と最中がどう結びつくのだろう」と半信半疑ながら、「御菓子司たばや」(川西町結崎571)というその店の扉を開けた。ショーウインドーには算額最中(1個147円)がずらりと並び、壁には算額のレプリカが高々と掲げられていた。



「おお、これが算額ですか。幾何(図形)の問題を最中にデザインするとは、珍しいですね」と申し上げると、女将さんは「これは、ウチの先祖が小泉(大和郡山市)のお寺に奉納した算額です」とおっしゃり、「算額のことをご存じなら、この本を差し上げます」と、東大学園の先生である小寺裕氏の著書『博学検定 江戸の数学 和算』(技術評論社 980円)をくださった。最中をバラで数個買っただけなので、本までいただいては申し訳ないと固辞したが、結局いただいてしまった。

帰りの電車の中で読むと、「算額トリビア」のところでこの最中のことが紹介されていた。



《大和郡山市の庚申寺にある算額の奉納者は森内彌三郎で、その子孫である森内達雄氏は、御菓子司「たばや」を経営されている。「たばや」では自分たちの先祖の功績を称えるため、庚申寺に奉納した算額の図形を文様にした「算額最中」を販売している。算額最中を味わいながら算額の問題を考えるのもまた一興、和算のお茶請けには最高の一品である》。

江戸の数学 和算 (博学検定)
小寺 裕 著
技術評論社

《算額の問題とは、「図のように大円の中に甲、乙、丙、丁円が入っている。大円径が1尺6寸、甲円径が9.6寸であるとき、乙、丙、丁円径はいくらか」というものである。「算額最中」と、この図形は「たばや」の登録商標である》。

算額最中は、丹波産大納言小豆の餡がたっぷり入った美味しい最中であった。ネットで検索すると、「御菓子司たばや 楽天市場店」というサイトが見つかった。ここには《全国の和算を研究されている先生方の間でちょっとした話題の商品になっているらしく、小寺裕先生著「江戸の数学 和算」(技術評論社刊)の中でも紹介されております。学力が上がるようにと縁起を担いで購入して行かれるお客様もいらっしゃいます》。



《年配の方や甘党の方への贈り物はもちろん 受験を控えた方や進級・進学される方への激励のプレゼントにいかがでしょうか? その昔和算を発達させた研究者たちにあやかって勉学に励んで頂くのは言うに及ばずですが、勉強に使う脳の栄養素は糖分…つまり甘いものという事で毎日頭をフル回転させている受験生の皆さんが休憩される時のお茶うけにも最適です》。店長の森内恵子さんは、「店長けーちゃんの徒然記」という楽しいブログも公開されている。

この幾何問題の解法も答もさっぱり分からないが、最中に算額の問題をデザインするというアイデアは、秀逸だ。大学進学率やセンター試験得点が全国トップクラスという奈良県ならではのお土産になることだろう。受験の時期に、桜井市の安倍文殊院(知恵の文殊さん)や菅原天満宮(奈良市菅原東町)の近くで売れば、ウケること間違いなしだ。ぜひ、奈良県を代表する銘菓に育っていただきたい。
コメント (8)
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十津川村の温泉無料開放!6/19~30まで(Topic)

2011年06月13日 | お知らせ
耳寄りなニュースがあると、月森砂名さんがfacebookで紹介されていた。十津川温泉郷が無料開放されるのである。以下、十津川村観光協会のHPから抜粋する(パンフレットのPDFデータはこちら)。
※トップ画像は十津川村観光協会のHPから拝借

全国初!「源泉かけ流し宣言」 7周年を記念して、十津川温泉郷を無料開放いたします!!

◎十津川温泉郷無料開放!!「源泉かけ流し温泉感謝祭」
◆期間:平成23年6月19日(日)~6月30日(木)
◆特典:村内公衆浴場・温泉プール無料
◆対象:村内・村外すべての方

★☆★☆★☆★抽選でペア宿泊券が当たるっ!!★☆★☆★☆★

チラシの下にある「ペア宿泊抽選券」にアンケートをご記入の上、
各公衆浴場にてご応募下さい。
7月12日に抽選の上、当選された方々にご連絡致します。

★「源泉かけ流し温泉感謝祭」に関するお問い合わせは 
十津川村観光協会(電話) 0746-63-0200


※画像は十津川村のHPより拝借

6月に解禁されたばかりの旬の鮎料理、美しい山アジサイ、幻想的なホタル 世界遺産の古道ウォーク! 大自然の聖地 十津川の魅力がたくさん。

「遠いぶんだけあったかい」ぜひ、このお得な機会に 元祖源泉かけ流し! 十津川温泉郷へお越し下さいませ。みなさまのお越し心よりお待ちしております!!


