tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

絵本古事記 よみがえり(by 寮美千子さん)

2016年01月11日 | お知らせ
ならまちにお住まいの寮美千子さんが、絵本を出版された。1/23(土)にはトーク&サイン会、24(日)には朗読劇がある。産経新聞奈良版(1/5付)「古事記の奥深さ実感を 奈良市の作家・寮さん 絵本出版」によると、

国内最古の古典「古事記」に描かれた奥深い世界を知ってもらおうと、奈良市の作家、寮美千子さんが、「絵本古事記 よみがえり-イザナギとイザナミ」(国書刊行会)を発刊した。画は「銀筆画」で知られる神奈川県秦野市の画家、山本じんさんが独自のタッチで描き、古事記の古代的感性が伝わってくる一冊となっている。

寮さんは、泉鏡花文学賞を受賞した翌年の平成18年に、首都圏から奈良に移住。古事記は以前から読んでいたが、奈良で暮らすようになって、その世界を肌で感じられるようになったという。「古事記の古代的心情をダイレクトに伝えたい」。そんな思いから24年末、絵本の原稿執筆を始めたところ、古事記を編纂した太安万侶ゆかりの多神社(田原本町)の祭りで朗読劇を披露することを依頼され執筆し、朗読。以後毎年、朗読劇を上演している。


 絵本古事記 よみがえり──イザナギとイザナミ
 寮美千子/山本じん
 国書刊行会

今回の「絵本古事記」は昨年上演した「黄泉返り」を絵本化。イザナギ、イザナミという男女の神の国生みや、イザナギがイザナミを追って死者のすむ黄泉の国へ向かう話で、画は神々や植物などが幻想的に描き出されている。寮さんは「子供から大人まで、古事記の奥深さを実感してほしい」と話し、今後もシリーズとしてさらに発刊を目指すという。

絵本古事記(2808円)は全国の書店で販売中。出版を記念し、23日午後3時から、奈良市の啓林堂書店奈良店で寮さん、山本さんのトーク&サイン会が、24日午後1時半から同市の名勝大乗院庭園文化館で、勾玉天龍座と寮さん、山本さんによる公演が予定されている。無料。


早速私も本書を拝見した。これは「絵本」というより「画集」だ。銀筆画とは《レオナルド・ダ・ヴィンチも用いた、絵画・素描などを描く技法で、羊皮紙にほぼ純銀に近い銀を削った鉛筆状の筆記具で絵を描くもの。山本じんはこの技法を自身で研究。2002年より絵画作品を発表しつづけ、日本では数少ない銀筆画アーティストとして知られている。近年では、銀筆と鉛筆両方を用いての絵画や、銀筆と油彩をミックスした絵画など、独自の技法での作品も生み出している》(Wikipedia「山本じん」)。

現代語の「甦(よみがえ)る」は、「黄泉返(よみがえ)る」。つまり黄泉の国から帰ってくることを意味し、そのルーツは『古事記』のイザナギ・イザナミの神話に基づいている。

トーク&サイン会や朗読劇も予定されている。皆さん、『絵本古事記』はいかがですか?
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明日はいよいよ、コンシェルジュアワード最終選考&平田進也さん講演会!(2016 Topic)

2016年01月10日 | 奈良にこだわる
今日(1/10)は奈良検定(奈良まほろばソムリエ検定)の試験日、そして明日(1/11)はいよいよ「第1回 Nara観光コンシェルジュ アワード」(日本語ガイドの部)の最終選考(ステージでのロールプレイング)と認定式、およびカリスマ添乗員・平田進也さんの講演会が行われる(公式HPは、こちら)。県産品の販売もある。

会場は奈良県文化会館(県庁の西側)国際ホール。入場無料(入退場自由)、事前申し込みなしで参加できるので、ぜひご参加いただきたい。タイムスケジュールを紹介すると、

12:50~13:00 主催者挨拶
13:05~14:05 第1部「Nara観光コンシェルジュ」(日本語ガイドの部)最終選考
14:20~15:50 第2部 平田進也さんの講演会「奈良の『光』の観(み)せ方」
16:00~16:30 第3部「Nara観光コンシェルジュ」認定式


第1部の最終(第3次)選考は、2次選考を通過した5人が舞台上で、審査員を観光客に見立ててガイドのロールプレイングを行う(うち3人が認定される予定)。いずれ劣らぬベテラン揃いなので、県内の観光ガイドのレベルの高さを知ることができる。