引用は以上である。ペア宿泊券(5組・10名)の宿泊施設は、神湯荘(上湯温泉)、十津川荘(湯泉地温泉)、田花館(十津川温泉)、ホテル昴(十津川温泉)、吉乃屋(十津川温泉)のいずれかとなる(宿は選べない)。

十津川村は、5/13発売のミシュラングリーンガイド(旅行ガイドブック)に、熊野古道(★★★)、玉置神社(★)、玉置山(★なし)の3か所が新たに掲載された。世界から注目されているのである。「源泉かけ流し宣言」も全国に先駆けて行われた。同じくHPから引用すると《2004年6月28日十津川温泉郷の3つの温泉、湯泉地温泉(とうせんじ)・十津川温泉・上湯温泉(かみゆ)にある25の温泉施設すべてにおいて「源泉かけ流し」を宣言しました。温泉地全体のすべての温泉施設が「源泉かけ流し温泉」になるのは全国的にも非常に珍しく日本で初めてのことです》。

《「源泉かけ流し温泉」とは温泉のお湯を循環、一切再利用させず、沸かさず、塩素消毒をせず、薄めず「ほんまもんの温泉」だけが浴槽内に常に滾々(こんこん)と流し入れられている(かけ流されている)状態の新鮮な温泉です。十津川温泉郷の豊富な湯量だからこそできる極めて贅沢な「極上の温泉」なのです》。

《古くから十津川村ではこの「源泉かけ流し」の温泉でした。きっかけは温泉教授松田忠徳先生(札幌国際大学)のひと言でした。「なぜ、すべて源泉かけ流しにしないのか?」全国4400もの温泉を回ってこられた先生から十津川温泉郷はトップクラスの温泉であるとお褒めの言葉をいただき、心から十津川の「自然の恵み」に感謝しました。まさに「源泉かけ流し」こそが「村の宝」だったのです!》

《奈良県では唯一の良質な温泉をみなさまに知っていただこうと、村をあげて温泉施設、旅館、民宿村内すべてを「源泉かけ流し」にしました。松田忠徳先生ご指導のもと、平成16年6月28日県庁にて十津川村村長、観光協会会長らとともに「十津川温泉郷・100%源泉かけ流し宣言」を実現させたのです》。

12日間もの間、村の公衆浴場(5か所)と温泉プール(1か所)のすべてが無料開放とは、太っ腹なことである(ただし定休日にはご注意を)。これは温泉好きにはたまらない。私はこれまで何度も十津川温泉に足を運んでいるが、また行きたくなった。皆さん、ぜひこれを機に、十津川村の温泉にお入りください!

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奈良まほろばソムリエ通信(7)第1回総会を開催!

2011年06月12日 | 奈良検定
6/11(土)、奈良まほろばソムリエ友の会の「発足の集い」が開催された。午後2時から第1回総会(第1部)、2時40分から講演会(第2部)、4時35分から懇親会(第3部)、という3部構成だった。当日の模様が、毎日新聞奈良版(6/12付)に紹介されている。見出しは「まほろばソムリエ友の会発足 奈良の知識集団に」だ。
※写真は、すべてM先輩に撮っていただいた(6/11)

《「奈良まほろばソムリエ友の会」の発足の集いが11日、奈良市の奈良商工会議所であった。今後、ソムリエ同士の交流や研修の他、史跡の解説ボランティア、観光マップ作成などを行っていく。07年から始まった奈良まほろばソムリエ検定(同会議所主催)は、奈良の歴史や文化についての知識を問うもので、奈良通2級、1級とソムリエの3階級がある。今年2月に行われたソムリエの懇親会で、友の会結成が提案され、ソムリエの合格者209人中152人が会員となった》。

《小北博孝会長は「皆様の積極的な活動により、奈良における歴史観光の知識集団として友の会が育っていくようにしたい」とあいさつ。また、奈良文化財研究所の井上和人・副所長が「平城京遷都の真実」と題して記念講演した》。タイミング良く、総会当日(6/11)付の同紙「やまと人模様」欄に、小北会長へのインタビュー記事が掲載された。



私たち友の会役員にとってのメイン行事は、何といっても「総会」だ。総会は会長挨拶、私からの経緯説明、役員紹介、祝電披露、質問タイム、副会長挨拶、とトントンと進んだ。友の会結成の発端は、当ブログでも紹介したように「合格者の集い」での来村多加史氏(阪南大学教授)からの呼びかけだった。私からはその辺りの説明と、3つの部会(交流部会、広報部会、サポート部会)の紹介、そして「もっとWeb(ホームページ)を活用してください」と呼びかけた。

私が心配したのは「勝手に11人で会を発足させたのは問題だ。まず発起人による準備会を立ち上げ、ソムリエ全員に諮ってから正式発足させるべきではないか」という意見が出ることだった。株式会社の設立などはそのような手続きを踏むからだ。しかし友の会はあくまで有志の会だし、募集のためのホームページ立ち上げ(発注)や記者発表、朱雀高校との連携など、会として対応すべきことが先にあったので、まず会を発足させ、趣旨に賛同するソムリエだけに入会を呼びかけたわけである。おかげさまで事前に148人、当日は最終的に5人の方から追加の入会申し込みがあり、総勢153人(ソムリエ合格者総数は209人)と、73%ものソムリエにご参加いただいた。

会に出席されたkozaさんは、早速ご自身のブログに「奈良まほろばソムリエ友の会。発足」という記事を書かれた。《日程は発会の総会と講演、懇親会となっていました。まずは総会。前後左右、過去未来と見回してしまいいつも論評の多い僕も、今回は素直に受け止めて加わることができました。ゆったりと浸かれば楽しい「友の会」です。頑張ろう、と張り切る方にはもちろんもっと楽しい「友の会」だと思います》。

《懇親会もまた楽しく過ごすことができました。奈良近鉄タクシーの3名のドライバーと元社長が並んで挨拶されたのは最高でした。元社長の北田友の会副会長も立派だが、3名のドライバーの方も輝いておりました。さすが「ソムリエ友の会」です。会をここまで立ち上げた、会長、事務局長などのご尽力に感謝し、拍手申し上げます。すべての議事を進行した長岡光彦さんの力量に敬服します。粘り強かったし、誠実でした》。

これは有り難いお言葉である。ドライバーの皆さんは、溌剌としていた。率先垂範で発破をかけられた北田元社長(友の会副会長)にも、敬意を表する。「走るソムリエ」こと吉田個人タクシーの吉田さんも、短い挨拶だったが、お人柄が表れていた。N先輩こと長岡光彦さん(友の会役員)の司会は、とてもスムーズだったし、熱意にあふれていた。《ビールも呑まずにつまらなそうにしている僕にすぐ声をかけてくれた、佐保台のIさんには心から感謝申し上げます。参加して良かった》。



そのN先輩が、昨夜、当ブログのコメント欄に、興奮冷めやらぬ勢いでこの日の様子を紹介してくださった。《本日は「奈良まほろばソムリエ友の会・発足の集い」でした。予定された内容(1部 総会・2部 講演会・3部 懇親会)もおかげさまで無事終了し、3月の世話人会立ち上げから約3か月、ともに語り、悩み、準備を重ねた皆様との打ち上げ会で、しこたま頂きまして、今ようやく酔いもさめパソコンが触れる状態まで復活です》。

《祝電ご配慮の奈良商工会議所さま、奈良県ビジターズビューローさま、奈良市観光経済部さま、東京出張からかけつけて本当に熱心にご講演いただいた奈良文化財研究所・井上和人先生、直前まで学生との屋外学習で忙しい中、懇親会に参加いただいた来村多加史教授、細かくご配慮いただいた商議所Uさま、ビジターズビューローTさま、受付ご担当の方、写真ご担当U先輩、M先輩、ご意見発表のⅠさん、懇親会では遠来、東京から、山梨から。奈良近鉄タクシーさま、浪速のパワフルおばちゃま。たくさんの方から前向きの力強いご意見発表で盛り上げていただき、本当に本当に、心から感謝とお礼を申し上げます》。「浪速のパワフルおばちゃま」とは、大阪のご出身(現在は奈良市在住)の肉食系女子・Sさんのことである。「あまり小難しくせず、もっと愉快にやりましょう」という提案をされ、参加者全員が納得していた。

《「友の会」丸は無事船出しました。これから素晴らしい目的地に向かって航海が始まります。皆様、ともにがんばりましょう》。事前準備には、11人の役員全員が仕事を分担して取り組んだが、当日、最もご負担をおかけしたのが、やはりN先輩だった。何しろ1~3部、すべての司会・進行を一手に引き受けてくださったのだから。初回は失敗する訳にはいかないので、ベテランを起用したのだが、その思惑は的中し、kozaさんが書かれたとおり、首尾は上々だった。

役員11人のなかには、どんどん積極的に活動範囲を広げるべきだという「シャカリキ部会」(私が筆頭格)と、奈良好き同士ぼちぼち行こうという「漠然部会」(てるぼうさんが筆頭格)の2つの流れがある(正式の「部会」ではない、念のため)。来村教授からは「突っ走るときには必ず冷静な第三者が必要なので、2つの流れは好ましい。衆議院と参議院のように、チェック&バランスを利かせてほしい」とのアドバイスをいただいた。

ともあれ、友の会は極めて順調にスタートした。これから徐々に部会の活動が始まる。役員のうち7人は、来年の「古事記完成1300年」に備えて、自主的な古事記(原文)の輪読会「古事記を読もう会」をスタートさせる。半年間で古事記をマスターしたあと、こんどは友の会会員の希望者に対し、ゼミ形式で知識を受けつごう、そして古事記完成1300年を盛り上げよう、という趣旨である。

これからは、シャカリキと漠然のバランスを取りながら、友の会を「愉快に、楽しく」運営して行きたい。会員の皆さん、ご協力をお願いします! そして、これから「奈良まほろばソムリエ」をめざす皆さん、1年でも早く合格され、私たちの仲間にお入りください!