2次選考を通過された雑賀耕三郎さん(奈良まほろばソムリエの会会員)は、ご自身のFacebookに《僕は13時35分に出場。案内するコースは「持統天皇と藤原宮」。勝利のための作戦は里中満智子さんの描く持統天皇や舒明天皇の力を借りて…いわば、神頼みで(笑)》とお書きで、これは楽しみだ。選考の模様は、テレビなどでも紹介される予定である。

第2部は、「ナニワのカリスマ添乗員」として知られる平田進也さんの講演会。平田さんは大淀町のご出身で大和高田市ご在住。そんな平田さんが奈良の光(素晴らしいところ)をどのようにアピールするか、その極意を伝授してくださる。日本各地で講演されていて、講演会はいつも超満員だ。なお当日、会場内では県産品の販売があるので、これも楽しみだ。

皆さん、明日はぜひ、奈良県文化会館に足をお運びください!
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奈良検定2級によく出る「祭り・行事」

2016年01月09日 | 奈良検定
いよいよ明日(1/10)は第10回奈良まほろばソムリエ検定(2016)の試験日だ。奈良テレビ「ゆうドキッ!」の企画で今回、奈良検定2級に挑戦される講談師の旭堂南青さんはご自身のFacebookに「受験生の頃を思い出します!講談のネタ以上に色々と暗記しないといけないので、苦労しますが、楽しいです!」とお書きである。
※トップ写真は旭堂南青さん。2015.11.6の番組から拝借

受験者には1点でも多く稼いでいただきたいので、今日も頻出ポイントのおさらいをする。これで最終回とするので、受験される方は、これまでの伝統工芸名数遺跡・古墳 とあわせて、今日の記事をシッカリと頭に入れていただきたい。

今日のテーマは「祭り・行事」だ。私は奈良佐保短期大学で「奈良の伝統行事」の授業を担当しているが、暮らしの中から古来の行事(1月だと初詣、ゆず湯、七草がゆなど)が消える傾向にあるので、教えるのに苦労する。しかし試験には「祭り・行事」だけで10問程度が出題されるので、頭に刻み込んでいただきたい。

・おんだ祭り(=お田植え行事) 飛鳥坐(あすかにいます)神社
2月第1日曜。農作業の所作のあと天狗とお多福が交わり豊穣を願う奇祭
・春日大社節分万灯籠(まんとうろう)
節分の日、境内の約3,000基の燈籠(石灯籠と釣燈籠)に灯がともる。お盆には中元万灯籠
・砂かけ祭り
2月11日、廣瀬神社(=水の守り神・北葛城郡河合町)で、水(雨)に見立てた砂をかける
・だだおし
2月14日。長谷寺で十一面観音悔過(けか)法要のあと、松明に導かれた鬼が本堂を回る
・お水取り(東大寺二月堂修二会)
十一面観音に罪過(ざいか)を懺悔(さんげ)して除災招福を祈る悔過法要。良弁の高弟・
実忠が752年(大仏開眼の年。「なんとごっつい」大仏さま)に創始。本行は3月1~14日
毎夜、大松明が出る。参加する練行衆(れんぎょうしゅう)は11人(=サッカーと同じ人数)

・花会式(はなえしき・薬師寺)
3月30日~4月5日。本尊薬師三尊の前で行われる薬師寺の修二会
・薪能(たきぎのう・春日大社と興福寺)
5月第3金曜・土曜。もとは興福寺修二会の一環で、全国の野外能の発祥
はじめ春日大社舞殿で「呪師(しゅし)走りの儀」として「翁(おきな)」を舞う
(藤原氏の氏社は春日大社、氏寺は興福寺なので、両社寺は兄弟のような関係にある)
・當麻寺練供養(たいまでらねりくよう=當麻レンゾ)
5月14日。即身成仏した中将姫が、二十五菩薩に迎えられ浄土に導かれるさまを表現
「スクイボトケ」(観音)は、両手に蓮台(れんだい)を持ち、娑婆堂(しゃばどう)に向かう
・唐招提寺うちわまち(梵網会=ぼんもうえ)
5月19日。同寺を再興した覚盛(かくじょう)上人をしのび、ハート型の宝扇を撒(ま)く