※総会当日(6/11)の毎日新聞奈良版「やまと人模様」。友の会の小北会長が紹介されている

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古印最中 または 1つのことを懸命に

2011年06月11日 | 日々是雑感
木津川市にお住まいの鏡清澄さん(筆名)が、足利市(栃木県)の香雲堂本店が作る古印最中(こいんもなか)という名物最中を送ってきてくださった。大ぶりで重みのある最中で、名前の通り古印(足利にゆかりの昔の印鑑・落款)の形をしている。何種類かあって、それぞれ大きさの違うところが面白い。

早速いただいてみると、これは剛速球ど真ん中、どっしり甘くて美味しい最中である。甘いが嫌味がなく、これぞ本物のアンコ、という存在感がある。しかし最中種(最中の皮)はとても薄くて、口の中でほろほろと崩れていく。奈良県が誇るみむろ最中(白玉屋榮壽)は、パリッとした最中種と甘さを抑えた餡で知られる。これは東西横綱、どっしり系とあっさり系の代表格という趣である。ウチの家内も大変気に入って、早速古印最中の「お取り寄せ」を準備中である。風評被害に悩む栃木県の産物なので、ドンと注文して親戚にも配りたい。

この最中のことは以前、相田みつをの言葉とセットで、鏡さんから教えていただいた。鏡さんの文章「相田みつをさんとの出会い」からピックアップして紹介させていただく。

私の叔父が国税庁だったかどこだったか税務関係の役所に勤めていて、栃木県の足利に転勤しました。その叔父が私の父のところに、「兄さんは甘いものが好きだから」と言いながら足利の「古印最中」をお土産に持ってきてくれました。厚手の紙の箱に2段にぎっしり四角い最中が入っていました。

最中の皮には足利学校の蔵書の印の型が押されていました。長方形のものもあり、正方形のものもあり、落款の形をしたものもありました。子供心にどの形が大きいかなと最中を取るのに迷ったものでした。最中の皮は砂糖がたくさん入っていたのでしょうか、歯ざわりがとても良いものでした。餡はつやつやと光っていて、これまた美味しいのです。私はその後、あちこちの最中を食べてみましたが、いまだかってこの足利の「古印最中」より美味しい最中に出会ったことがありません。

「古印最中」は足利市通4丁目の『香雲堂本店』というところが作っています。なお、JR両毛線の足利駅で電車を降りて街の中を『香雲堂本店』の方へ歩いていくと、駅から近い通3丁目に『香雲堂』という店があって、ここが「古銭最中」というのを売っています。間違わないようにしてください。

私が『香雲堂本店』の「古印最中」をお奨めするのには理由があります。とても美味しいこと、大きくて食べでがあること、リーズナブルであることの三拍子そろっていることに加えて、子どもの頃に見た、この最中の包装紙と栞がとても印象に残っているためです。包装紙は茶色っぽいものだったように記憶しますが、面白い筆字が絵のように印刷されていました。そして菓子箱の中に入っていた栞には、包装紙の文字と同じものが墨で書かれていました。子どものときに読んで以来、テニオハは違ってもズーッと覚えている言葉です。

「ひとつのことでもなかなか思うようにはならぬものです だからわたしはひとつのことを一生けんめいやっているのです」

そうです。『香雲堂本店』は長いこと「古印最中」ひとつだけを作り、売っていたのでした。一種類の最中一筋、精進しながら何年、何十年と作ってきました。美味しくないわけがありません。上記の言葉は菓子づくりにかける店主の情熱、一徹さを余すことなく伝えていると思うのです。

今は煎餅など何種類かのお菓子も作られているようだが、一徹さは失われていない。近年、こういう人が少なくなった。最近は焼肉酒家えびすに限らず、チェーンの焼肉店などで食中毒が相次いでいる。コストダウンを図るあまりベテランの調理人を置かず、素人が料理するからこんな事故が続発するのだと指摘されている。奈良県下にも、1つのことを一生懸命やり、素晴らしいモノに仕上げている人は数多い。そんな人やモノを紹介するのも意義のあることだな、と考えている。

鏡清澄さん、有難うございました。最中も、相田みつをの言葉も、素晴らしいです!
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