・三枝祭(さいくさのまつり=ゆり祭り)率川(いさがわ)神社(大神神社の境外摂社)
6月17日。大神神社から運ばれたササユリをかざした4人の巫女が舞を奉納したあと時代行列
・蛙とび=金峯山寺蓮華会(きんぷせんじれんげえ)
7月7日。蓮の花を蔵王堂の本尊に供える行事。着ぐるみの蛙が飛び跳ねる
蓮は、役行者(金峯山寺開祖)の母ゆかりの大和高田市奥田の池で摘む

・お身拭い(東大寺大仏殿)
8月7日。白装束の僧侶たちが大仏にとりつき、一斉にほこりを落とす
・ホーランヤ 橿原市東坊城町の八幡神社と春日神社
8月15日。境内で日中の炎天下で17の松明が燃やされる。先祖の霊を迎える行事が大規模化
・なら燈花会(とうかえ)
8月前半。奈良公園一帯にろうそくの灯がともる
・万灯供養(東大寺大仏殿)と大文字送り火(於:高円山=たかまどやま)
8月15日。大仏正面の窓が開けられる。送り火は戦没者供養
・采女(うねめ)祭り 采女神社
9月中秋の名月の日。ミス采女や花扇使(はなおうぎつかい)などが市内を練り歩く
夜には2隻の舟に乗り、猿沢池を回る

・曽爾の獅子舞
10月・体育の日の前日門僕(かどふさ)神社で行われる。山添、御杖(みつえ)、
旧室生、曽爾の県下4村に伝わる伊勢太神楽(だいかぐら)系獅子舞の代表格
・翁舞(おきなまい)奈良豆比古(ならつひこ)神社宵宮祭
10月8日。翁と脇の3人が、ゆったりとした動作で舞う。謡曲や狂言のルーツとも
・題目立(だいもくたて)八柱(やはしら)神社(奈良市上深川町)
10月12日。宵宮差に、数え年17歳の若者が語り物芸を奉納。語り物が舞台化した初期の姿
・春日若宮おん祭 春日大社若宮社(春日大社の摂社)
若宮社の例祭。関白・藤原忠通(ただみち)が除災と五穀豊穣を祈るため創始


「祭りはじめは(大和神社の)ちゃんちゃん祭り、祭り納めはおん祭」の歌の通り、おん祭で締めくくった。今年は「特集問題」として、春日大社関連で10問が出題される。難問が予想されるので、時間の許す限り、春日大社のHPなどを参照して、予備知識を仕入れていただきたい。
では、皆さん全員の合格をお祈りいたします!
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奈良検定2級によく出る「遺跡・古墳」

2016年01月08日 | 奈良検定
いよいよ日曜日(1/10)は、第10回奈良まほろばソムリエ検定(2016年)の試験日だ。遺跡や古墳を苦手とする人は多いと思う。奈良通2級試験には「特徴のあるもの」が出る。ざっと洗い出してみると、
※トップ写真はナガレ山古墳(河合町 馬見丘陵公園内)。2009.2.22の撮影

・宮の平(たいら)遺跡(川上村)
西日本で初、環状のストーンサークル(配石祭祀遺構)が見つかる
・唐古・鍵遺跡(田原本町)
国内最大級の弥生前期~古墳時代前期の集落。銅鐸の鋳型も。楼閣絵画の建物が復元

・佐紀盾列(さきたたなみ)古墳群(奈良市)
全国屈指の大古墳群。大型前方後円墳7基を含め約50基
・垂仁天皇陵(奈良市・尼ヶ辻駅スグ)
濠(ほり)の中に田道間守(たじまもり)の墓ともいわれる小島がある
・藤ノ木古墳(斑鳩町)
超一級の金銅製馬具セットや2体の人骨が出土

・崇神天皇陵(天理市)=行燈山(あんどんやま)古墳
壮大な濠は、幕末に柳本藩が灌漑用水にするため大修理を加えた
・景行天皇陵(天理市)=渋谷向山古墳
景行天皇は、ヤマトタケルの父。前期古墳の中で最大
・黒塚古墳(天理市)
33面の三角縁神獣鏡(さんかくぶちしんじゅうきょう)が元位置のまま出土

・纒向遺跡(桜井市)
大和政権成立時の宮都。邪馬台国の都か?
・纒向古墳群(桜井市)
纒向遺跡内の4つの古墳(石塚、矢塚、勝山、東田大塚)
・箸墓古墳(桜井市 纒向遺跡内)=大市墓
倭迹迹日百襲姫(やまとととひももそひめ)命の大市墓として宮内庁管理。卑弥呼の墓?

・石舞台古墳(明日香村)
蘇我馬子の桃原墓(ももはらのはか)説が有力。西側に島庄(しまのしょう)遺跡
・都塚(みやこづか)古墳(明日香村)=金鳥塚(きんちょうづか)
石舞台の南南東。珍しい「階段状ピラミッド」形状。馬子の父・蘇我稲目(いなめ)の墓か
・高松塚古墳(明日香村)
天井と側面に彩色壁画
・中尾山古墳(明日香村)
天皇陵に見られる「八角形墳」で、周囲に敷石。文武天皇陵か

・ナガレ山古墳(河合町 馬見丘陵公園内)
円筒埴輪や葺石(ふきいし)が出土。東半分が復原されている
・鳥谷口(とりたにぐち)古墳(葛城市)
二上山雄岳の東麓。大津皇子の墓か
・水泥(みどろ)古墳(御所市)
北古墳と南古墳の2基。南古墳には石棺に六弁の蓮華文(れんげもん)


ニュースになった「都塚古墳」は、シッカリ押さえておいてほしい。また纒向遺跡と纒向古墳群を取り違えないように。「纒向遺跡>纒向古墳群」である。
では、ご健闘をお祈りいたします。
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奈良検定2級によく出る「名数」など

2016年01月07日 | 奈良検定
いよいよ1/10(日)は奈良検定の試験日。翌日の1/11(月・祝)は、平田進也さんの講演会(無料・申し込み不要)である。昨日(1/6)は主催者である奈良商工会議所の若手が、奈良テレビの「ゆうドキッ!」で検定と講演会をPRしていた。今回は同番組パーソナリティの旭堂南青さんも初挑戦される。Facebookには「頑張ります!古墳・史跡・神社仏閣の細かな問題が 不安要素です!」と書いておられた。
※トップと次の画像は、奈良テレビの「ゆうドキッ!」(1/6放送)から拝借

一昨日(1/5)、奈良検定2級「伝統工芸」の人物まとめというブログ記事を書いたら、「ゆきまる」さんから「なかなか勉強が進まず不安になっていたところ、こちらのまとめを拝見し、参考にしつつ勉強させていただきました。とてもわかりやすくて助かりました」というコメントをいただいた。

そこで今日も、奈良検定2級に頻出する「名数」を紹介する。名数とは《同類のものをいくつかまとめ,上に数字をつけて呼ぶ呼び方。「三筆」「四天王」「五山」「七福神」「八景」「十哲」など》(大辞林)。よく出題されるのが、


大和三山:畝傍山(最も高い・場所は西)、耳成山(北)、天香久山(東)
大和三名園:慈光院(大和郡山市)、当麻寺中之坊(葛城市)、竹林院(吉野町)
県下三大梅林:月ヶ瀬梅林(奈良市)、広橋梅林(下市町)、賀名生(あのう)梅林(五條市)
大和三名椿(めいちん):伝香寺の散り椿、 白毫寺の五色椿、東大寺開山堂の糊こぼし
県下三銘段:仏隆寺の石段(ほかの2つはテキストに載っていないので、出ない)
県下の世界遺産:法隆寺地域の仏教建造物(平成5年登録)、古都奈良の文化財
 (平成10年登録)、紀伊山地の霊場と参詣道(平成16年登録)



梅や椿を紹介したついでに、よく出る花の名所も挙げておく。
藤:春日大社(「砂ずりの藤」藤原氏の氏社だから「藤」と覚える)、奈良公園
シャクナゲ:岡寺(明日香村)、室生寺(宇陀市)
あじさい:矢田寺(金剛山寺 大和郡山市)、久米寺(橿原市)、馬見丘陵公園(河合町・広陵町)
ハス:喜光寺(奈良市)、唐招提寺(奈良市)
彼岸花:明日香村各地、葛城古道(御所市)


名数ではなく「実数」でよく出るのが、
奈良公園の鹿の頭数:1,495頭(2015年7月現在=最新の数字)
万葉集に載る歌の数:約4,500首
万葉地名のうち奈良市:約250(=県下の全万葉地名の4分の1)


このあたり、よく整理して頭に入れておいていただきたい。ご健闘をお祈りいたします。
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